宇宙文明
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文明自体が所属する銀河規模のエネルギーを有している文明文明のエネルギー消費量 P t y p e 3 ≈ 4 × 10 44 {\displaystyle P_{type3}\approx 4\times 10^{44}} [erg/sec] = 4 × 10 37 {\displaystyle =4\times 10^{37}} [J/s] = 4 × 10 37 {\displaystyle =4\times 10^{37}} [W]
補足

カルダシェフによる定義では、
化石燃料などの従来のエネルギー資源を1964年時点の地球文明が使って利用できたエネルギー量をタイプIのエネルギー使用量 P t y p e 1 {\displaystyle P_{type1}} [W]に用いている。また、タイプII、IIIの場合は「地球が太陽から受け取るエネルギー」を基準にしており、銀河系にはエネルギー源として利用できる太陽規模の恒星が1000億個(1011個)あるという前提に立っている。よって、この定義のもとでは地球の人類文明は1964年の時点でタイプIにカテゴライズされる。

BPによると、2012年度の世界の最終エネルギー消費量は原油換算で12,477[100万トン/年間]である[6]。原油の密度逆比は1.176[kl-原油/ton-原油][7]標準発熱量は38.28[MJ/l-原油][7]なので、2012年現在の人類の消費エネルギー P m a n 2012 {\displaystyle P_{man2012}} は

P m a n 2012 = {\displaystyle P_{man2012}=} 12,477[100万トン/年間]×106[ton/100万トン]×1.176[kl-原油/ton-原油]×103[l/kl]×38.28[MJ/l-原油]× 1 365 × 24 × 3600 {\displaystyle {1 \over 365\times 24\times 3600}} [year/s]

= {\displaystyle =} 1.282×1013[J/s] = {\displaystyle =} 12.82×1012[W]

= {\displaystyle =} 12.82×1019[erg/sec] (CGS単位系での表示)

となる。1964年当時と比較して世界のエネルギー使用量が3倍に膨れ上がってもなお、2012年現在、タイプII文明の水準からはほど遠いことが分かる。

カルダシェフの論文のテーマは、「もしも文明が生産した全てのエネルギーを星間通信に利用したとき、どれだけ遠くの文明とどれだけ高速な無線通信回線を構築できるか」という点にある(後述)。(したがって、分類に用いるエネルギー量Pには最終エネルギー使用量を用いるのがより正確と考えられる。一次エネルギー[8]消費ではロス、つまり、星間通信に用いることができないエネルギー消費もカウントしているため。)


カルダシェフは「地球のようなタイプIに分類される未熟な文明は、何光年も離れた文明にメッセージを送信しても届かないだろうが、異星人からのメッセージを受信する設備や技術は2、30年もあればできる。だから、タイプII、IIIに分類できるような高度な星間通信能力を持った文明からのコンタクトに期待して、我々人類は高性能の受信施設を建設しようではないか」と主張しているのである。

宇宙文明との星間通信

地球外の文明と情報交換を行う試みとしては、アレシボ・メッセージボイジャー探査機ゴールデンレコード電波望遠鏡による人工的な電波の探索などSETIプロジェクトに代表される様々な取り組みが行われてきた。

カルダシェフは、1964年に発表した論文の中で送信機の出力Pにより通信可能距離rと通信速度Rが決まることを示し、それを用いて、タイプI?IIIの文明が獲得しうる星間通信の能力について論じた。
星間通信能力

受信アンテナの入力雑音に相当する雑音温度を T N {\displaystyle T_{N}} [K]、交信距離r[m]、送信帯域幅 Δ f {\displaystyle \Delta f} [Hz]、受信アンテナの有効面積A[m2]、ボルツマン定数k[J/K]とし、雑音による信号の超過が100倍ある状態が通信できる限界であると見なすと、次式が成り立つ。Table1 高度文明の持ちうる星間通信能力

100 × k T N = P A 4 π r 2 Δ f {\displaystyle 100\times kT_{N}={\frac {PA}{4\pi r^{2}\Delta f}}}


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