初舞台は『表裏源内蛙合戦』[11]。『11ぴきのねこ』『珍訳聖書』などの舞台を踏み、1976年の『みにくいあひるのこ』のマジス役が初主演舞台[11]。テアトル・エコーが声の仕事に積極的なことから、1970年の海外ドラマ『ディックス先生、こんにちは』(『黒人教師ディックス』)の番組レギュラーで声優デビュー。その後、アニメのアフレコも手掛けるようになる[12]。
1987年には、刑事ドラマ『ジャングル』に刑事役として顔出しでレギュラー出演した[13]。 吹き替えではミッキー・ローク[14]をはじめ、ケヴィン・ベーコンやゲイリー・オールドマン、ボブ・オデンカーク、ビル・マーレイ、ティム・ロス、ビル・プルマン、リチャード・ギア、カート・ラッセル、ティム・ロビンスら多くの俳優を担当。過去にはメル・ギブソンやロビン・ウィリアムズ、ダニエル・スターン、ウディ・ハレルソン、ショーン・ペンなども多く担当していた[15]。 飄々とした演技を得意としており[16]、役柄としては二枚目半、クールな役や軽薄な悪役、インテリな学者の役まで様々なものをこなす。安原自身は「来たものは拒まず」という姿勢のため役柄にこだわりはないと語る一方で、好青年などの二枚目よりは「癖のある役」が好みであると語っている[9][16]。 演技に関しては「基本的に役作りをしないタイプ」だといい、「自分の中にないものは表現できないから、自分の中にあるものと演じる役との共通点を自分の中で探すんです」と語っている[14]。声優としては、外出先で必ずうがいをするなど喉のケアを大切にしていることをインタビューで明かし[2]、演技も「自分の音にない幅を出したら喉は潰れてしまいます。『潰しちゃうと終わり』という考え方なんです。だから、普段使っている音で表現する。まったく(自分に)ない音は使えないです」と語っている[14]。 テアトル・エコーでは先輩である山田康雄に師事。「山田に傾倒する役者」と評されることもあったことから、山田の没後は舞台での持ち役を受け継ぎ[17]、ゲーム『モンティ・パイソンのHOLY GRAIL』と映画『人生狂騒曲』の吹き替えでは山田の持ち役だったグレアム・チャップマンの代役も務めた[18]。 テレビドラマ『名探偵ポワロ』シリーズでは、富山敬の後任としてアーサー・ヘイスティングス大尉役(ヒュー・フレイザー)を引き継ぎ、「エッジウェア卿の死」から最終シリーズ(最後の出演エピソードは「カーテン」)まで担当した。ヘイスティングス役に就任する前はシリーズ第1話「コックを捜せ」にシンプソン役、第42話「ポワロのクリスマス」にアルフレッド・リー役で出演している。 テレビドラマでも活動しており、「ジャングル」シリーズの八坂署・明石刑事役や、『熱中時代』の怪しげな英語交じりの日本語を話す喫茶店マスター等を演じている。『熱中時代』出演当時の記事の中で「今までは(自身が出演した)アニメを見た子供からのファンレターが多かったですが、『熱中時代』に出演してから女性からのファンレターをもらうようになって戸惑っています」と述べている[2]。 『白いドレスの女』で初めて担当して以降、現在に至るまで専属(フィックス)に近い形で長年に渡り吹き替えを務めているミッキー・ロークに関しては『エクスペンダブルズ』で久々に担当した際には「汚いおじさん(笑)になってきていて、私に近づいてきたなぁと思って、そういう意味ではやりやすかったです(笑)」と語っている[19]。
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