宇宙大怪獣ドゴラ
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ドゴラを表現する技術力は評価されているが、怪獣としてのキャラクター性は薄いとされる[出典 8]。東宝プロデューサーの田中友幸は、自身では好きな作品であるとしつつ、目先を変えようとしてストーリーにリアリティを持たせたものの、ドゴラの形状が曖昧でうまくいかなかったと述べている[23]。本作品と『マタンゴ』の興行的失敗から、本格SF路線はゴジラシリーズなどの怪獣路線に吸収されていった[22]。一方、『三大怪獣 地球最大の決戦』や『怪獣大戦争』など、本作品と同じく関沢が脚本を手掛けた怪獣映画では、人間ドラマを中心とした作品が増えていった[18][3]
ストーリー

日本上空を周回中の宇宙電波中継所のテレビ中継衛星が、宇宙線のような高熱体の襲撃を受け、爆発する。それと並行して世界各国の宝石店が襲われ、多量のダイヤモンドが盗まれる事件が頻発する。東京でも同様の強盗事件が発生したため、警視庁はこれらの盗難事件を全世界に指名手配されている宝石強盗団一味の仕業と判断して捜査を開始した。しかし、強盗団側は体が浮かび上がるなどの怪現象に妨害されてダイヤを横取りされており、自分たちに便乗する他勢力の仕業と考えて苛立っていた。

警視庁外事課の駒井刑事は、マークと名乗る謎の外国人を宝石強盗団の一員と見て追跡中、彼が逃げ込んだと思われる、ダイヤモンドの研究を行なっている宗方博士の屋敷を訪れるが、あと一歩のところでマークに出し抜かれてダイヤを強奪されてしまう。ところが強盗団側もダイヤを横取りした容疑者としてマークを狙っており、彼を拉致してダイヤを奪い取ってしまう。やがて、マークが強奪したダイヤは宗方博士が開発・研究中の模造品「人造ダイヤ」であったことが判明し、マークもまた強盗団の隙を突いて逃亡する。一方、宗方博士の助手をしている女性・昌代を護衛していた駒井と、昌代の兄で電波異常の調査をしていた桐野の目の前で、貯炭場の石炭が空に吸い取られるという事件が起きる。

数日後、横浜に入港した船からダイヤが輸送されるという情報を掴んだ強盗団は輸送トラックを襲撃するが、彼らを追っていたマークとの銃撃戦になる。その最中、突如石炭を積んだトラックが浮遊してダイヤを輸送していたトラックに落下するという怪現象が起きる。強盗団はダイヤの保管ケースをなんとか強奪するが、中身は氷砂糖にすり替えられていた。後日、宗方博士のもとを訪れた駒井刑事ら警視庁と合流したマークは、自身が世界ダイヤ保険協会の調査官(ダイヤGメン)であることを明かし、共同で強盗団に立ち向かうことになる。

それからまもなく、宗方博士や国連科学委員会の調査により、一連の怪事件は突然変異した宇宙細胞の仕業であることが判明する。炭素をエネルギー源としている宇宙細胞は、エネルギー補給のために炭素を大量に含んだダイヤモンドや石炭などの物質を必要としていた。そして、巨大化した宇宙細胞は「ドゴラ」と命名される。次々と世界各国を襲撃していくドゴラに対し、とくに石炭の産地として有名だった福岡県の北九州市では自衛隊が集結して対空砲で迎え撃つが、ドゴラはまったく動じずに石炭を吸い上げ続けながら、触手を伸ばして若戸大橋を持ち上げ、水面に叩きつける。そこで自衛隊は対空ミサイルを発射してドゴラを粉砕するが、ドゴラは無数の小さく光る細胞に変化し、状況は悪化してしまう。しかし、ジバチの群れが上空に現れるとドゴラは消え去り、岩のような物体が降ってきた。実は、ドゴラの細胞はジバチの毒によって結晶化するという弱点を持っており、炭鉱にある巣をドゴラに襲われたジバチが反撃したことによってそれが判明する。ドゴラ対策に躍起になっていた宗方博士は、ジバチの毒を世界中で大量生産することを指示する。一方、何らかの目的で東京を離れたマークと彼の動向を疑う駒井、そしてマークが横浜ですり替えたダイヤを隠し持っていると推測した強盗団も北九州を訪れる。

数日後、再び北九州市にドゴラが出現。自衛隊は蜂毒による反撃を開始し、ドゴラの群れを次々に結晶化させていく。時を同じくしてマークと駒井は強盗団に襲撃されダイナマイトで爆破されそうになるも、かろうじて脱出に成功。強盗団はマークが隠し持っていたダイヤを奪って国外逃亡を図ったが、駒井たち率いる警官隊との銃撃戦の末に結晶化したドゴラの下敷きとなって全滅した。

全世界で実施された作戦によって地球上のドゴラは全滅。宗方博士は国連で宇宙細胞の平和利用を訴えるためアメリカへと旅立つことになる。同じ飛行機に乗り合わせたマークは、横浜ですり替えたダイヤが囮捜査用の模造品だったことを明かして帰国の途に就く。駒井と昌代、桐野は二人の出発を笑顔で見送るのだった。
宇宙大怪獣ドゴラ

諸元ドゴラ
DOGORA
[出典 9][注釈 3]
別名宇宙大怪獣[出典 10][注釈 4]
身長ミクロ-無限大[出典 11][注釈 5]
体重不定[出典 12][注釈 6]
出身地宇宙空間[出典 14](宇宙[32]
出現地日本上空の宇宙空間[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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