日本語吹き替え版は放送時間に合わせ一部シーンをカットした状態で放映された。
1998年に「宇宙大作戦 完全版」として本国放送のノーカット版がVHS化された際に日本語吹き替え版が初収録されたが、この際にカットされたシーンの吹き替えが放送当時と同じキャスト[26]で追加収録された。ただしこの時収録されたのは一部のエピソードのみで残りはパッケージ化されなかったため、旧版DVDは原語音声・日本語字幕で補完していたが、デジタルリマスター版DVD発売の際に改めて追加吹き替えを敢行したことで全エピソードで完全な吹き替え版が視聴できるようになった。
また吹き替えが存在していたが再放送でカットされたシーンや、日本初放送当時(1960年代後半から1970年代前半)は問題がなかったが現在では不適切な表現や放送禁止用語になった言葉が使用されている部分、そのまま残すと追加収録音声との繋がりが不自然になる部分の吹き替えは再録されている。
日本語吹き替え版では、准士官以上は敬称が必須とされる英米海軍伝統に則り、「ミスタースポック」など人名に敬称が採られ、医療主任のマッコイは「ドクターマッコイ」や単に「ドクター」と呼称される。惑星連邦宇宙艦隊階級は海軍に準じており、「Captain」は「大佐」を指す[注 10]。本作では「船長」と訳されているが、続く映画からは「艦長」と訳されている。これを踏襲し、本作より以前の時代が舞台の『スタートレック:エンタープライズ』や『スタートレック:ディスカバリー』では「船長」に邦訳が統一されている。
日本語吹き替え版では、スコットの名前が「チャーリー」、ウフーラの苗字が「ウラ」、スールーの苗字が「カトウ」に変更された[27]。このあおりを受けて、第2話「セイサス星から来た少年
(英語版)」に登場する少年の名前も、「チャーリー」から「ピーター」に変更されている。また、劇中では暦として西暦ではなく宇宙暦が用いられているが、「宇宙暦040x.xxxx」のような原語版とまったく異なる数字に変更されている。これは日本における初回放送を行った日本テレビのチャンネル数である「4」に倣ったものとされ、1969年のアポロ11号の月面着陸を紀元として約400年後という意味だと解釈されている[注 11]。そのため、日本語吹き替え版では23世紀ではなく24世紀が舞台になっており、原語版の台詞や後のシリーズ作品の設定とは約100年のずれがある[注 12]。第1パイロット版「歪んだ楽園」の日本語吹き替えは長らく存在しなかったが、Netflixの配信の際に新録された。
声の出演「スタートレック#日本語吹き替え」も参照
役名第1シーズン第1シーズン
追加収録部分第2・3シーズン第2・3シーズン
追加収録部分Netflix配信版
ジェームズ・T・カーク矢島正明—
スポック久松保夫菅生隆之久松保夫菅生隆之小原雅人
レナード・マッコイ吉沢久嘉[注 13]小島敏彦吉沢久嘉小島敏彦—
モンゴメリー・スコット
(チャーリー・スコット)小林修内海賢二—
ウフーラ
(ウラ)松島みのり—
ヒカル・スールー
(ヒカル・カトウ)富山敬
納谷六朗[注 14]坂東尚樹
納谷六朗[注 15]田中亮一—
パヴェル・チェコフ——井上弦太郎樫井笙人—
ジャニス・ランド
(ジェニー)此島愛子榎本智恵子———
クリスティン・チャペル公卿敬子北見順子
島木綿子田中敦子—
クリストファー・パイク中田浩二——山野井仁
ナレーター若山弦蔵—若山弦蔵——
「※(コメ印)」を付した声優は追加収録部分にも同一の役で参加している。
その他声の出演[28] - 青野武※(コメ印)、雨森雅司、飯塚昭三※(コメ印)、池田昌子※(コメ印)、石森達幸※(コメ印)、恵比寿まさ子、大木民夫※(コメ印)[注 16]、大塚周夫※(コメ印)、小原乃梨子※(コメ印)、勝田久※(コメ印)、北村弘一※(コメ印)、来宮良子※(コメ印)、肝付兼太※(コメ印)、小林恭治※(コメ印)、小林清志※(コメ印)、小谷野美智子、佐原太枝子、沢田敏子、島宇志夫、嶋俊介、城山堅※(コメ印)、立壁和也※(コメ印)、田中康郎、近石真介、千葉耕市、千葉順二、寺島信子、寺島幹夫、徳丸完、富田耕生※(コメ印)、仲木隆司※(コメ印)、仲村秀生※(コメ印)[注 17]、二階堂有希子、野沢雅子※(コメ印)[注 18]、早野寿郎、平井道子、野村道子、真木恭介、水鳥鉄夫、翠準子、宮川洋一※(コメ印)[注 19]、武藤礼子※(コメ印)[注 20]、村越伊知郎、森山周一郎※(コメ印)、矢田耕司、城達也他
追加収録部分その他声の出演[28] - 石井隆夫、石田圭祐、上田燿司、牛山茂、小形満、後藤哲夫、沢木郁也、塩田朋子、高瀬右光、手塚秀彰、長島雄一、寺杣昌紀、野沢由香里、福田信昭、星野充昭、松井範雄、山川亜弥、渡辺美佐他