室生犀星
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10月再び上京し、駒込千駄木町に下宿。その後は、幾度も帰郷・上京をくりかえす。1912年(明治45年)1月北原白秋を訪問する[8]。7月帰郷。北原白秋や『スバル』の発行編集人江南文三あて詩を送付。「青き魚を釣る人」ほかが『スバル』10月号に掲載される[注釈 10][9]。1912年(大正元年)12月、尾山篤二郎が金沢で創刊した雑誌『樹蔭』に参加する。

1913年大正2年)2月、半年ぶりに上京し[8]根津神社裏に下宿。藤澤C造、安野助太郎、廣川松五郎らと交流し、佐藤春夫山村暮鳥を知る。一方で、北原白秋に認められ白秋主宰の詩集『朱欒(ざんぼあ)』に寄稿し、1月の創刊号から第5号廃刊まで毎号掲載される。ほかに『詩歌』、『創作』、『秀才文壇』、『女子文壇』にも詩を発表する。なお、同年春に『朱欒』掲載の抒情詩に感激した未知の萩原朔太郎から手紙を受け取り、終生の親交をもつ。夏から秋にかけて郷里に滞在[8]。11月上京[8]。12月『女子文壇』の編集を引き受けるも1ケ月でやめる。

1914年(大正3年)2月前橋に萩原朔太郎を訪ね、利根河畔の旅館一明館に3月8日まで滞在する[8]。このとき聖書を読む。前橋より上京[8]。4月尾山篤二郎と「北辰詩社」を復活させ、詩と短歌を有料で添削指導する。この頃、恩地孝四郎と識る。また高村光太郎を訪問する[8]。5月頃、尾山と共著詩歌集『き甕』を企画する[8]。6月萩原と山村暮鳥とともに「人魚詩社」を結成する。8月帰郷[8]。9月創造社刊行の『創造』に掲載した「急行列車」が原因となり該当誌が発売禁止となる[注釈 11]。同月雑誌『地上巡禮』が創刊され、発行元の巡禮詩社の社友となる。同月雑誌『異端』が創刊され、同人となる。11月自宅である金沢市千日町に「詩の會」を設立し、有料で詩の添削を始める。この頃、『詩歌』、『創作』、『風景』、『アララギ』、『異端』、『地上巡禮』などに詩を発表する。

1915年(大正4年)1月金沢で『遍路』が創刊され、詩の選者となる。3月山村、萩原と『卓上噴水』を創刊して、編集を担当するが、第3号で廃刊となる。4月多田不二と識る。5月8日萩原を金沢に迎え、17日まで滞在。多田、小畠貞一らと歓待する[8]。5月上京し、本郷千駄木町に下宿する。萩原の紹介で、竹村俊郎を知る。また、北原らと交遊する[8]。この頃、『詩歌』、『地上巡禮』、『遍路』、『處女國』、『ARS』、『秀才文壇』、『創造』、『卓上噴水』などに詩および感想文を発表する。10月、前橋に、萩原を訪問する。

1916年(大正5年)には、トルストイドストエフスキーの作品を読む。4月山村の編集により雑誌『LE PRISME』創刊。室生が発行名義人となる。6月萩原とともに「感情詩社」を設立し、同人誌『感情』を創刊。再び共同主宰し、室生も編集運営に当たる[9][注釈 12]。7月田端の沢田方へ「感情詩社」とともに移転し、『感情』第2号、第3号を「抒情小曲集」として特集、金石時代以来の詩60篇を掲載。9月「抒情小曲集」に感激した谷崎潤一郎が来訪。また、佐藤惣之助百田宗治ら多数の詩人と知り合う。11月『文章世界』の「詩壇九人集」に参加する[注釈 13]

1917年(大正6年)1月メエゾン鴻の巣での各グループ詩人懇談会に出席[8]。2月萩原の詩集『月に吠える』が出版されるが、発売禁止問題が起り、室生が警視庁に出頭する[注釈 14]。雑誌『感情』で「室生犀星特集號」を特集。3月南葛飾の北原白秋を訪問[8]。5月群馬県梨木鉱泉へ行く。帰路、萩原と伊香保温泉に谷崎潤一郎を訪問[8]。7月下旬熱病罹患し数日間病臥[8]。8月養父重病のため帰郷。看護してのち帰京。この頃、近所に越してきた北原白秋と頻繁に往来[8]。9月23日養父真乗死去。家督を継ぎ寺院および家財を整理する。このあいだに、文通交際中であった浅川とみ子(実名とめ)と婚約[注釈 15]。10月初旬帰京[8]。11月「詩話會」が設立され、会員となる[8]

1918年(大正7年)1月1日第一詩集『愛の詩集』を感情詩社より自費出版[注釈 16][注釈 17]日夏耿之介詩集の「転身の頌の會」に出席し、芥川龍之介福士幸次郎と識る。月末帰郷。2月13日生家小畠家にて浅川とみ子と結婚式を挙げ、まず新妻を置いて上京、月末とみ子も上京し、田端の沢田方に新居を持つ。散文、評論の執筆を積極的に始める。4月『新らしい詩とその作り方』を刊行。9月『抒情小曲集』を感情詩社から自費出版[注釈 18]。亡父一周忌法要に帰郷。10月詩話會委員となる[8]

1919年(大正8年)には中央公論に『幼年時代』、『性に目覚める頃』等を掲載し、注文が来る作家になっていた[注釈 19]。この年、2月「詩話會」発行の年刊詩集『日本詩集』編集委員に就任。


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