我々地球上生命の形態は、地球の環境(1Gの重力、1気圧の大気、水が液体で存在する気温など)に適応して進化を遂げた結果である。この事から、地球とまったく異なる異星の環境で進化を遂げた異星人は、我々の想像を絶する異質な形態をしているとも考えられる。それどころか、我々の知る「生命」に当てはまらない存在である可能性すらあり、この観点から見るなら、今までに火星などで行われた生命探査も不十分かつ現在の技術・知識と常識内のものであるとも言える。他の生命体が水や酸素を必要とすることを前提にした探査すらある。
映画『2001年宇宙の旅』において、原作者アーサー・C・クラークと監督スタンリー・キューブリックは当初、モノリスの主人である宇宙人を映画に登場させる事を考えており、上記の理由から地球のいかなる生物ともかけ離れた形態にしようと試みた。映画『コクーン』では、分子や原子構造を持たないエネルギー体としての宇宙人を登場させており、まるで電波の様に物質を通り抜ける宇宙人像であった。地球上の生命の化学成分を分析すると、炭素を中心にしたものであった。これら地球の生命体(炭素系生命体)に対して、ケイ素生物が想像された。ケイ素すなわちシリコンを生命体としての基盤にもつものである(ただし、炭素系化合物に比べて作りうる化学変化率が極めて低い事から、実際にケイ素生物が発生する確率は低い)。また、重力を専門に扱う物理学者ロバート・L・フォワードが著したSF小説「竜の卵」においては、中性子星に住む宇宙人を描いた。これは、地球環境からは極端に遠い環境であり、摂氏8000度を超える環境で生きる生命体であり、生命体としての構造も中性子で構成される物で、極限に違う環境で存在する宇宙人像を想像した物である。
一方で知的生命体を含む高等生物は地球と似た環境で発生する可能性が高いとする観点や、似た能力を持つ生物は同じような姿になるとする収斂進化の観点から、ヒトとよく似た姿の宇宙人も想像されている。これらは地球とよく似た環境で派生した宇宙人同士では、同じ温度・空気成分・気圧等で生活できる設定である。この理論を元に活発に議論が行われているのが、パンスペルミア説である。地球の物質的な環境が共通する惑星があるとすれば、それが現在の地球上の生物の起源の発見にもつながり、加えて地球外生命体の発見と証明にも挑戦するという研究である。