ドイツ語不定冠詞は不定の単数の可算名詞に付く。不定の複数の可算名詞や不可算名詞には冠詞が付かない。 オランダ語の不定冠詞は不定の単数の可算名詞に付く。不定の複数の可算名詞や不可算名詞には冠詞が付かない。 定冠詞は指示代名詞 die, dat の弱形に由来する。het は dat の弱形 't を綴り直したもので、人称代名詞の het とは別物である。 フランス語の不定冠詞は不定の可算名詞(単数・複数)に付く。部分冠詞は不定の不可算名詞に付く。 子音の前母音の前 子音の前母音の前 子音の前母音の前 英語と異なり、スペイン語では主語となる名詞には原則的に定冠詞がつく。不定冠詞はその意味を強調するときにのみ使われ、無冠詞は主語では許されない。また、不定冠詞の複数形は「いくつかの」(英語の some)と同じように使われることが多い。 なお、女性名詞でも、a あるいは ha で始まる単語で、その音節にアクセントが来る場合には、el や un が使われる。 例: el agua (水)、un hada (妖精) cf. La Habana (ハバナ)、la ansiedad (不安) また、中性形は形容詞を名詞化する際に使われる。 例: Lo maravilloso de esta ciudad es la gastronomia. (この街のすばらしい点は美食です。) イタリア語は定冠詞を多用する。たとえば英語の my car は la mia automobile (*the my car) という。これは、英語の my が所有限定詞であるのに対し、イタリア語の mia は所有を表す形容詞だからである。 不定冠詞は不定の単数の可算名詞に付く。部分冠詞は不定の不可算名詞または複数の可算名詞に付く。 部分冠詞の語形変化は di + 定冠詞と同じである。 マケドニア語は3種類の後置定冠詞を持ち、やや複雑な面を持つ。 男性女性中性複数 これらはそれぞれ指示代名詞 ово?(この)оно?(あの)то?(その)に由来し、指示代名詞の方が強意的ではあるものの意味するところは変わらない(特にВ型とН型の場合)。 ово? студент = студентов(この学生)онаа книга = книгана(あの本) 他言語で言うところの定冠詞の働きをするのはТ型である。 後置定冠詞は名詞の性・数にしたがって表のように使い分ける。名詞が形容詞を伴うときは形容詞(複数あるときは一番前のもの)に付く。 градот(その町)、големиот град(その大きな町) 形容詞に冠詞が付くときは上表の変化形が必ず適用される。それは形容詞の語尾が性・数で決まっているからである。しかし名詞に直接付くときは名詞の語尾の形に影響される。名詞の語尾は原則通りでないものがかなりあるからである。 таксите(そのタクシー;中性)таткото(その父親;男性)децата(その子供たち;複数) 特に中性名詞の複数形は -а で終わることがほとんどなので「中性複数は -ва, -на, -та」と言い換えてもよい。ただし形容詞を伴う場合は本来の複数形となる。e.g добрите деца(その良き子供たち) エスペラントでは置くかどうか迷ったときは置かなくてもよい。数、性、格による変化はない。 アラビア語の定冠詞には数、性、格による変化はない。名詞に定冠詞がつくと形容詞にも定冠詞をつける。イダーファ構文(所有格を用いた、A の B といった構文)の場合では最後の単語 (A) にのみ定冠詞をつける。不定冠詞は存在しないが、ほとんどの場合不定名詞の最後に n が付加される。 ヘブライ語の定冠詞には数、性、格による変化はない。名詞に定冠詞がつくと形容詞にも定冠詞をつける。スミフート(連結語)の場合には、最後の単語に定冠詞をつける。不定冠詞は存在しない。
定冠詞
der とその変化形(性、数、格に応じて変化する)
不定冠詞
ein とその変化形(性、格に応じて変化する)
オランダ語
定冠詞
de [d?](通性単数・複数、中性複数)
het [?t](中性単数)
不定冠詞
een [?n](数詞の1と綴りが同じため、特に数詞であることを明示するときは een とする)
フランス語詳細は「フランス語の限定詞#冠詞」を参照
定冠詞
単数男性le /l?/l' /l/
女性la /la/l' /l/
複数les /le/les /lez/
不定冠詞
単数男性un /??/un /??n/
女性une /yn/une /yn/
複数des /de/des /dez/
部分冠詞
男性du /dy/de l' /d?l/
女性de la /d?la/de l' /d?l/
スペイン語
定冠詞
el (男性単数)
los (男性複数)
la (女性単数)
las (女性複数)
lo (中性)
不定冠詞
un (男性単数)
unos (男性複数)
una (女性単数)
unas (女性複数)
ポルトガル語
定冠詞
o (男性単数)
os (男性複数)
a (女性単数)
as (女性複数)
不定冠詞
um (男性単数)
uns (男性複数、綴り注意)
uma (女性単数)
umas (女性複数)
イタリア語詳細は「イタリア語の文法#冠詞」を参照
定冠詞
il (男性単数)s impura の前では lo ただし母音の前では l'
i (男性複数)母音、s impura の前では gli
la (女性単数)母音の前では l'
le (女性複数)
不定冠詞
un(男性単数)s impura の前では uno
una (女性単数)母音の前では un'
部分冠詞
del (男性不可算)s impura の前では dello ただし母音の前では dell'
dei (男性複数)母音、s impura の前では degli
della (女性不可算)母音の前では dell'
delle (女性複数)
マケドニア語
В型(この)-ов-ва-во-ве
Н型(あの)-он-на-но-не
Т型(その)-от-та-то-те
エスペラント
定冠詞
la母音を省略し l' とできる。詳しくはアポストロフィー#エスペラントを参照。
アラビア語詳細は「アラビア語の冠詞」を参照
定冠詞
?? (al-)定冠詞の後に太陽文字がくると太陽文字を促音で発音する。その際に前に名詞がある場合は定冠詞の a が発音されない場合もある。
例???? (kit?bun) ある本?????? (al-kit?bu) その本?????? ?????? (al-kit?bu l-jam?lu) その美しい本?????? (as-saf?ru)その大使(? (s) は太陽文字)???? ?????? (kit?bu s-saf?ri) その大使の本(イダーファ構文)
ヘブライ語
定冠詞
? (ha-)
例??? (sefer) ある本???? (ha-sefer) その本???? ????? (ha-sefer ha-gadol) その大きい本??? ?????? (sefer ha-dikduk) その文法書、(参考:定冠詞がつかないスミフートの事例、??? ????? (sefer dikduk) 文法書)
脚注^ 井浦 (1999): 36頁、註2。
^ 井浦 (1999): 35頁。
^ 井浦 (1999): 29頁、他。
^ 東郷雄二 (2004), ⇒“フランス語の隠れたしくみ 7. 冠詞のふたつの機能”, ふらんす (白水社) 79 (10), ⇒http://lapin.ic.h.kyoto-u.ac.jp/france/cache7.pdf
^ Abney, Steven Paul (1987), ⇒The English Noun Phrase in its Sentential Aspect, Cambridge, Massachusetts: MIT Press, ⇒http://citeseer.ist.psu.edu/abney87english.html
^ ピーターセン, マーク (1988), 日本人の英語, 岩波書店, .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-00-430018-2
^ 東郷雄二 (2005), ⇒“フランス語の隠れたしくみ 11. ものごと一般について述べる冠詞”, ふらんす (白水社) 80 (2), ⇒http://lapin.ic.h.kyoto-u.ac.jp/france/cache11.pdf
^ 現代言語学の方法―生成文法理論vs.循環範疇統語理論
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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