家弓家正
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特色・人物

声種バスバリトン[24]。「腹の底から響くような重々しい声が魅力」[25]、「渋いのに優しさを秘めたようなソフトヴォイスが特徴」と評されている[26]。演じる役柄としては博士役、知的な悪役で知られていた[25]

テレビ草創期からテレビドラマアニメ吹き替えナレーションと幅広く活躍した[27]

吹き替えでは、フランク・シナトラドナルド・サザーランドを数多く担当[27]。ほかにもジェームズ・スチュアートに代表される二枚目俳優から、アレックス・コードクリストファー・リーなど、渋さ・アクの強さが滲むような俳優陣の吹き替えを担当した。

趣味はカメラ[5]
エピソード

芸名は使わなかった。過去には姓名判断で「大変良くない名前だし、将来も良くないから絶対に変えなさい」と言われたが「僕らの仕事は保証もなく既に良くない」と本名で活動していた[15]

呑み仲間でもある若本規夫からは、収録の際に台詞を決して間違えないことから「精密機械」の異名を与えられた。これに対し本人は「ちょっと、何ていうか?非人間的(な表現)だねぇ(笑)」と返しており、「デビュー当時は生放送が基本で何度もトチると次は使ってもらえない時代だったし、トチらない奴に仕事が回った結果で、僕はそんな大したことしてない」と述べている[28]

山路和弘によると、吹き替えに関して家弓は「この仕事は錯覚だからね」とよく言っていたという[29]

藤村歩は尊敬する声優として家弓の名を挙げており、家弓は彼女に芝居の大切さを教えている[30]
悪役

風の谷のナウシカ』のクロトワ役や『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』のパラガス役など、様々な作品で黒幕や敵役、悪役を演じた[4]

敵役について家弓自身は、普段できないことを思う存分でき、ストレス発散になるので面白いと語っている[16]。また、声優業自体が画面のタイミングに自分の演技を合わせなければならないという制約によるつまらなさを感じることもあることから、「いい人、やさしい人よりも屈折した人物の声をやってる方が飽きないんです(笑)」と語ったこともある[17]

「悪役に家弓」というイメージは古くからあったらしく、1963年のドラマ『逃亡者』シリーズで黒幕が明らかになるかというクライマックスの回に家弓がゲスト出演した際、レギュラー出演者から「やっぱりお前が一番悪い奴だったのか!!」と声をそろえ冗談交じりにののしられたというエピソードがある。しかし、実際の黒幕は家弓が吹き替えを担当した人物ではなかった。

OVAジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』の収録で同年代の矢島正明と久々に共演し再会した際、矢島は「なぜ家弓が悪役ではないのか、いつ裏切るのかと待っていた」と悪役の多い経歴を踏まえた冗談を飛ばした。
フランク・シナトラ

1967年にテレビ朝日日曜洋画劇場』の前身である『土曜洋画劇場』で放送された『見知らぬ人でなく』以降、フランク・シナトラの吹き替えをほぼ専属で担当した。

初めてオファーが来た際はシナトラの全盛期であり、家弓は当初「シナトラは誰もが声を知っている程の世界的な歌手で、(当時存在した)ファンクラブからもクレームがくるのが目に見えている」と断るなど乗り気でなかったが、「本数も少ないし頼むからやってくれ」といわれ渋々担当することになったという[16]。その後、クレームがきたという話はなかったが、家弓は「降板させないため本人に見せないでくれていたのではないか」と述べている[16]

それからは、どきどきしながらシナトラに吹き替えていたという[16]。なお、気持ちの上での抵抗に関しては途中で「仕方がない」と諦めの心境に変わったといい、「つまり全く意識しないでやる事なんです。1ステージ何十万ドルもとる人と勝負できないもんですから」と語っている[15]

シナトラの芝居について、家弓は「歌手としては非常に好きだが、役者としてはあまり魅力を感じない」と評し、「何回も同じ人を吹き替えていると情が移るとか言われますが、私は性格的にあまり情が移らない方でして…」と述べている。また演技は「台本どおりきっちりしている」ため「崩しているようで崩してない」と吹き替える上で注意しているといい[16]、「僕は彼のことを二枚目の役とは思ってません。一種の仇役だと思ってやってるから皆さんすんなり受け入れてくれるんじゃないですか?」と語ったこともある[17]

これまで演じて楽しかったシナトラ作品に『波も涙も暖かい』を挙げている[16]。なお、家弓自身が面白いと感じて、吹き替えをやりたかったシナトラ作品は『三人の狙撃者』だったが、結局やる機会がなかったという[16]
ドナルド・サザーランド

ドナルド・サザーランドの吹き替えは、若い頃でなく「彼がある程度年をとってから」多く担当するようになった。ただし、初担当は1975年放映の『ジョニーは戦場へ行った』である[16]

サザーランドについて、家弓は「あの目が『絶対にこいつが悪い奴だ』と思わせる」と語った。また「しゃべり方が不思議で、息継ぎをせずにだらだらしゃべるため担当する時は辛いとも語り、『JFK』では15分もほとんど1人でしゃべり通すシーンだったため泣かされたという[16]
宮崎駿作品

宮崎駿の監督作品では、二度悪役として出演している。

未来少年コナン』では、独裁者のレプカを担当。家弓はレプカに対して、人物像を探れるような描写が少なく役が掴みにくかったといい、場面によって性格が大きく異なったことで「もう少し陰のあるキャラクターであって欲しかったな」と評している。また「もっと人間としての存在感というかリアリティがある役でいてほしかった」という趣の発言をしているほか、収録時に絵が完成しておらず苦労したこともあり「いろんな意味において不満の多かった作品ですね。僕にとっては」と発言している[31]

『未来少年コナン』の後に公開された『風の谷のナウシカ』ではクロトワを演じており、クロトワに関して家弓は「同じ“敵役”でも今回のクロトワという男は、レプカに比べて肩に力が入ってない??とでもいうのでしょうか。要するに飄々と生きている感じです」と評し、「この宮崎さんが創った魅力あるキャラクターは、演じていてとても楽しかったですね」とコメントしている[32]

なお、上記二作の間に製作された『ルパン三世 カリオストロの城』では、宮崎本人からカリオストロ伯爵役を熱望されたが、諸事情により辞退している(演じたのは石田太郎)。
その他出演作

超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』でアークエンジェル(アレックス・コード)を担当した際は、「CIAは日本では陰謀に関わる悪玉として知られているが、自分は主人公側なので主役をサポートする人格者を演じなきゃならない、少々やりにくい」と述べた[17]
出演

太字はメインキャラクター。
テレビドラマ

わが青春のとき日本テレビ

鬼平犯科帳 第1シリーズ 第43話「うんぷてんぷ」(1970年、NET / 東宝)‐ 弥太夫

東京Gメン(フジテレビ

ダイヤル110番(日本テレビ)

事件記者NHK


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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