無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準第6条第2項に規定されるとおり総務大臣が周波数など指定した条件の中で免許を与えるものである。電波法施行規則第7条第5号、無線局免許手続規則第2条第1項第7号(1)にも同様に規定される。
この条件は総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。以下同じ。)ごとに毎年公示されるもので簡易な免許手続により予備免許や落成検査の省略[3]、時計その他の書類の備付け省略、事後手続きの簡略化などがされている。種別コードはEXT。但し、免許の有効期限は電波法施行規則第7条第5号に「当該周波数の使用が可能な期間 」と規定されているが、これを総合通信局では最長5年と制限しており、登録検査等事業者等による事前点検[3]も要する。周波数は複数の事業者が共用することが想定されるので、免許申請や使用にあたっては混信の防止の為、既設局の免許人との間で調整し必要な措置をとることを義務付けられている。周波数はまた、当初は実用局が利用しないものに限定されていたが、この制限も撤廃されている。
2023年(令和5年)12月7日現在
周波数の公示告示使用可能期限
令和4年5月31日総務省告示第181号
従前は、小電力無線局用の適合表示無線設備に相当する機器による実験・試験・調査をするには実験試験局として免許取得を要したが、特定小電力無線局用などの一部のものについて届出により免許不要局として使用できることとなった。これは「技適未取得機器を用いた実験等の特例」という。
免許を要しない無線局#第2項も参照 1950年(昭和25年)- 電波法制定[14]時に実験無線局が「科学又は技術の発達のための実験に専用する無線局」と規定された。これを受け電波法施行規則制定[15]時に実験局が「科学若しくは技術の発達のための実験を行うために開設する無線局であつて実用に供しないものをいう」と定義され、免許の有効期間は2年であった。無線局(放送局を除く。)の開設の根本的基準(現・無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準)にも制定[16]時から実験局に関する条文があった。 1958年(昭和33年)- 放送の実験局以外は運用開始の届出および免許の公示を要しない無線局に[17] 1960年(昭和35年)- 一部の実験局は無線業務日誌
沿革
以後、不要となる範囲は拡大した。
1969年(昭和44年)- すべての実験局が運用開始の届出および免許の公示を要しない無線局に[19]
1977年(昭和52年)- 移動する実験局は無線局免許証票を備え付けるものに[20]
1980年(昭和55年)- 移動する実験局の内、宇宙物体に開設する実験局への無線局免許証票の備付けが廃止[21]
1993年(平成5年)- 電波利用料制度化、料額の変遷は下表参照
1998年(平成10年)
免許の有効期間が5年に[22]
通信機能抑止装置が実験局として免許申請できることに[23]
2004年(平成16年)- 特定実験局が制度化[24]、再免許の申請は免許の有効期間満了前1ヶ月以上3ヶ月を超えない期間に[25]、無線局(放送局を除く。)の開設の根本的基準の実験局の条文にも特定実験局に関する項が追加[26]
特定実験局用周波数は実用局が使用していないものから公示されるものであった。
2008年(平成20年)- 実験無線局が実験等無線局に変更[27]、これに伴い実験局が実験試験局になり定義も現行のものに、特定実験局が特定実験試験局に[28]
2009年(平成21年)
実験試験局は全て無線業務日誌の備付けが不要に[29]
アルゴスシステムの実験試験局には無線局免許証票の備付けが不要に[30]
2015年(平成27年)- 特定実験試験局用周波数は実用局が使用しているものからも公示されるものに[31]
2018年(平成30年)- 実験試験局は全て無線局免許証票が不要に[32]
2019年(令和元年)- 技適未取得機器を用いた実験等の特例が制度化[33][34]
2020年(令和2年)
通信機能抑止装置は特別業務の局として免許されることに[35]
適合表示無線設備を用いる場合の空中線電力の表示は実用局と同様に[36]
引用の促音の表記は原文ママ
局数の推移
特定実験局制度化以前
年度昭和33年度末昭和34年度末昭和35年度末昭和36年度末昭和37年度末昭和38年度末
実験局3854455007208861,082
年度昭和39年度末昭和40年度末昭和41年度末昭和42年度末昭和43年度末昭和44年度末
実験局1,3761,5461,7772,0302,0272,141
年度昭和45年度末昭和46年度末昭和47年度末昭和48年度末昭和49年度末昭和50年度末
実験局2,1262,2771,3751,6471,7961,860
年度昭和51年度末昭和52年度末昭和53年度末昭和54年度末昭和55年度末昭和56年度末
実験局1,9011,4841,8441,8792,0632,364
年度昭和57年度末昭和58年度末昭和59年度末昭和60年度末昭和61年度末昭和62年度末
実験局2,6612,6882,7282,7422,6821,643
年度昭和63年度末平成元年度末平成2年度末平成3年度末平成4年度末平成5年度末
実験局1,6581,7031,6051,1408206,182
年度平成6年度末平成7年度末平成8年度末平成9年度末平成10年度末平成11年度末
実験局4,4993,3713,1414,0444,0114,641
年度平成12年度末平成13年度末平成14年度末平成15年度末
実験局5,3666,5097,0817,455
特定実験局制度化以後
年度平成16年度末平成17年度末平成18年度末平成19年度末
実験局6,5768,5059,5557,852
特定実験局13572510
実験試験局、特定実験試験局改称後
年度平成20年度末平成21年度末平成22年度末平成23年度末平成24年度末平成25年度末
実験試験局7,8758,1108,2237,7227,8767,637
特定実験試験局13932917571
年度平成26年度末平成27年度末平成28年度末平成29年度末平成30年度末令和元年度末
実験試験局7,7617,4897,0867,0126,47517,138
特定実験試験局101161247329291131
年度令和2年度末令和3年度末令和4年度末
実験試験局7,7228,4208,914
特定実験試験局10810688
総務省情報通信統計データベース
通信白書[37](昭和48年版から昭和63年版)
地域・局種別無線局数[38](平成元年度から平成12年度)
用途別無線局数[39](平成13年度以後)
による。
電波利用料額
電波法別表第6第8項の「実験等無線局及びアマチュア無線局」が適用される。
年月料額
1993年(平成5年)4月[40]500円
1997年(平成9年)10月[41]
2006年(平成18年)4月[42]
2008年(平成20年)10月[43]300円
2011年(平成23年)10月[44]
2014年(平成26年)10月[45]
2017年(平成29年)10月[46]
2019年(令和元年)10月[47]
2022年(令和4年)10月[48]
脚注^ 通信・放送の新展開に対応した電波法制の在り方 ワイヤレス・イノベーションの加速に向けて 1頁 「通信・放送の新展開に対応した電波法制の在り方 ワイヤレス・イノベーションの加速に向けて」の公表別紙3(総務省報道資料 平成19年1月29日)