宇宙
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天文学的観点から見た場合、「宇宙」はすべての天体・空間を含む領域をいう。銀河のことを「小宇宙」と呼ぶのに対して「大宇宙」ともいう。
航空宇宙および宇宙工学

「地球の大気圏外の空間」という意味では、国際航空連盟 (FAI) の規定によると空気抵抗がほぼ無視できる真空である高度 100 km 以上のことを指す[14][15]。この基準はカーマン・ラインと呼ばれる[16]

その他の宇宙と地球大気圏を分ける基準として、アメリカ合衆国における宇宙飛行士の認定プログラムの規定がある。1950年ごろ、アメリカ空軍(USAF)では高度 50 測量マイル(50 ? .mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}6336/3937 km ≒ 80.47 km[1959年以前当時])以上に到達した飛行士を宇宙飛行士と認定する規定を設けていた[17]連邦航空局(FAA)は USAF の基準を踏襲し 50 測量マイル以上に到達した飛行士を民間宇宙飛行士と認定している[18]
宇宙論の歴史詳細は「宇宙論」を参照「地球平面説」、「天動説」、「地動説」、「蓋天説」、「渾天説」、「宣夜説」、および「現代宇宙論」も参照

プトレマイオスの説にもとづいて作られた宇宙モデル1208年のアラビアのアストロラーベ
ペトルス・アピアヌス (en:Petrus Apianus) による Cosmographia 。アリストテレスの説に沿ったコスモス像。地球を中心とした天球の多層構造の図。西洋中世の人々は、地球を宇宙の中心だと考えた。(アントワープ、1539年)

宇宙について説明するにあたり、まず人類がどのように宇宙の理解を深めてきたか、おおまかな流れを解説する。

宇宙がいかに始まったかについての議論は宗教哲学上の問題として語られて続けている[19]。宇宙に関する説・研究などは宇宙論と呼ばれている。古代インドのヴェーダでは無からの発生、原初の原人の犠牲による創造、苦行の熱からの創造、といった宇宙生成論があった。古代ギリシャではヘシオドスの『神統記』に宇宙の根源のカオスがあったとする記述があったが、ピタゴラス学派は宇宙をコスモスと見なし、天文現象の背後にひそむ的な秩序を説明することを追究した。秩序の説明の追究は、やがてエウドクソスによる、地球を27の層からなる天球が囲んでいる、とする説へとつながり、それはまたアリストテレスへの説へと継承された。アルマゲスト』(George of Trebizond によるラテン語版、1451年頃)

2世紀ころのクラウディオス・プトレマイオスは『アルマゲスト』において、天球上における天体の動き(軌道)の数学的な分析を解説した。これによって天動説は大成され、ヨーロッパ中世においてもアリストテレスの説に基づいて宇宙は説明された。しかし天球を用いた天体の説明は、その精緻化とともに、そこにおける天球の数が増えていき、非常に複雑なものとなっていった。こうした状況に対し、ニコラウス・コペルニクスは従来の地球を中心とする説(地球中心説)に対して、太陽中心説を唱えた。この太陽中心説(地動説)は、当初は惑星軌道が楕円を描いていることが知られていなかったために周転円を用いた天動説よりも精度が低いものであったが、やがてヨハネス・ケプラーによる楕円軌道の発見などにより地動説の精度が増していき、天動説に代わって中心的な学説となった。宇宙は始まりも終わりも無い同じ状態であるものとアイザック・ニュートンは考え[19]、『自然哲学の数学的諸原理』の第3巻「世界の体系について」において、宇宙の数学的な構造を提示し、地球上の物体の運動も天体の運動も万有引力を導入すれば統一的に説明できることを示した。ニュートンがこうした理論体系を構築した背景には神学的な意図があったとも指摘されている。ニュートンはまた同著でユークリッド幾何学に基づいて時空を定義し、絶対空間および絶対時間という概念を導入した。

科学的な分析が始まった[19]20世紀初頭でも科学者も含めてほとんどの人は宇宙は静的だと見なしていた。20世紀になりアルベルト・アインシュタインにより絶対時間・絶対空間を否定し、宇宙の不安定なモデル(宇宙方程式)が提示され[19]、1927年にジョルジュ・ルメートルが今日ビッグバン理論として知られる説を提唱した。


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