家族
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令和2年国勢調査によると、三世代同居率は以下の通り[39]。body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}

山形県 13.9%

福井県 11.5%

新潟県 10.5%

秋田県 10.3%

富山県 10.1%

...

全国 4.2%

...

北海道 2.4%

神奈川県 2.2%

大阪府 2.1%

鹿児島県 1.9%

東京都 1.3%

欧米で近代的な「家族」の崩壊が進んでいる中で、日本ではいまだに近代家族の概念が強固に残っているとされる[40]。一例として、一部先進国においては婚外子の割合が結婚しているカップルの子どもの割合とほぼ同じとなっている国家も存在するが、日本においては婚外子の割合は2008年でわずか2.1%にすぎず、ほとんどが結婚した夫婦による子どもである。しかし、晩婚化や非婚化によって出産数が減少し、深刻な少子化が起こっている[41]。また、一般に欧米の家族では夫婦愛が最も重要であるのに対し、日本の家族愛は母性愛がその柱となっているとされる[42]
一家団欒

家族で一緒に食事をしたり談笑するなどしてなごやかに過ごすことを一家団欒と呼ぶ。こうした一家団欒は家族内のコミュニケーションの重要な手段であり、子供の心身の発達において良好な効果を上げることが判明しているため、教育面の視点などから広く推奨されている[43]

ただし、こうした家族での共食と一家団欒の思想が日本で成立したのは、明治時代中期にキリスト教の影響を強く受けた近代家族像が成立してからのことである。一家団欒は修身教育を通じて推奨され、主婦の専業化やちゃぶ台の普及によって徐々に広まっていったものの、定着したのは非常に遅く、日本では第二次世界大戦後のこととされる[44]
家族旅行

戦前から家族旅行は比較的裕福な市民において行われていたが、戦後の高度成長期には裾野が広がり、庶民の家庭においても家族で旅行することが定着した。社団法人日本旅行業協会が公表した統計では、『成人するまでに20回以上、つまり平均して年に1回以上家族旅行に行った人は、「我慢強い」「思いやりがある」「協調性がある」「社交的である」等、周囲とのコミュニケーションや気配りに長けている傾向が強い』という結果となっている[45]
家族に関するメディア報道[ソースを編集]

一部の家族が機能不全状態にあるという意識の広まりと共に、家庭でのドメスティックバイオレンス児童虐待などの事件がマスメディアを賑わすことが日常化している。これらの問題はどの時代にもあり、件数的には現代ではむしろ減少しているが、報道は増加している。近年は家庭内の暴力を人権問題として社会問題ととらえる傾向がある。増加する高齢者人口と在宅での高齢者看護などと共に、家族をめぐる社会問題が報道されている。

家族をめぐるメディア報道においては、現代の離婚件数が昔より増加しているかのような言論や(明治期の離婚は現代の1.5倍の件数であった)、「家族の終焉」といった、歴史的に見て適切ではない言説がなされる場合がある[46][47]。ただし、離婚率は1960年から緩やかに上昇傾向に入り、2000年まで増加し続けた。それでも世界的に見れば日本の離婚率は2006年時点でもかなり低位となっている[48]
新しい家族関係についての提唱[ソースを編集]
1950年代のニュー・ファミリー・センターによる提唱[ソースを編集]

1950年、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) 渉外局長エコルス大佐の夫人ナンシーの開く自宅パーティーにおいて若い世代の民主主義を履き違えてることが話題に上り[注 1]、そこで正しい家庭の民主化が提唱され、1951年2月にニュー・ファミリー・センター (N・F・C) が設立された[49][50]

ニュー・ファミリー・センターは戦後の日本人の青年を自尊心がなく、西洋の良いところだけでなく悪いところも真似をすると批判し、日本の美徳を取り戻させようとするものであった[51]。また家庭の民主化では自由の代わりに責任も生まれ、主婦は今までの内助の功だけでなく外助の功まで求められるようになるとし[52]井戸端会議を止めて買い物や洗濯と社交を分離し、社交を談話会や討論会へと発展させることを提唱した[53]。また親子関係では友達親子を理想としたとされる[54]
1970年代のニューファミリー[ソースを編集]

1970年代頃にはニュー・ファミリーという用語がマーケティング業界を中心に使われるようなった[55]。これは60年代の消費欲旺盛なヤングが結婚して70年代のニュー・ファミリーになるという説であり[56]、ニューファミリーは友達夫婦であることが想定されていた[55]

1972年には百貨店の丸井がニュー・ファミリー向けの展開を行った[57][58]ほか、1977年には女性誌でも「an・an」「non・no」「JUNON」の上位誌としてニューファミリーをメインターゲットに据えた「クロワッサン」「MORE」「ARURU」が登場した[57]

しかしながら同1977年には丸井が展開をニューファミリーからニューヤングへと切り替えた[57]ほか、前述のニューファミリー向け女性誌も部数が伸びず[57]、1978年には「ARURU」が休刊し[57]、「クロワッサン」も「女の新聞」へとリニューアルされ[59]、これにより「クロワッサン」はニューファミリーの女性ではなく離婚を含めたシングル謳歌を広めていくこととなった[60][59]

当時のNHKの調査によれば当時の若い夫婦に愛情表現が豊かなどのニューファミリー的要素は認められるものの[61]、話題になっていたようなニューファミリーそのものの存在は見つけることができなかったされる[61][62]
動物の家族[ソースを編集]

家族に類する集団を作る動物もある。ある動物が次のような集団を作っている場合、それを家族と呼ぶことがある。
配偶ペアがある程度以上の期間にわたって維持されること。

この組がそれらの子の世話をある程度以上行うこと。

配偶ペアが長期にわたって維持される例はあるが、それだけを以て家族ということはない。また、単独の親が子育てする例もこれを家族と言わない。もちろん、より文学的表現でそれらをも家族という語を使う例はままある。

上記のような範囲で家族を構成する動物は鳥類に例が多い[63]。いくつかの鳥類では前年の雛が巣に残って子育てを手伝う。これをヘルパーと言う。哺乳類ではタヌキキツネなどいくつかの例がある。類人猿の中では、ゴリラは1匹の雄と複数の雌による一夫多妻制の家族を築いており、父母ともに子どもの面倒を見るが、父親が死亡した場合この家族は崩壊する[64]。ゴリラの家族同士は接触しないように距離を置いており地域集団を形成せず、またより人間に近いチンパンジーは地域集団内の乱婚制で家族を形成しないため、いずれも人類の家族制度および社会制度とは異なっている[65]

節足動物にもかなり例がある。いわゆる社会性昆虫は実のところ一頭ないし一組の生殖個体とその子で構成されており、非常に巨大ながら家族集団である。ただしハチアリの場合、雌が単独で巣作りをするから先の定義から外れる。シロアリは夫婦で巣作りするのでこれは家族扱いできる。他に家族的集団や親子集団を形成するものもあり、それらは社会性昆虫の進化との関連でも注目される。
家族をテーマにした作品[ソースを編集]
小説[ソースを編集]

レフ・トルストイ 著『アンナ・カレーニナ』(1877年、ロシア)

エクトール・アンリ・マロ 著『家なき子』(1878年、フランス)(原題の「Sans Famille サン ファミーユ」は家族無しで、という意味。)

ジョン・アーヴィング 著『ホテル・ニューハンプシャー』(1981年、アメリカ)


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