客車
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客車でサービス電源の確保に長年使用されている車軸発電機では車両用クーラーを動作させることができないため、冷房専用の発電機を別途搭載する必要があるほか、発電機の容量によって編成の増減に制限がかかるため、客車の長所が相殺されてしまう。

各車両に小型の発電機を搭載した上でクーラーを稼動させる方法もあるものの、冷房用とはいえすべての車両に発電機と燃料タンクを搭載するために気動車なみの維持コストがかかる。

昭和初期に製造された客車の一部に車軸駆動式の冷房装置が搭載されたものがあるが、車軸駆動式ゆえに走行時に寒くなり、停車時に暑くなるなど、動作が不安定になりがちであり、お世辞にも快適とは言えなかった。


当然のことではあるが、牽引する機関車を別途手配する必要がある。客車区内ではこれに加えて入れ替え用の小型機関車も必要になることがある。

日本の客車.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}Image:Kyakusha-chime.ogg客車で使われている「ハイケンスのセレナーデ」を用いた車内チャイムこの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。「日本の客車史」も参照

日本では1960年(昭和35年)から実施された動力近代化計画によって客車列車の淘汰が行なわれ、1975年(昭和50年)以降は@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}組合側の反対などによって[要出典][注釈 1]一時中断されたものの、1986年(昭和61年)11月のダイヤ改正でに鉄道による郵便荷物輸送が廃止されたことなどから、残存していた定期客車列車は民営化以降に少数の寝台列車夜行列車)を除き、電車や気動車に置き換えられて姿を消した。

JR旅客5社(国鉄分割民営化時点でもともと定期普通客車列車が存在しなかった東海旅客鉄道〈JR東海〉を除く)および私鉄での客車による定期普通列車は、車両限界などの特殊な事情をもつ大井川鐵道井川線黒部峡谷鉄道と、蒸気機関車 (SL) および一般形(旧型)客車の動態保存のためほぼ定期運転を行っている大井川鐵道大井川鐵道大井川本線蒸気機関車牽引列車を除いて消滅した。なお、日本国内での国鉄形車両・国鉄形近縁車両によって運行される定期普通客車列車としては、国鉄14系客車を使用して運行され、2006年平成18年)3月に運行を終了した樽見鉄道の定期列車が最後となっている。また季節限定であるが津軽鉄道では客車を3両保有しており、ダルマストーブ特徴の「ストーブ列車」として冬季運転がある。また、他に、定期的に運行している観光用列車として平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線などのトロッコ列車や伊予鉄道坊ちゃん列車などの例がある。

また、寝台車を始め現存する客車についても、1999年(平成11年)にJR東日本が「カシオペア」に使用するために製造したE26系客車や、2013年(平成25年)にJR九州が「ななつ星 in 九州」に使用するために製造した77系客車、寝台車以外では2017年(平成29年)にJR西日本が「SLやまぐち号」に使用するために製造した35系客車4000番台を除いては、製造後30年以上が経過しており、旅客数の低下と老朽化が進行しているため、運転本数は減少傾向にある。なお、2016年(平成28年)3月26日のダイヤ改正で、急行はまなす」が廃止されたため、JR線における定期客車列車は全廃された。秩父鉄道C58型蒸気機関車と12系客車(2010年)

2020年令和2年)現在では上述の黒部峡谷鉄道、大井川鐵道のほかはSLの運転といったイベント時に運転する観光列車用に、ごく少数の車両が残るのみである。

一方、米国など海外では、大都市近郊の地下鉄や通勤路線以外は、ほとんど客車列車で運行されているといった地域も散見される。また、自前で機関車を保有している事業者においては車両の購入費や維持費の面で気動車よりも有利なため、人件費の比較的安価な発展途上国では通勤路線でも客車列車を使っている場合が多く、日本からも廃車になった車齢の若い車両が輸出や無償提供されている。
ヨーロッパの客車

歴史については鉄道車両の歴史#初期の客車と貨車および鉄道車両の歴史#客車の発展も参照。オーストリア連邦鉄道のプッシュプル方式客車列車。


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