1921年(大正10年)の市制施行以来、宇部市は周辺の町村を編入合併することにより市域を拡大してきた[9]。宇部市として最初の合併である1931年(昭和6年)の厚狭郡藤山村編入を皮切りに、1941年(昭和16年)に厚東川対岸の厚狭郡厚南村を編入、1943年(昭和18年)には吉敷郡西岐波村と合併した[9]。なお、かつて長門国に属していた宇部市(当時)と周防国に属していた西岐波村が合併したことにより、現在の宇部市は市域内に旧国境が通っている。
1953年(昭和28年)から1961年(昭和36年)に至る「昭和の大合併」の動きの中においては、1954年(昭和29年)に宇部市が厚狭郡の厚東村、二俣瀬村、小野村および吉敷郡東岐波村を編入合併した[9] ほか、1955年(昭和30年)には厚狭郡の船木町、万倉村、吉部村が合併し楠町が誕生した。
また、1999年(平成11年)から2000年代前半期を中心とした「平成の大合併」の動きの中においては、2001年(平成13年)7月9日に周辺の小野田市、美祢市、阿知須町、楠町、山陽町、美東町、秋芳町(いずれも当時)とともに「宇部小野田地域市町村合併調査研究会」を設置した。その後、2002年(平成14年)12月27日には前述の3市5町から美祢市および美祢郡を除く宇部市、小野田市、阿知須町、楠町、山陽町の2市3町(宇部市の5%通勤圏)で構成する任意合併協議会を設置し特例市への移行を目指したが、新市の名称や市庁舎の位置について意見が割れ、同協議会は2003年(平成15年)1月20日に休会となった。休会直後の2月4日には宇部市、阿知須町、楠町の1市2町からなる「宇部市・阿知須町・楠町合併研究会」が発足したが、阿知須町が「山口県央部合併協議会」への参加を表明したため、2月24日に宇部市と楠町の1市1町で「宇部市・楠町合併研究会」を設置した。
上記の動きの中で、宇部市と楠町は「将来的に宇部小野田地域を視野に入れた広域合併を目指す」との共通理解のもと、あくまで「先行合併」を行うとの位置づけで「宇部市・楠町合併協議会」を設置し、約1年間の協議の後2004年(平成16年)3月26日に合併協定書の調印を行い、同年11月11日に宇部市が楠町を編入した。結果、平成の大合併において最初の動きとなった宇部小野田地域市町村合併調査研究会の構成市町は、最終的に宇部市、山陽小野田市(小野田市、山陽町)、美祢市(美祢市、美東町、秋芳町)、山口市(阿知須町)の4市に分散した。
町村制施行
(1889年)明治から戦前までの合併
宇部市制施行・楠町制施行昭和の大合併
(1953年 - 1961年)平成の大合併
(1999年 - 2000年代前半)現在
厚狭郡宇部村宇部村1921年11月1日
宇部市宇部市宇部市宇部市宇部市宇部市宇部市
厚狭郡藤山村1931年8月1日
宇部市に編入
厚狭郡厚南村1941年10月20日
宇部市に編入
吉敷郡西岐波村1943年11月1日
宇部市に編入
厚狭郡厚東村1954年10月1日
宇部市に編入
厚狭郡二俣P村
厚狭郡小野村
吉敷郡東岐波村
厚狭郡船木村1917年9月1日
船木町1955年4月1日
楠町2004年11月1日
宇部市に編入
厚狭郡万倉村
厚狭郡吉部村
経済
産業ANAクラウンプラザホテル宇部
2005年(平成17年)に実施された第18回国勢調査によると市内の15歳以上就業者総数85,543人[注釈 3] に対し、第一次産業へ2,947人、第二次産業へ23,774人、第三次産業へ56,824人が就業している[56]。