富山市
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単独の人口比較では石川県金沢市に劣るが、都市雇用圏での比較では人口・経済規模ともに金沢都市圏より富山都市圏の方が大きく、新潟都市圏とともに日本海側の都市では福岡都市圏札幌都市圏北九州都市圏に次ぐ規模である[3]

合併により、「越中富山の薬売り」で知られる富山城城下町として栄えた地域(「薬都」と呼ばれることも)、浄土真宗の古刹聞名寺の門前町として発展した地域、立山信仰の登山者たちの宿場町として人々が行きかった地域など、多様な地域が包含された。地形も変化に富み、水深約3,000 メートル富山深海長谷から標高2,986 メートルの水晶岳までさまざまな動植物が生息し、ホタルイカライチョウ(雷鳥)などが観光資源化されている。ホタルイカが水揚げされる富山市から魚津市にかけての富山湾沿岸は、特別天然記念物に指定されている。

方言富山弁が使用されている地域である。

隣県の新潟県の県庁所在地、新潟市とは252.5 キロメートル離れている。これは、陸続きの隣県同士の県庁所在地間の距離では日本最長である(海上隣接を含めると、鹿児島市那覇市の764.9 キロが最長)。
地理
地形薬師岳山荘

富山県の中部から南東部に位置しており、県の総面積の約3分の1を占める。市の北部から中部には神通川常願寺川などの川によって形成された沖積平野富山平野が広がる。中西部にはなだらかな呉羽丘陵が横たわり、南部には飛騨高地が、南東部には雄大な北アルプス立山連峰がそびえる。森林セラピー基地に認定されている。富山平野の北側には、豊富な魚介類の宝庫である富山湾が広がっている。

立山カルデラ内にある新湯という池では、上質な玉滴石(オパールの一種)を産出する。

水晶岳(富山市最高峰)、薬師岳野口五郎岳黒部五郎岳烏帽子岳赤牛岳三俣蓮華岳北ノ俣岳鷲羽岳白木峰呉羽丘陵牛岳東笠山与四兵衛山大高山

高原高天原雲ノ平五色ヶ原

神通川常願寺川井田川松川いたち川久婦須川熊野川長棟川白岩川上市川和田川

湖沼多枝原池刈込池新湯水晶池竜晶池五郎池、黒部湖(黒部ダム)、有峰湖(有峰ダム)、田尻池

由来

「トヤマ」の地名は、室町幕府直臣の吉見詮頼が、応永5年5月3日に「越中国外山郷地頭職」を観勝寺に寄せた寄進状[注釈 3] が初見である。外山郷は、越中守護所放生津(現・射水市)があった射水郡の東端である御服山(呉羽山)の東麓(射水郡からみて外側)に位置する。この地形から、「外山」の字が当てられたとする説がある。「富山」字は戦国時代に初見されるが、江戸時代は「富山」「外山」の両方が使用されている。また、慶長年間以前に成立したことが確実な文献史料のタイトルに『富山之記』がある。このほか、以下のような説がある。

立山連峰を仰ぐことができ、山に富んでいることから富山(とやま)と呼ばれたため。

もともとは藤居山(ふじいやま)という地名だったが、富山寺(ふせんじ)[注釈 4] という寺院があったのでに次第に富山(とやま)と呼ばれていったため。

富山城が築城された際に、外山から縁起よくするために富山に改名されたため。ただし富山城は江戸初期まで「安住城」「安城」と呼ばれていたという説もある。

深山に対して外山(とやま)と呼ばれたため。

市街地駅北ブールバール富山市中心部周辺の空中写真。2021年8月2日撮影の36枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

昭和の第二次世界大戦後市街化区域内は土地区画整理され、東西と南北に碁盤目状に延びる道路と、富山駅を起点とした5本の放射状道路により構成された計画都市となっている。富山駅を中心に周辺には県庁、富山国際会議場県民会館などシビックセンターが発達している。富山駅南口からはメインストリートが伸びており、路面電車でアクセスできる繁華街が発達している。かつては駅裏とも呼ばれていた富山駅北側は昭和末期に策定された「とやま都市MIRAI計画[4]」による再開発が行われ、現在ではLRTが整備され、シアター富山市芸術文化ホール通称:オーバード・ホール)、シティーオアシスである富岩運河環水公園(カナルパーク)や富山県美術館などの施設が立地する他、企業の本社などオフィス街が発達している。同じく路面電車でアクセスできる市北部海沿いの岩瀬浜エリアには歴史情緒あふれる街並みが広がっており、かつて北前船が就航していた頃の面影が残っている。また、神通川を渡った市内西部には五福エリアに富山大学を中心に学生街が、婦中町エリアにショッピングセンター「フューチャーシティ・ファボーレ」をメインとしたロードサイドショップが点在する商業圏が発達している。また、岐阜県飛騨高山方面へと続く国道41号線沿いにもロードサイドショップが点在する。一方、古い町並みの残る八尾地域は「越中おわら風の盆」で全国的に知られ、多数の観光客が訪れる。
気候

日本海側気候で、旧富山市域は豪雪地帯、市域南部の大山・八尾・山田・細入地域は特別豪雪地帯に属している。しかし、北陸地方のほかの地域と同様、緯度のわりには太平洋側と比べると気温は温暖で、年間降水日数が多く特に冬期は多量の降水を見る。富山平野富山湾に面しているが、能登半島で日本海からの海風が遮られ、南側に飛騨高地などの山脈が連なり南?南西の風が卓越しやすいなど内陸性ともいえる気候の側面を持つ。以上の地形的な特徴により、冬の季節風が比較的弱いものの、夏はフェーン現象の影響を特に受けやすく高温となる。

冬は雪や雨の日が多めである。年平均降雪量は253 センチで、年平均最深積雪は51 センチとである。これには前述の地形的な特徴も原因となっており、能登方面から吹く弱い北西風と、金沢市方面から吹き込み南側の山地を回りこんでから吹き降りる南風が富山平野で収束しやすいことによるものである。冬季の過去最深積雪は1940年1月30日に観測された208 センチ。近年は暖冬化により積雪が減少傾向であるが、2021年1月8日に35年ぶりに100センチを超え、1月10日には128 センチに達した[5]真冬日は年平均0.5日と少なく、最寒月の最低気温の平年値も約0 と、関東地方の郊外都市部より高い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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