安倍晋三
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4月27日にはBBCのインタビューに、英語で「極めて痛ましい状況に慰安婦の方々が『強制的に』置かれたことについて大変申し訳なく思う」[注釈 21]、「私たちは、戦時下の環境において、そうした苦難や苦痛を受けることを『強制された』方々に責任を感じている」[注釈 22] と発言(以上、和訳)[570]。同日、日本のメディアに日本語で「人間として心から同情する。首相として大変申し訳なく思っている」、「彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況につき、我々は責任がある」と発言[567]。これについて毎日新聞は、「今回の発言は日本側の「責任」も指摘することで、沈静化を図ったものとみられる。」と報じている[567]

第2次安倍内閣発足後の2012年12月27日、河野談話について、見直しを視野に入れて検討をおこなう方針を示した[571]
日米首脳会談での言及

ブッシュ大統領との2007年4月28日の日米首脳会談後の共同記者会見で、「慰安婦の方々にとって非常に困難な状況のなかで辛酸を舐められた、苦しい思いをされたことに対し、人間としてまた、総理大臣として心から同情しておりますし、またそういう状況におかれていたと言うことに対して、申し訳ない、と言う思いでございます」とあらためて謝罪の意を示した。ブッシュ大統領は「安倍総理の謝罪を受け入れた」と応じた[572]

安倍は2011年11月、この問題に関して「会談で従軍慰安婦問題は全く出なかった。そもそも日本が米国に謝罪する筋合いの話ではない」と米国メディアの報道は事実無根だと主張した[573] が、2013年5月に主張を修正し、実際には日米首脳会談で「元慰安婦の方々に、首相として心から同情し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と発言したことは認める答弁書を決定した[574]
日韓合意詳細は「慰安婦問題日韓合意」を参照

2015年12月28日の日韓外相会談にて、日本側は従軍慰安婦への日本軍の関与と日本政府の責任を認めて謝罪した上、日本側が元慰安婦を支援する財団に10億円を拠出する事で「最終的かつ不可逆的な解決」とする合意に至った[575]。これについて、「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせる訳にはいかない」「今回の合意を踏まえ、日韓両国で力を合わせて、日韓新時代を開いていきたい」と発言した[576]
靖国神社参拝「靖国神社問題」も参照

首相の靖国神社参拝について「国のために殉じた人たちに対して国のリーダーが尊崇の念を表するのは当然だ。お参りすべきだと思う」と述べている[577]。また、歴史認識を巡って反日騒動が起こった中国と韓国の態度を批判し、外国が靖国神社参拝について抗議するのは内政干渉だという見解を持っている[578]

安倍は幹事長在任中の2004年と、幹事長代理在任中の2005年にわたって終戦の日(8月15日)に参拝を行った[579] が、官房長官在任中の2006年は4月15日朝、秘密裏に参拝を行った[579][580](「内閣官房長官 安倍晋三」と記帳し、ポケットマネーで玉串料を収めた)[580]。安倍は同年8月4日の記者会見で、この件に関し「参拝したかしないかについては申し上げるつもりはない」と述べた[580]

第1次安倍内閣発足による首相就任後も参拝を続ける意向を示し、2007年1月17日の自民党大会で決定された運動方針でも「靖国参拝を受け継ぐ」ことが明記されたが、外交問題や政治問題になるのを避けるため自身の参拝については明言しない考えを改めて示した。首相在任中は参拝を行わなかったが、安倍はこれについて首相退任後に「『主張する外交』を展開する中で、日本のための将来の布石を打つため大きな決断をした」と説明している[577]

2012年9月14日党総裁選候補者による共同記者会見で安倍は「首相在任中に参拝できなかったことは、痛恨の極みだ」と述べ、再び首相に就任した場合の対応について「そのことから考えていただきたい」と語った[581]

第2次安倍内閣発足による首相再任後、2013年の春季および秋季例大祭[582][583]終戦記念日[584] の参拝はいずれも見送った。
首相在任中の靖国神社初参拝

内閣発足からちょうど1年となる2013年12月26日、第1次時代も含め首相在任中としては自身初の参拝を[585]米国中国に外交ルートを通じて参拝の連絡をした上で参拝した[586]。安倍はモーニング姿で本殿に参拝し、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で白い菊を献花した。靖国神社境内にある世界の全ての戦没者を慰霊する「鎮霊社」にも参拝した。その後、「恒久平和への誓い」と題した「首相の談話」を発表。談話を英訳し、世界に向けてメッセージを発信した[586]

参拝後、記者団に「御霊安らかなれと、手を合わせて参った。この1年の安倍政権の歩みをご報告し、二度と再び戦争の惨禍によって人々が苦しむことのない時代をつくるとの誓い、決意をお伝えするためにこの日を選んだ。戦場で散った英霊のご冥福をお祈りすることは世界共通のリーダーの姿勢だ。中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは毛頭ない。中韓両国首脳に直接説明したい」などと語った[586][587]

この参拝について、米国政府は、靖国神社には戦没者だけでなく、第2次世界大戦時に首相を務めていた東条英機元首相などのA級戦犯もまつられているため、戦中に日本軍の攻撃や侵略に苦しんだ周辺国から過去の軍国主義の象徴とみなされているため、『日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに失望している』との声明を在日米大使館のウェブサイトに掲載した。これまでにも多くの首相が靖国神社を参拝してきたが、それを受けて米国政府が公式な声明でこのような靖国神社参拝を直接的な批判をすることは初めてとみられる[588]


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