安土桃山時代
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[10]新興の武士勢力や豪商の気風や商人の経済力を反映して、仏教色の少ない現世的な南蛮文化の影響を受けた文化である[11]。都市部において、今井宗久博多島井宗室豪商と呼ばれる新興商人が成長した時代であった[12]

茶の湯が流行し、唐物名物茶道具が珍重された一方で、それへの反抗としてのわび茶も発達した。茶器が大名から家臣への報奨とされたり、茶会が武将と豪商を結ぶなど行事になるなど千利休の存在が政治にも影響した。

特筆すべき点としては、天文18年(1549年)のフランシスコ・ザビエル来日以来の南蛮貿易によってもたらされた南蛮文化の影響が挙げられる。まだ小規模ではあったが、日本が初めて西洋文化と直接(中国などを介さずに、正式な形で)触れ合ったという点で重要である。
絵画濃絵の特徴を良く示す『檜図屏風』狩野永徳日本に到来した南蛮人たち

狩野派の絵師が織田信長、豊臣秀吉などその時々の権力者と結び付いて画壇の中心を占めた。

障壁画:城郭、寺院などの襖、壁、床(とこ)や屏風などに描かれた[13]

濃絵:金箔地に青・緑を彩色。豊かな色彩と力強い線描、雄大な構図が特徴。

水墨画

風俗画

主な絵師と代表作

濃絵

狩野永徳唐獅子図屏風

狩野山楽:牡丹図、松鷹図

長谷川等伯智積院襖絵楓図

長谷川久蔵:智積院襖絵桜図


水墨画

長谷川等伯松林図屏風

海北友松:山水図屏風


風俗画

狩野永徳:上杉本洛中洛外図屏風

狩野内膳:豊国大例祭図屏風

南蛮屏風


工芸
漆器

高台寺蒔絵

陶器

楽焼

織部焼

朝鮮の影響を受けた陶磁器・皮革武具:唐入り(文禄・慶長の役)した主力の大名が進軍先駐屯中に、朝鮮の工芸品を見い出し物資調達で厚遇した。陶工など技能集団は日本への帰化を希望し、各大名が所領内での帰化と居住を許し、一部は重臣に取り立てられ、各大名は工芸品を特産物として保護した。有名なものは、

伊万里焼佐賀県有田長崎県波佐見三川内などで焼かれた肥前磁器の総称。鍋島直茂が帰化を許可した陶工を発祥とする。

萩焼山口県萩市周辺で焼かれる。毛利輝元が帰化を許可した陶工を発祥とする。

薩摩焼鹿児島県一帯で焼かれる。島津義弘が帰化を許可した陶工を発祥とする。

上野焼(あがのやき):福岡県田川郡福智町で焼かれる。細川忠興小倉藩主となった際に、家臣にまで取り立てられ帰化陶工が発祥とする。

高取焼福岡県直方市福岡市で焼かれる。


皮革武具

印伝、上州印伝:軽くて丈夫でしなやかな特徴を持っている大陸産鹿革は、 秀吉の唐入り後流行し、日本刀の柄、鎧兜などに利用されてトンボ柄が有名である

活字印刷

朝鮮人技術者の技術を移植した木版による活字印刷と、
イエズス会アレッサンドロ・ヴァリニャーノが伝えた西洋の活字印刷によるものがある。

慶長勅版:後陽成天皇の勅命で印刷

キリシタン版(天草版):「天草版平家物語」、「天草版伊曽保物語」、「ぎゃ・ど・ぺかとる」、「日葡辞書


茶道

わび茶

千利休


大名茶

芸能
踊り

幸若舞

阿国歌舞伎(歌舞伎踊り):出雲阿国による。歌舞伎の発祥。

語り物

浄瑠璃

隆達節

建築
城郭松本城「城#日本」も参照

戦国時代から安土桃山時代にかけて鉱山技術・建築技術・築城技術・造船技術などが進歩して、軍事色が強い山城から平山城へ移行した。城下町の発展の商業化で城主の政治統治や商人への経済支配を重視する平城へ移行した。織豊系城郭と呼ばれ、野面積み石垣が用いられるようになり、天守を持つ城郭建築が主流となる。

犬山城:現存(国宝

安土城本能寺の変後に焼失

松本城:現存(国宝)

大坂城大坂の陣で焼失、現在の遺構は江戸時代に造られたもの

丸岡城:現存(国の重要文化財

伏見城:江戸時代初期に廃城。御香宮神社表門が遺構として伝えられている。

聚楽第豊臣秀次失脚時に破棄。大徳寺唐門西本願寺飛雲閣が遺構として伝えられる。

佐和山城

竹田城

名護屋城

姫路城:現存(国宝・世界遺産

倭城文禄・慶長の役朝鮮半島に築かれた城

蔚山城

西生浦城

順天城

その他

茶室

妙喜庵待庵

書院・庭園

醍醐寺三宝院表書院・庭園

寺社

宝厳寺唐門・観音堂

脚注[脚注の使い方]^ ベアトリス・M・ボダルト=ベイリー『ケンペルと徳川綱吉 ドイツ人医師と将軍との交流』中央公論社、1994年 p.95
^ “ ⇒伏見・桃山は江戸時代のタウンページで使われ定着した名称 歴史研究グループが発表”. [みんなの経済新聞ネットワーク (2016年11月19日). 2017年12月16日閲覧。
^ a b “日本史/安土桃山時代”. 名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(メーハク). 2024年5月12日閲覧。
^ 日本大百科全書(ニッポニカ),世界大百科事典内言及. “桃山美術(ももやまびじゅつ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年5月12日閲覧。


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