宇宙大怪獣ギララ
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体重15,000t[7]

謎の発光体がアストロボートに噴霧した胞子状の発光物質が、地球のFAFCに持ち帰られ、怪獣に変化した。当初は小型であったが、地球上の電気や電子エネルギーを吸収して巨大化する。長い爪で建物を破壊し、口から白色の火球を吐いて暴れる。身長と同じ大きさの赤い火球になって飛行することも可能。噴霧した物質に含まれるギララニウムが弱点で、これによってエネルギーを吸収されると体が縮む。資料によっては、触角からの超音波や尻尾の鋏からの怪光線などの能力を持ち、手足にはエネルギー吸盤や火炎袋や溶解液袋やエネルギー吸収袋を有し、耳のアンテナや目や脳のレーダーなどの機能が紹介されている[8]

『松竹タイムス 宇宙大怪獣・ギララ』では、その能力は以下のように説明されている(原文ママ)。首から上は、あらゆる現象を敏感にキャッチし、目は複眼で、手と口の吸盤からは、強力な熱線を放出します。また怒った時には、からだ全体から七色の光を放ちます。その威力は、原子兵器もおよばない破壊力があり、われわれ地球人未知のまったく新しい大怪獣です。 ? 松竹タイムス、『松竹タイムス 宇宙大怪獣・ギララ』
ギララのネーミング
ギララは『宇宙大怪獣』題名時の初稿脚本では、「怪虫X」、「怪虫」などと表記され、『SF宇宙大怪獣』題名時の準備稿で「デモラ(仮称)」と極秘扱いで表記された。また、本文で「デモス」表記された部分もあった。この「ギララ」については、「ギ」がギリシャ語で「巨大」、「ラ」はラテン語で「大きい」という意味であると説明されている。公開を前に渡辺製菓とのタイアップで、「宇宙怪獣」の正式名称が『週刊少年マガジン』や『週刊少年キング』、ポスターによって公募された。210,564人の応募(松竹の発表)のなかから「ギララ」が採用され、静岡県在住の12歳の女子小学生と神奈川県の16歳の2人に懸賞の欧州旅行招待券がプレゼントされた。1月28日には、撮影所内で「宇宙大怪獣命名式」と題し、林家三平の司会で行われた公開命名式の特撮セットに多数の子供たちが招待され、アストロボートの飛行実演などを見学している。
ギララの美術・造形
昭和41年12月に重田重盛によるデザイン画が決定し、1尺大の粘土模型が作られた。この模型は体色が緑色で、宣伝部によって「プラトニカル・ギララドニシウス」(Pratonical Gilaladonishious)とプレート刻名され、現在も松竹で保存されている。ぬいぐるみの造形は前年に東宝特美課を退職独立した開米栄三の指導のもと[9] 、これも前年に東宝特美課を退職し、「日本特撮映画株式会社」に参加していた小田切幸雄によって行われた。頭、手足の粘土原型が起こされ、ラテックスによる型抜きで製作された。表皮はいぼを型取ったものを貼り付けて作られて雲母が混ぜ込まれ、照明で輝くようになっている。
アストロボート

諸元アストロボート[10]
全長28m
全幅14.5m
重量20t
エンジン原子力エンジン
燃料ウラニューム(XTU原子燃料)
推力3,000t
速度マッハ6?360
武装レーザー砲2門
乗員4?8名

宇宙をテーマにした作品として登場するオリジナルメカ。宇宙探査と宇宙開発を任務とするFAFCの新型原子力宇宙船で、正式名称は「Atomic Astro Boat」(AAB)。別名「宇宙船AABガンマー号」。当初の任務は火星の有人探査であり、原因不明のまま遭難した以前の火星探査船の遭難原因の調査も目的とされていた。船体材質は特殊不燃性軽合金。打ち上げ時には通常の宇宙船同様、二段式ロケットの先端部にカプセルに格納された状態で搭載される。雑誌などでのアピール度は強かったが、劇中ではあまり目立った活躍はなく、ギララを攻撃するようなシーンもない。1尺、3尺のミニチュアが作られた。

なお、のちの『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』にはAABガンマー号のパロディとして、中国籍の火星探査船「AACベーター号」が登場する。
その他のメカ

劇中にはほかに、「アストロボート」を収納する宇宙母艦、月面移動用の「アストロスクーター」、各種ロケットが登場した。「アストロボート」を始め、劇中メカはアメリカの「LIFE」誌などを参考に、重田重盛によってデザインされたが、一部二本松監督がデザインしたものもあるという。

また、東宝以外の邦画作品では珍しく、架空の兵器として、「ミサイル搭載装甲車」と「自走レーザー砲[注釈 2]」も登場する。実在の兵器として自衛隊のF-10461式戦車が登場する。
漫画化

『別冊少年マガジン』(講談社)昭和42年4月号に、ダイジェスト漫画が掲載された。著者は古城武司
商品化

丸昌から人工着色による劇中写真を使った5円プロマイド(ブロマイド)が18種発売された。メンコも各種発売されている。マルミツノートなどから学習ノートも販売された。マルサン商店からはソフトビニール人形が発売された。緑商会からは、プラモデルのギララがモーター動力(大)・ゼンマイ動力(小)、アストロボートはゼンマイ動力(大)・ゴム動力(小)が、それぞれ発売された。ギララ(小)とアストロボート(大)は緑商会解散後、童友社から再版されている。
宣伝興行

欧州旅行招待券を懸賞に、上述のように名称募集が行われた。劇場では、公開前に『宇宙大怪獣ギララしんぶん』が配られ、大伴昌司による解剖図がついた。ギララの全体像は小出しにされ、プレスシートなどでは全身が分からないようギララが横を向いているものもあり、大半がイラストによるものだった。また公開時にはギララの写真入りの時間表が劇場で子供たちに配られた。
海外興行

松竹宣伝部で『 The X from Outer Space』との英語題名がつけられ、海外セールスが行われた。英語の呼び名表記は「Guilala」。

ドイツではギララは「ギラ」という名で、『ギラ フランケンシュタインの悪魔』(Guilla Frankensteins Teufelsei)の題名で公開された。この副題は、「フランケンシュタイン」がドイツでは「巨大な怪物」を意味する単語であるため[11]。フランスではギララは「イトカ」という名で、『イトカ 銀河の怪獣』(Itoka le monstre des galaxies)の題名で公開された。イタリアやスペインでも公開されている。
映像ソフト

2001年4月21日に松竹から
DVD『宇宙大怪獣ギララ コレクターズ・エディション』が発売された[12]

2003年4月25日に松竹からニューテレシネデジタルリマスター修復版DVDが発売[13]。同日に『吸血鬼ゴケミドロ』『昆虫大戦争』『吸血髑髏船』とセットになったDVD-BOX『S-F CUBE』も発売された[13]


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