室田日出男
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この映画の助監督を務めたのが深作欣二山口和彦[1]、同じ冷飯組だった深作は同病憐れむ仲で[6]、陰に陽に室田を引き立て[6]、その後も自身の作品で室田をよく起用した[1]。下積みは20年近くに及んだ[6]

1961年千葉真一深作欣二が初主演監督映画『風来坊探偵 赤い谷の惨劇』では、クランクインの前夜に酔って暴れ、ホテルのガラスを叩き割った[9]。深作から降板させられ3年間出入り禁止を通告される[9]。室田は組合運動を熱心にやるため[8]、東映から嫌われ、1965年10月公開の『昭和残侠伝』(佐伯清監督)出演後、半年干された[8]。まだ売れてなかった深作が心配し『脅迫 (おどし)』(1966年2月17日公開)を撮る際、当時の今田智憲東映東京撮影所所長から「もう組合活動をいっさいやらない、と一筆書けば出演させる」と約束を取り付けてくれ[8]、深作に説得され一筆は書いたが、その後、居直り再契約の交渉で今田の術中にはまり、売り言葉に買い言葉があり、大喧嘩して東映ニューフェイスでは珍しく東映を契約解除される[8]。フリーとなり、東映の社員でなくなったため当然組合運動は出来ず[8]、ハジキ出され疎外された[8]。再契約を頼み続けたが東映に断固拒否され続けた[8]新宿ヤクザ20人に囲まれたが、度胸のよさを見込まれヤクザにスカウトされたこともある[8]。東映から再契約の打診があったのは1975年9月[8]。「三角マークにゃ恩義はないが、古巣、東映を誇りに思うしプライドも持っている」と再契約に応じる[8]

1975年には岩尾正隆川谷拓三志賀勝らと共にピラニア軍団を結成し、室田はリーダー的存在だった。同年のテレビドラマ『前略おふくろ様』では半田妻吉(半妻)を演じる[10]

1978年2月13日、覚せい剤不法所持容疑で逮捕[6][11]。1977年6月に東映京都撮影所の俳優会館内で、岩城滉一から覚せい剤を譲り受け、自分で注射した容疑だった[6]。室田がこれを認めれていれば任意捜査の書類送検で終わったが[6]、室田が全面否認したため逮捕となり大騒ぎになった[6]。周りの人たちは「昼間から酒の臭いをプンプンさせていたからアルコール中毒ならまだしも覚せい剤の使用はないと思うよ」などと擁護したが[6]、出演していたNHK大河ドラマ黄金の日日』を途中降板(降板とともに役柄自体が消滅)[6]。謹慎生活を送る。

1978年、謹慎後の復帰作となった日活制作の『人妻集団暴行致死事件』では高い評価を受け、1980年の映画『影武者』、『野獣死すべし』などにも出演した。

1981年の映画『魔界転生』では宝蔵院胤瞬に抜擢され、1992年第35回ブルーリボン賞では『死んでもいい』、『修羅の伝説』で助演男優賞を受賞した。

2002年6月15日午後10時5分、肺癌のため逝去。戒名はなし[12]。64歳没。葬儀・通夜では山城新伍をはじめ、梅宮辰夫松方弘樹などが参列。告別式では深作欣二が万感の思いで弔辞を読み上げ[9]、山城は「彼は僕らと違ってバラエティには出ないから、本当に役者だね」と追悼。酒好きで、『ライスカレー』などで共演した陣内孝則からも慕われていた。
逸話 

フジテレビのドラマ『6羽のかもめ』に出演したとき浅草でロケがあった。このとき『仁義なき戦い 代理戦争』などで早川英男を演じていることを知っていた地元の香具師テキ屋が見物人を遠ざけて出演者の邪魔にならないように配慮してくれた。ただし番組終了後、映画を知らない視聴者から「本物のヤクザを出演させるな」という苦情の手紙が放送局にきたという[13]
出演
映画

二発目は地獄行きだぜ(1960年、東映) - 鳴風組の子分

太平洋のGメン(1962年、東映) - 小森

柔道一代(1963年、東映) - 戸田常次郎

警視庁物語 全国縦断捜査(1963年、東映) - 宜保

親分を倒せ(1963年、東映) - 海津

暗黒街最大の決斗(1963年、東映) - 石神

暴力団(1963年、東映) - 戸張

昭和侠客伝(1963年、東映) - 隆

東京ギャング対香港ギャング(1964年、東映) - 竜の子分

暗黒街大通り(1964年、東映) - 紅会の子分A

狼と豚と人間(1964年、東映) - 木村

黒い猫(1965年、東映)

飢餓海峡(1965年、東映) - 記者A

ひも(1965年、東映)

にっぽん泥棒物語(1965年、東映) - 斎木記者

続 網走番外地(1965年、東映) - 張本

無宿者仁義(1965年、東映) - 徐

昭和残侠伝(1965年、東映) - 日の出の辰

昭和残侠伝 唐獅子牡丹(1966年、東映) - 寅松の子分

カミカゼ野郎 真昼の決斗(1966年、にんじんプロダクション / 国光影業) - 刑事A

海底大戦争(1966年、東映 / ラム・フィルム) - 海軍基地技官A

脅迫(おどし)(1966年、東映) - サブ元

北海の暴れ竜(1966年、東映) - 芦田元

組織暴力(1967年、東映) - 堀池刑事

続・組織暴力(1967年、東映)

解散式(1967年、東映) - 中西

侠骨一代(1967年、東映) - 和田

河内遊侠伝 (1967年、東映) - 浜村捨蔵

陸軍諜報33(1968年、東映) - 奥大尉

獄中の顔役(1968年、東映) - 南靖男


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