宇部市
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中枢中核都市に指定されており、政令指定都市中核市特例市保健所政令市計量特定市のいずれでもなく県庁所在地でもない市として指定を受けるのは本市と富山県射水市の2市のみである[3]

宇部市の前身でもある宇部村は、江戸時代まで厚狭郡南部の半島状地形の先端部にある一寒村であったが、明治以降に宇部炭鉱での採炭が本格化したことで炭鉱都市が形成され、さらに炭鉱から化学工業やエネルギー事業を展開していった宇部興産(後のUBE)の企業城下町として発展した[4]。同社は本社機能の一部および主力生産拠点を宇部市内に置き、市の沿岸部は同社を中心とした工業地帯が形成されている。宇部港には同社からエネルギー事業を引き継いだUBE三菱セメントの宇部コールセンター(石炭中継基地)が立地し、貯炭容量は日本国内第1位、移出量は同3位、また同じく石油製品等の移出量は西日本の港湾で第3位であるなどエネルギー産業の拠点機能を有し[5]北九州工業地域瀬戸内工業地域の一翼を担う。

隣接する山陽小野田市は本市の通勤圏であり、両市で宇部都市圏を形成する。かつては阿知須町をこの圏域に含んでいたが、同町は山口市と合併し同市の一部となった。福岡県北九州市をはじめとした北部九州地域との交流も深く、下関市とともに関門都市圏の構成都市として数えられる場合もある[6]。宇部市内の主要商店街である宇部中央銀天街宇部新天町名店街はそれぞれ北九州市の魚町銀天街福岡市新天町商店街から名付けられている[7]ほか、北九州市が実施する商圏調査で定義される「北九州市圏域」において、宇部市は同市へ年1回以上買物へ出向く比率が50%以上70%未満の地域として2次商圏に分類されている[8]

炭鉱採掘とともに人口が急増したこともあり、1921年(大正10年)に村制から町制を経ずに市制に移行し厚狭郡から離脱した[9]。山口県内では下関市に次いで2番目の市制施行であり、村から市に直接昇格した例は旧市制下において長野県岡谷市兵庫県芦屋市長崎県佐世保市と本市の4例のみである[注釈 1]
地理
地勢中心部を流れる真締川小野湖

宇部市は山口県の南西部、瀬戸内海側に位置する。市域は県中西部を南北に貫流する厚東川水系の下流域および有帆川水系の上流域にあたり[10]、南は周防灘に突き出した半島状地形の先端部から北は中国山地の丘陵地帯におよぶ[11]。厚東川河口付近の両岸に広がる平野部および海岸沿いの平地に市街地が広がり、人口集中地区を形成する[12]

南部の平地は大部分が海底炭田により埋め立てられた跡地であり、「鵜の島」「浜町」などの地名はその名残である。市の中部から北部にかけて穏やかな山地が広がっており、近年は工業団地や新興住宅地の建設などにより開発が進められている。

また、市西部の厚南地区は「中野開作」「妻崎開作」などの地名に見られるように、大部分が稲作を目的とした干拓により開墾された地域である。このため、かつて同地区は水田が広がる田園地帯であったが、近年は国道190号沿線やゆめタウン宇部周辺を中心にロードサイド店舗の進出が活発化し、分譲マンションの建設が行われるなど市街化が著しい。

かつては宇部市に属する離島が複数存在したが、いずれも干拓埋め立て等により陸地へ取り込まれ、最後まで残った鍋島山口宇部空港の滑走路延伸工事のため埋め立てられ1999年(平成11年)に消滅した[13]

宇部市は全国的にも最も地震の発生率が低い地域であり[14]気象庁震度データベースに記録が残る1919年(大正8年)以降、震度5弱以上の揺れは一度も観測されておらず、震度4を観測した地震も2001年(平成13年)の芸予地震、2005年(平成17年)の福岡県西方沖地震、2014年(平成26年)の伊予灘地震、2016年(平成28年)の熊本地震、の4回のみである[15]。震度3の地震も珍しく、1991年(平成3年)10月28日には地元夕刊紙の宇部時報(後の宇部日報)が、同日午前に発生し宇部市内で震度3が観測された地震について一面トップ記事で扱い、時計の落下による怪我や宇部線の運行停止など被害状況を報道している[16]



荒滝山(459m[17]):市の北部、東吉部に位置する。市内最高峰[17]

霜降山(250.2m[18]):市街地の北縁地域である善和に位置する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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