学習障害
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イギリスでは、学習障害看護(英語版)、[注釈 1]という学習障害の当事者やその家族を支援する専門分野が、看護学の中に立上っている[4]
定義

日本では旧文部省1999年、学習障害を定義している。「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」

また、アメリカ合衆国の連邦合同委員会が出した定義もよく知られている。「学習障害とは、聞き、話し、書き、推理する能力、算数の能力を取得したりするのが著しく困難な、さまざまな問題群の呼び名である。そのような問題は、生まれつきの中枢神経の働きの障害によるものと考えられる。学習障害は、他のハンディキャップ(たとえば、感覚の障害、精神遅滞、社会性や情緒の障害など)や不適切な環境(文化的な違い、望ましくない教育など)からも生じるが、そのようなハンディキャップや環境から直接生じるものではない。」 ? (1981年 学習障害に関する連邦合同委員会報告)

文中の「精神遅滞」は今日、日本では一般に知的障害と呼ばれるものであるが、原文通りに訳した。

LDは、「言語性LD」と「非言語性LD」に大別されていたが、高機能自閉症アスペルガー症候群等の高機能広汎性発達障害(あるいは、知的障害を有する自閉症を含めた自閉症スペクトラム)の位置づけの明確化や、オプトメトリストらによって視空間認知の問題が整理にされるに従い、2つの大別の仕方は用いられなくなってきている。
種別

Reading disorder (ICD-10 and DSM-IV codes: F81.0/315.00)

読字障害ディスレクシア)など


Disorder of written expression (ICD-10 and DSM-IV-TR codes 315.2)

書字障害(ディスグラフィア(英語版))など


Math disability (ICD-10 and DSM-IV codes F81.2-3/315.1)

算数障害(ディスカルキュリア)など

ICD-10では、学力の特異的発達障害(Specific developmental disorders of scholastic skills)と呼び、特異的読字障害、特異的書字障害、算数能力の特異的障害、学習能力の混合性障害、その他の学習能力発達障害、学習能力発達障害詳細不明 に細分されている[5]

DSM-IV-TRでは学習障害と呼び、算数障害、読字障害、書字表出障害、特定不能の学習障害に細分されていた。

DSM5では、限局性学習症/限局性学習障害(SLD、Specific learning disorder)と呼ぶ。DSM-IV-TRで細分していた障害は、包括され重なる病態(スペクトラム)として再定義された限局性学習障害の1形態となり、読み・書き・計算という領域を示す識別語を付加して示されるものとなった。また重症度を軽度・中度・重度の3段階に評価するようになった。
社会的状況

LDの子は全体的な能力で劣っているのではないので高校、大学への進学もケースにより可能であり、こうした子どもたちの人権を擁護する団体もある。障害に合わせた支援があれば十分に習熟・卒業が可能である。

2000年から、日本LD(学習障害)学会が学会認定資格として、LD教育士という資格を設けたが、2005年度より資格認定協会を独立させ、「特別支援教育士(LD・ADHD 等)」と名称を変更している。資格認定協会は法人化の動きもある。

学校教育では、2006年4月1日より通級の対象となり、2007年4月からは特別支援教育の対象にもなっている。しかし、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由等障害などと比べて対応が遅れている。LDの子供たちが適切な支援教育を受けられる環境はまだ十分に整っていない。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ : learning disability nursing

出典^ Kate Adams (2012年9月30日). ⇒“October Is Learning Disabilities Awareness Month in Canada!”. LDAO ? North Bay and Area News Release. ⇒http://www.baytoday.ca/content/news/details.asp?c=49019 2015年4月28日閲覧。 
^ Childhood Voyages in Development Third Edition, Thomson Wadsworth. (2008), p. 387. Retrieved 2012-12-19.
^ “ ⇒What is a learning disability?”. 国民保健サービス. 2016年11月1日閲覧。
^イギリスの医療保険制度NHSのサイト内の学習障害看護での看護師の就職について RNLD
当事者にどんな支援が求められるかわかる。学習障害の専門看護師の資格もある。
^ ICD階層病名ブラウザ ⇒学習能力の特異的発達障害

関連項目

アスペルガー症候群

小児科医

スクールカウンセラー

児童精神医学

トゥレット障害

発達障害

発達障害者支援法

日本発達障害ネットワーク

養護教諭

臨床心理士

合理的配慮

シンプル英語版ウィキペディア

外部リンク

日本LD学会


学習障害 - 厚生労働省

学習障害 - 脳科学辞典

学習障害 - MSDマニュアル










精神行動の障害(ICD-F - 290-319)

 器質性 / 症状性

認知症

軽度認知症

アルツハイマー型認知症

多発性脳梗塞認知症

ピック病

クロイツフェルト・ヤコブ病

ハンチントン病

パーキンソン病

AIDS認知症症候群

前頭側頭型認知症

日没症候群

認知症徘徊

その他

せん妄

脳振盪後症候群

器質脳症候群

他の症状性を含む器質性精神障害



 精神作用物質使用、薬物乱用による障害


薬物中毒 / オーバードース

身体依存

薬物依存症

反跳作用

離脱


 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害


統合失調症

統合失調型障害

持続性妄想性障害

急性一過性精神病性障害

感応性妄想性障害

統合失調感情障害

他の非器質性精神病性障害

特定不能の非器質性精神病


 気分障害(感情障害)


躁病 - 軽躁病

双極性障害(I型 - II型 - 気分循環症

抑うつ症状大うつ病性障害 - 気分変調症 - 季節性情動障害 - 非定型うつ病 - メランコリー型うつ病)


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