「富岳」はIHK/McKernelという名前の軽量マルチカーネルオペレーティングシステムを使用している。このオペレーティングシステムはLinuxと軽量カーネルのMcKernel
の両方を使用し、同時に並行して動作する。両方のカーネルが実行されるインフラストラクチャーはInterface for Heterogeneous Kernels (IHK) と呼ばれる。高性能シミュレーションはMcKernelで実行され、Linuxは他の全てのPOSIX互換サービスで利用できる[22][23][24]。2020年6月、国際スーパーコンピュータ会議にて発表されたTOP500において1位となった。日本のスーパーコンピュータとしては、2011年6月・12月に「京」が1位となって以来9年ぶりである。また、物理現象をシミュレートするHPCG(High Performance Conjugate Gradient)、人工知能計算のベンチマークHPL-AI、ビッグデーター解析のGraph500においても1位となり4冠を達成[25][26]。その後、2020年11月、2021年6月及び11月の時点でも4部門で首位を維持し続け、4期連続の4冠を達成した[27]。
この他、消費電力当たりの性能ランキングGreen500では2020年6月の時点で9位[28]。 2018年、「富岳」の構築費用は1300億円(国費 1100億円、民間投資 200億円)と報道された[29]。 また、構築費用とは別に「富岳」の運用に必要な経費は、毎年150億円以上[30][31]が計上されている。しかし、2022年においては光熱費の急激な上昇により、運用費の不足が予測されたため、全計算ノードの約1/3を約4カ月間停止している。[32] ニューヨーク・タイムズ紙は米国で計画中の「富岳」の性能を超えるエクサ級のスパコンのコストは最大でも6億ドルであるのに対して、10億ドルを超える「富岳」のコストを高額な支出と表現した[33]。 なお、時期・用途・構成などは異なるが、当時の他の主なスーパーコンピュータ(計画中を含む)との性能・費用などの単純比較は下表の通り。 性能・費用比較表システム名運用開始年運用終了年性能 (6億ドル)40未満(予定)-HPE、AMDEPYC(Zen 4)、Radeon InstinctLinux (5億ドル)以上[34]24.72023年11月- 2位HPE,IntelXeon CPU Max、Data Center GPU MAXLinux(SUSE)
価格性能比について
(LINPACK
PFLOPS)費用
(億円)消費電力
(MW)TOP500順位ベンダーCPU・GPUOS
El Capitan(開発中)2023(予定)-2000(理論値ピーク性能、予定)643
Aurora2023-585.3557
LUMI
174
(1億6000万ドル)7.12022年6月-2023年6月 3位HPE,AMDAMD第3世代 EPYC , AMD Instinct 250XLinux
(Cray OS)
Frontier2022-119464322.72022年6月- 1位HPE,AMDAMD第3世代 EPYC , AMD Instinct 250XLinux
(Cray OS)
富岳2020-4421300[36]29.9[37]2020年6月 - 2021年11月 1位富士通A64FX(ARM)Linux(RedHat)
Summit2018-148350
(3億2500万ドル)[38]10.1[37]2020年6月 - 2021年11月 2位
2018年6月 - 2019年11月 1位IBMPOWER9, Tesla V100Linux(RedHat)
Sierra2018-947.4 [37]2020年6月 - 2021年11月 3位
2018年11月 - 2019年11月 2位
神威・太湖之光2016-93300
(約18億元)[39]15.4[37]2020年6月 - 2021年11月 4位
2016年6月 - 2017年11月 1位NRCPCSunway SW26010
Linux(Raise)