宇宙戦艦ヤマト_復活篇
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製作会社は2004年の発表時と同じく、株式会社エナジオとなる。2009年3月18日、東北新社が本作に関する情報を「東京国際アニメフェア2009」の自社出展ブースにて公開[4]。同年5月中旬には公式サイトが開設され、5月18日には東宝[注 4]の正月作品として12月12日に公開されることが決定したと発表された。西崎はその中で、「地球が救われるか、破滅するか、2種類の結末を考えている」と述べている[5]。2009年11月28日には、東京国際フォーラムで開催された完成披露試写会で2時間13分のバージョンを上映後に約15分のもうひとつの結末を上映し、観客4000人が携帯電話で投票した結果で公開版エンディングが決められた[6]。ちなみにWebで公開された1993年発表版の基本構成案では3部構成で、地球は消失し、第2部でヤマトが別宇宙に行き、第3部で地球と再会する予定だった[7]。制作期間には約1年半を費やしており、携わった制作スタッフは約900名で、その中におけるCG制作スタッフは約130名。全1850カットのうち、CGカット数は750カットに及んでいる[要出典]。エンディングクレジットでは最後に「第一部完」とテロップが出ており、続編の構想があることが示唆されている。BD/DVD/UMDは2010年7月23日に発売、レンタルは6月4日から開始[注 5]
2012年、ディレクターズカット版の公開
2012年1月28日より2月3日まで新作カットを追加し再構成、東宝・劇場公開版とは異なるエンディングの『ディレクターズカット (DC) 版』を、シネマート新宿心斎橋の2館で劇場レイトショー公開し、2012年3月23日にBlu-ray/DVDを発売[9][注 6]。未公開シーン・新作カットの追加、アナザーエンディングへの変更、音響パートの一新(柏原満による旧シリーズでの効果音を使用)、音楽配置の変更(ヤマト発進時のアルフィー歌唱のテーマソング「宇宙戦艦ヤマト 2009」のインストゥルメンタルへの変更など)などがされている。ディレクターズカット版は劇場上映版より時間が短くなったが、「復活篇コンプリートボックス」の記載から当初は2時間半から2時間45分ほどの時間を想定していたようである。
あらすじ

宇宙戦艦ヤマト回遊惑星アクエリアスの水柱を自爆により断ち切り、アクエリアスの水で宇宙に出来た海の中に沈んで17年が経過した西暦2220年[注 7]。移動性ブラックホール、通称「カスケードブラックホール」が発見され、これが太陽系に接近して地球を飲み込むことが明らかになった。

人類は、27,000光年離れた惑星アマールのへの移民を計画。移民船団を第1次、第2次と出発させるが、いずれも航海中に謎の敵から攻撃され、消息を絶ってしまう。宇宙の辺境で貨物船の船長に就いていた古代は地球の危機に際して帰還し、第3次移民船団の護衛艦隊司令の任に就く。アクエリアスの水で宇宙に出来た海の氷塊内に建設されたドックで修復・強化改装を受けて甦った新生ヤマトの艦長として、アマールへ出発する。

一方その頃、銀河系中心部に勢力を広げる星間国家連合は議会を招集。第1次船団を襲撃した艦隊の正体であり、連合の実質的支配者である国家SUSの代表メッツラーは、地球の移民船団を侵略行為と偽装した。1隻でも惑星破壊規模の攻撃ができる波動砲を備えた戦艦が複数いる艦隊というだけで、侵略行為を説得したのである。これにより殲滅を決議させ、第3次移民船団へ艦隊を派遣させる。

第1次、第2次船団が襲撃された宙域に到達した第3次船団は、発見した敵のサーチネットを避けるため、近傍のブラックホールを利用したロングワープを試みる。その最中、星間国家連合艦隊が出現し、ヤマト率いる護衛艦隊は船団を守るためこれと交戦する。戦闘の中、敵艦隊の1つであるエトス艦隊司令ゴルイは船団を守るべく奮戦するヤマトの姿を、SUSに支配されて落ちぶれる前のエトスの精神に重ね、戦闘を中止する。その後、ヤマトはゴルイから星間国家連合の存在を教えられ、ゴルイに感謝しつつ、アマールへとワープする。

船団は無事にアマールへ到着するが、アマールもまた星間国家連合に所属しており、SUSは連合決議に反するアマールへ制裁として攻撃を加える。古代はアマールと連合の関係を考慮して、SUSとの交戦をためらうが、雪の言葉を思い出し、さらにSUSに反抗したゴルイの姿を見て、SUSの支配を打破するため、星間国家連合と交戦することを決意。アマールも独立のため、ヤマトとともに戦うことを決める。

地球・アマール艦隊は星間国家連合艦隊を突破し、SUSの超巨大要塞へと到達。要塞の攻撃により艦隊が壊滅しながらも、ヤマトのトランジッション波動砲5連発で要塞を撃破する。しかし、要塞跡から巨大な潜宙艦が出現し、ヤマトを翻弄する。敵の猛攻の中、古代は近傍の太陽が敵のエネルギー源たる人工物であることに気づき、トランジッション波動砲最後の1発を撃ち込んで太陽を破壊。そして、崩壊した太陽から発生した次元の裂け目に、潜宙艦は大破しながら引きずり込まれていった。潜宙艦が消滅した後、突如メッツラーがヤマト艦橋のスクリーンに映ると、異形の姿へと変貌しつつスクリーンから出てくる。メッツラーは自分たちが別世界の異種異根の生命体であると述べ、ヤマトの勝利を皮肉に称えたのち去って行く。

アマールが独立に歓喜する中、ヤマトは残存する地球人類を救うため地球へと帰還する。カスケードブラックホールが地球へ迫る中、最後の移民船とともに地球を発進するヤマトの艦橋において、古代は地球人がこれまで地球に行ってきた傲慢な行為の数々と、それにもかかわらず宇宙規模からみれば小さな災害に過ぎないブラックホールに対処できない無力さを噛みしめ、移民先はやり直しのチャンスを与えられただけにすぎないと考える。
劇場公開版

その時、メッツラーが再び出現。自分たちが異なる次元の住人であること、その次元には資源が少ないため生きる糧を他の次元に求めていたこと、そしてカスケードブラックホールの正体が他次元から資源となる星々を奪い取るための巨大な次元転移装置であることを暴露し、古代たちを嘲笑いながら去っていく。しかし、人工物であることに活路を見出した古代は、次元転移装置の本体を発見させ、トランジッション波動砲6発一斉射でこれを破壊する。カスケードブラックホールは消滅し、地球は救われる。
ディレクターズカット版

ヤマト乗組員に敬礼を持って見送られながら、地球はカスケードブラックホールに飲み込まれ消滅した。その後、残存地球人類の救助に当たっていた防衛軍旗艦ブルーアースから入電し、観測の結果、地球は銀河中心部の巨大ブラックホールに飲み込まれたことが判明したと告げる。何かに気付いた様子の古代は、ブルーアースに地球の最期を見届けると告げ、ヤマトを銀河系中心部へと発進させる。
登場人物
地球


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