家族狩り_(テレビドラマ)
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本作品はTBSの有料動画配信サービス・TBSオンデマンドでも放送後の日曜日23:00から最新話が順次配信される[20]
あらすじ詳細は「#エピソードリスト」を参照

都内で連続して発生する、子供が家族を殺す一家心中事件を調べる警視庁捜査一課の刑事・馬見原光毅は、いずれの現場にも2種類の臭いが漂うことに気付く。馬見原はそのひとつの香水のような香りを児童心理司・氷崎游子から感じ取り、事件を心中ではなく游子による連続殺人と怪しみ、部下の椎村栄作とともに事件を追う。游子は高校生の芳沢亜衣との関わりを通じて美術教師の巣藤浚介と出会う。氷崎家は認知症の父・清太郎の介護とそれに悩む母・民子の疲れでバラバラになりかけていたが、父と親しくなった浚介や彼の元教え子・鈴木渓徳らとの交流を通じて前向きに変化する。游子と浚介はこれらの交流や浚介が傷害事件に巻き込まれたことなどを通じ親しくなってゆくが、浚介が同僚の清岡美歩に結婚を迫られていることが影を落とす。一方、馬見原は私生活では家庭崩壊し、心を病む妻・佐和子を抱えつつ、DV被害者の冬島綾女・研司の親子との間に亡き息子と結べなかった関係を見出していたが、綾女の元夫のヤクザ・油井善博に逆恨みされ、執拗に復縁を迫られる綾女たちを守るために奔走する。油井は佐和子に冬島親子の存在をほのめかす嫌がらせをし、綾女と対決した佐和子は苦悩の末自殺未遂に追い込まれる。

事件の影響で浚介の学校が不登校生徒の切り捨てを図る中、游子と浚介は引きこもりの生徒・実森勇治に対応し、過去に似た経験を持つ浚介は勇治の心を開く。しかし、彼の誘いに応えて学校に来た勇治は担任の美歩や他の生徒に傷つけられ再び引きこもる。度重なる家族関係の苦悩や担当する駒田幸一・玲子親子とのトラブルに自信を失くす游子は、親しい電話相談ボランティアの山賀葉子の力を借りるが、実森家の家族は改善せず、ついには一家心中に至る。その現場で浚介は馬見原に任意同行され、事件現場の甘い香りの正体が游子の使うシャンプーと同じであること、7年前に担当家族が一家心中した過去を持つ游子への容疑を聞き衝撃を受ける。しかし渓徳に叱咤され游子と向き合った浚介は、家族を救えず罪の意識に苦しむ游子を殺人犯ではないと信じる。

游子を逆恨みする駒田は氷崎家の家族を殺そうと不法侵入するが失敗し、自殺して発見されるが游子はその遺書の内容に不審を抱き、やがて山賀とシロアリ駆除業者・大野甲太郎のつながりを知ってしまい彼らに監禁される。彼らは末期的状態の家族を救う「儀式」と称し、これまでの物語で一家心中とされた家族、および駒田を殺していた。山賀たちは游子を連れて家庭崩壊する芳沢家を監禁、游子を助けようとする浚介をも拘束し、彼らの前で亜衣の両親に子供への愛を見せると称して拷問を加え始める。家族とともに死を覚悟する亜衣を、浚介と游子は必死に説得し、元夫婦の山賀と大野がかつて我が子を手にかけたと知る。間一髪で現場に踏み込んだ馬見原と椎村は犯人たちに銃を向け、彼らは被弾しながらも逃走し行方知れずとなる。

馬見原や浚介とともに一連の事件を振り返る游子は、心の欠損を抱えた人々に手を差し伸べ家族を「開く」べきだと語る。亜衣は両親とともにやり直す決意をする。油井を刺殺するが正当防衛が認められた綾女は馬見原に別れを告げ、親子は東京を後にする。馬見原は妻と向き合い、娘婿を通じ娘の真弓にもその愛情が伝わる。美歩と別れ、自分の家族とも再会した浚介は、游子を食事に誘い、二人は約束を重ねる新たな関係を築こうとする。しかし同じ頃、都内では新たな一家心中事件が起き、救いを求める家族が山賀を思わせる電話相談を頼るところで物語は終わる。
キャスト

詳細な人物説明は原作項目を参照。本項では簡単な続柄、ドラマ独自の設定を記載。
主要人物
氷崎 游子(ひざき ゆうこ)〈35 - 36〉
[注 2]
演 - 松雪泰子(幼少期:住田萌乃)東京都児童ケアセンター職員・児童心理司[21]。児童虐待対策のために積極的に動かない警察にたびたびクレームをつけ、署内で“クレームババア”と呼ばれている[注 3]。7年前に担当した家族が一家心中し、彼らを救えなかったことで罪の意識に悩まされ一旦退職し、一時は行方をくらまし心を病んで入院していた[注 4]が、5年前に嘱託として児童ケアセンターに復帰する。アレルギーに対応したイタリア薬局製のシャンプーを愛用しており、山賀に頼んで並行輸入している。渓徳曰く、人の印象に残りやすい美人[注 4]。ドラマ版では脚の障害の設定はない。最終話では山賀・大野夫妻の行動を、家族を失ったり裏切られたり、家族というシステムそのものになじめない人々が抱える、身体障害と違って目に見えず理解されにくい心の欠損であると解釈し、その心の傷に寄り添うことと、仲間や社会も含め互いに手を差し伸べあうことで、家族を閉ざさずに「開く」ことが必要であるという結論に至る[22]
巣藤 浚介(すどう しゅんすけ)〈31〉
演 - 伊藤淳史私立の進学校・桐明学院高校美術教師。生徒指導担当。ジャン=ミシェル・バスキアに心酔する[注 3]。性格はとかく流されやすく、年上の同僚・美歩に迫られ関係を持って以来、彼女と交際している。柔和で人当たりも良いが、結婚と家族関係に対してだけは頑ななまでに否定的。亜衣の偽証をきっかけに游子と知り合い、その後偶然にも清太郎と知り合い気に入られてしまう。ドラマ版では福井県の出身で[注 5]、過去に引きこもり、親に対し殺意を抱いた経験があり、遂には家出しそれ以来家族に会っていない[注 6]。家出後は高校に通わなかったが18歳のとき大検を受け、美術大学に通うものの、画家にはなれず美術教師になる[注 6]。游子の言葉を受けてようやく両親に再会する[注 7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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