多くの官能小説は三人称で描かれるが、一部の作品や下記の告白本・実話物では一人称が使われる事がある。一人称の場合は女性側の視点のものもあれば男性側の視点のものもあり、時間や場所に応じて視点が時々男女に入れ替わるものもある。稀に第三者からの視点の作品もある。 官能小説では卑猥さを演出するため(また、かつては取り締まりを回避するため)、独特な用語が使われている。 2006年にはちくま文庫から官能小説の用語や表現を集めた辞典が刊行されている[3]。 また、近年の作品ではオノマトペが多用される傾向にある[いつ?]。 性的な主題を扱った他のジャンルと同様に、官能小説にも検閲・規制の問題があり、表現の自由等をめぐって様々な論争があった。中でも などは有名である(これらが官能小説にあたるかどうかも異論がある)。 しかし、その是非とは別に、摘発や規制がかえって官能小説独特の比喩などの表現方法を発展させたという事実もある。近年ではアダルトビデオや成人向け漫画など、より刺激の強いメディアが登場したこともあり、小説の性描写が問題になる事はごく稀である。 ただし、スポーツ新聞・週刊誌などでの掲載においては、性描写が表現の自主規制で厳格に管理されている。 1950年代から60年代にかけて、雑誌『奇譚クラブ』に連載された、団鬼六の『花と蛇』が連載される[6]。 1970年代に入ると、館淳一が『凶獣は闇を撃つ』でデビュー。官能小説の側でも、SMものを中心に、下着や女装といった多彩な分野が描かれるようになる[7]。最終的にこの流れは出版社側にも変化を及ぼし、1985年にフランス書院文庫やマドンナメイト文庫、グリーンドア文庫(関連項目参照)が発刊されるなど、官能小説とマニア向け小説の融合が続くこととなる。 また、70年代の終わりには官能小説を手掛ける女流作家が登場した。1978年にデビューした丸茂ジュンを初めとして、岡江多紀、中村嘉子が活躍を始めた[8]。この流れは80年代以降にも続き、1989年にデビューした、ハードな描写で人気を博した藍川京や[9]、1992年には、癒やし系ともいわれる作品を発表している内藤みかが登場した[10]。 一般の小説は読者の趣味・嗜好に合わせた様々なジャンルに分化しているが、官能小説はさらに読者の性的嗜好にも合わせた膨大なジャンルのバリエーションがある(詳細は性的嗜好を参照)。ただし、実際には下記のジャンルのいくつかが複合して作品が成り立っているのが普通である。
独特な用語
陰茎:肉樹
膣:蜜壷
小陰唇:花弁
肛門:菊座 等
生殖器・排泄器官に関する医療用語(いわゆる横文字)
規制
『チャタレイ夫人の恋人』をめぐる一連の裁判(チャタレー事件)[4]
悪徳の栄え事件
四畳半襖の下張事件[5]
歴史が望まれています。
主に: 総合的な歴史とサブジャンルについて (2022年1月)
ジャンル
ジャンル一覧
人妻、未亡人
和姦(純愛)
不倫
寝取られ物
スワッピング、グループセックス
レイプ、輪姦
SM・緊縛・監禁・調教・人工授精
浣腸・アナルセックス・アナルフィスト
獣姦
痴漢・(強制)露出・露出狂
下着などのフェティシズム
処女・童貞喪失
タトゥーやピアス、包皮切除などの肉体改造
近親相姦(実母・義母・伯叔母・姉妹・従姉妹・姪・姑・嫁など)
複数同時関係(ハーレムなど。相手となる複数女性の関係性として母娘や姉妹という場合もある)
お姉さん(年上の中で、特に未婚の女性がメインヒロインとなる。お姉さん先生など)
美少女(女子高校生がメインヒロインとなる)
美少年、ショタコン、シーメール、ニューハーフ(一部ではメインストーリーとなっているが、ほとんどは添え物)