富士講
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例えば、人穴富士講遺跡も碑塔の建設は1964年以降は行われていない[4]

冨士講は衰退し講員の数はめっきり減り、東京の街中などで講員が活動する姿を見ることはまず無くなったが、現在でも富士山に行けば富士講講員らが巡礼する姿を見ることができる。

2006年(平成18年)現在、十数講が活動し、3軒の御師の家(宿坊)がそれを受入れている[5]

富士講の御師の、旧外川家住宅小佐野家住宅は、それぞれ世界遺産富士山-信仰の対象と芸術の源泉の構成資産であり[6]、国の重要文化財に指定されている[7][8]。富士講の御師の、上文司家住宅原家住宅は、それぞれ国の「登録有形文化財(建造物)」に登録されている[9][10]
富士山登拝と富士講碑奉納

富士講にとって聖地は富士山であり、巡礼として富士山登拝を繰り返す。講派によって日数や作法は違うが、事前に一定の期間身を清めてから登山に臨む。人穴(ひとあな)

角行修行の地である人穴は聖地とされており、講員らが訪れる。人穴に隣接する人穴浅間神社は主祭神を角行としている。さかんに碑塔の建立されたので、現在も約230基の碑塔群が残っている。現在は「人穴富士講遺跡」として知られている。富士講碑にみられる「ヤマサン」の笠印(人穴富士講遺跡)

富士講信者には「富士講碑」という記念碑を奉納する文化が存在した。(なお、この碑の特徴として「笠印」というマークの刻印が挙げられる。この笠印は講社により異なり、「マルサン」や「ヤマサン」などの種類がある[11]。)
巡礼富士山巡礼者。日下部金兵衛撮影。1880年。白糸の滝

富士講信者は富士山の登拝だけでなく、富士五湖白糸の滝などの巡礼地で、巡礼や水行などの修行を行っていた[4]。また忍野八海や洞穴(船津胎内樹型や吉田胎内樹型など)も霊場・巡礼地となっていた[4]
富士八海

富士八海と総称された巡礼地があり、富士山周辺の霊場を中心に構成される内八海と、関東?近畿地方に広がる外八海に分けることができる。内八海は富士五湖の各五湖と明見湖(あすみのうみ、富士吉田市)、四尾連湖(志比礼湖、しびれのうみ、市川三郷町)、泉端(泉水湖、せんづのうみ、富士吉田市)が近世富士講の巡礼地であった[12]。しかしそれより以前は、泉端ではなく須戸湖沼津市富士市)を含めて「富士八海」とされていた[13]

外八海は二見海(二見浦、三重県)、竹生島琵琶湖、滋賀県)、諏訪湖(長野県)、榛名湖(群馬県)、日光湖(中禅寺湖、栃木県)、佐倉湖(桜ヶ池、静岡県)、鹿島湖(霞ヶ浦・茨城県)、箱根湖(芦ノ湖、神奈川県)である。
主な指導者一覧

開祖
角行(長谷川角行、藤原角行東覚)

二世 黒野日行日?(日旺・日?とも、黒野運平)

三世 赤葉?行?心(旺心・?心とも、赤葉庄左衛門)

四世 前野月?(月旺・月?とも、前野理兵衛)

五世 村上月心(村上七左衛門)

光清派(富士御法家)

正統派、村上派とも。もとは村上講と呼ばれたが、のちに富士御法家という呼称になった。枝講を認めなかったため、昭和に入って衰退し東京では断絶した。光清派の後継を名乗る宗教としては冨士教がある。

六世 村上光清(村上三郎右衛門)

七世 光照

八世 照永

九世 照旺

十世 照清

十一世 政徳

十三世 光旺

十四世 旺清

十五世 清腥

十六代 妙清

十七代 善道(断絶)→冨士教

身禄派

月行の師に二説があるため、四世月?を数える場合と数えない場合がある。

四世(五世) 森月行??
(三世?心あるいは四世月?弟子)

五世(六世) 伊藤食行身禄(伊藤伊兵衛)

食行身禄は枝講を認めたため、多数の講に分裂した。中でも三女である一行花の系統が主流となった。現在は実行教扶桑教丸山教という宗教としても集結しているが、当時の形を残す複数の講も残っている。
丸鳩講→不二道


六世 伊藤花子一行(伊藤花(お花)、食行身禄三女、小笠原権九郎夫人)

七世 伊藤参行六王(花形浪江、お花の弟子のち養子)

八世 小谷禄行三志(小谷三志、丸鳩講→不二道開祖)

九世 小谷六行三子(小谷庄兵衛、不二道孝心講開祖)

九世 徳大寺参行三息(大徳寺行雄、神道実行講開祖)→実行教


一山講


琢心一我(小泉文六郎、食行身禄弟子、食行身禄長女お梅の奉公先の隣人)

日行八我(一山講開祖)→扶桑教

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 16世紀後半から17世紀前半


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