ギララの特撮スタッフには、島倉二千六、菅沼峻、滝川重郎ら当時東宝特技課に在籍中でありながらアルバイトでこっそり参加した者たちもいた。島倉によると、彼らがロケハン先で円谷組メインスタッフとばったり顔を合わせてしまってこれがばれ、契約違反で解雇されてそのまま島倉ら数人が「日本特撮映画株式会社」(1969年解散)に合流してギララに加わることとなっている[6]。
製作:島田昭彦
脚本:二本松嘉瑞、元持栄美、石田守良
特撮監督:池田博
監修:光瀬龍
監督:二本松嘉瑞
撮影:平瀬静雄
特殊撮影:大越千虎
美術監督:重田重盛
音楽:いずみたく
録音: 中村寛
調音:松本隆司
照明:津吹正、高橋利文
編集:杉原よし
監督助手:白木慶二
製作主任:内藤誠
進行:萩原辰雄
特撮監修:川上景司
協力:日本特撮映画株式会社(渡辺明、小田切幸雄)
スチール: 梶本一三、金田正
製作宣伝:藤谷政雄
宣伝プロ:藤川忠勝
提供:渡辺製菓
主題歌
「ギララのロック」
作詞:永六輔 / 作曲:いずみたく / 歌:ボニージャックス / セリフ:柳沢真一、原田糸子
「月と星のバラード」
作詞:永六輔 / 作曲:いずみたく / 歌:倍賞千恵子
JASRAC録認第10386号、出認第413161号。
映画公開に合わせ、キングレコードレーベルで、ケイブンシャからソノシートが発売された。ソノシート版では「月と星のバラード」が正主題歌扱いになっており、「ギララのロック」の歌中台詞は柳沢ではなく和崎俊也だった。俳優陣を使ったドラマが挿入される内容に、映画スチールとイラストで絵物語が構成されている。定価280円。
同じキングレコードからはシングルEPレコードも発売された。ジャケットはギララとアストロボートの写真に、倍賞千恵子やボニージャックスの顔写真が並べられたデザインとなっている。 諸元ギララ 謎の発光体がアストロボートに噴霧した胞子状の発光物質が、地球のFAFCに持ち帰られ、怪獣に変化した。当初は小型であったが、地球上の電気や電子エネルギーを吸収して巨大化する。長い爪で建物を破壊し、口から白色の火球を吐いて暴れる。身長と同じ大きさの赤い火球になって飛行することも可能。噴霧した物質に含まれるギララニウムが弱点で、これによってエネルギーを吸収されると体が縮む。資料によっては、触角からの超音波や尻尾の鋏からの怪光線などの能力を持ち、手足にはエネルギー吸盤や火炎袋や溶解液袋やエネルギー吸収袋を有し、耳のアンテナや目や脳のレーダーなどの機能が紹介されている[8]。 『松竹タイムス 宇宙大怪獣・ギララ』では、その能力は以下のように説明されている(原文ママ)。首から上は、あらゆる現象を敏感にキャッチし、目は複眼で、手と口の吸盤からは、強力な熱線を放出します。また怒った時には、からだ全体から七色の光を放ちます。その威力は、原子兵器もおよばない破壊力があり、われわれ地球人未知のまったく新しい大怪獣です。 ? 松竹タイムス、『松竹タイムス 宇宙大怪獣・ギララ』 諸元アストロボート[10] 宇宙をテーマにした作品として登場するオリジナルメカ。宇宙探査と宇宙開発を任務とするFAFCの新型原子力宇宙船で、正式名称は「Atomic Astro Boat」(AAB)。別名「宇宙船AABガンマー号」。当初の任務は火星の有人探査であり、原因不明のまま遭難した以前の火星探査船の遭難原因の調査も目的とされていた。船体材質は特殊不燃性軽合金。打ち上げ時には通常の宇宙船同様、二段式ロケットの先端部にカプセルに格納された状態で搭載される。雑誌などでのアピール度は強かったが、劇中ではあまり目立った活躍はなく、ギララを攻撃するようなシーンもない。1尺、3尺のミニチュアが作られた。 なお、のちの『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』にはAABガンマー号のパロディとして、中国籍の火星探査船「AACベーター号」が登場する。
登場キャラクター
ギララ
身長60m
体重15,000t[7]
ギララのネーミング
ギララは『宇宙大怪獣』題名時の初稿脚本では、「怪虫X」、「怪虫」などと表記され、『SF宇宙大怪獣』題名時の準備稿で「デモラ(仮称)」と極秘扱いで表記された。また、本文で「デモス」表記された部分もあった。この「ギララ」については、「ギ」がギリシャ語で「巨大」、「ラ」はラテン語で「大きい」という意味であると説明されている。公開を前に渡辺製菓とのタイアップで、「宇宙怪獣」の正式名称が『週刊少年マガジン』や『週刊少年キング』、ポスターによって公募された。210,564人の応募(松竹の発表)のなかから「ギララ」が採用され、静岡県在住の12歳の女子小学生と神奈川県の16歳の2人に懸賞の欧州旅行招待券がプレゼントされた。1月28日には、撮影所内で「宇宙大怪獣命名式」と題し、林家三平の司会で行われた公開命名式の特撮セットに多数の子供たちが招待され、アストロボートの飛行実演などを見学している。
ギララの美術・造形
昭和41年12月に重田重盛によるデザイン画が決定し、1尺大の粘土模型が作られた。この模型は体色が緑色で、宣伝部によって「プラトニカル・ギララドニシウス」(Pratonical Gilaladonishious)とプレート刻名され、現在も松竹で保存されている。ぬいぐるみの造形は前年に東宝特美課を退職独立した開米栄三の指導のもと[9] 、これも前年に東宝特美課を退職し、「日本特撮映画株式会社」に参加していた小田切幸雄によって行われた。頭、手足の粘土原型が起こされ、ラテックスによる型抜きで製作された。表皮はいぼを型取ったものを貼り付けて作られて雲母が混ぜ込まれ、照明で輝くようになっている。
アストロボート
全長28m
全幅14.5m
重量20t
エンジン原子力エンジン
燃料ウラニューム(XTU原子燃料)
推力3,000t
速度マッハ6?360
武装レーザー砲2門
乗員4?8名