学生服
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全国で詰襟タイプを採用している中学校の大多数が標準型学生服を指定している[23][24]服装の乱れを防いだり、服装管理をし易くする意味合いが大きい。高校に関しては地域や学校により特色があり対応がまちまちのため、服装規定により必ずしも標準型である必要が無いケースもある。

一部地域では標準型のことを「国民」や「文部」と呼んでいた(戦中の代用学生服「国民服」や学術・教育・学校等に関する行政機関だった旧文部省から)。

学校によっては標準型の中でも更に細かい服装規定を設けている場合もあるので購入時はよく確認する必要がある。

上衣(一例)

襟カラーの形状:通常型指定/ラウンドタイプ(ソフトタイプ)指定/不問 など


スラックス・ズボン(一例)

タックの有無:ノータック指定/ワンタック指定/不問

腰帯:有指定/無指定/不問

脇ポケットの形状:斜指定/縦指定/不問

ベルト通し(後中央部):1本指定/1本・2本並列可(不問)

ピスボタン:可(不問)/不可 など



変形学生服を主とするメーカー(後述)の一部でも認証マーク付きの標準型学生服を作っており、最近は標準型全盛のため、そちらに力を入れることも多い。そのメーカーの学生服には、標準型でも一つ一つの上衣やスラックスのデザインに名前があてがわれていることが多い。特にその名前とデザインの因果関係はなく、名付けには学生服メーカー側の好みが反映されている。あくまでも認証基準の範囲内ではあるが、通常の標準型では省略されやすいチケットポケット(上衣)やコインポケット(上衣・ズボン)を付けていたり、変形のテイストを感じさせるデザイン(ズボン:腰帯無/縦ポケ/ピスボタン/並行ループ 等)を盛り込んでいるタイプもある。

ネットオークションなどでセミ短や中ランを「標準型と同等」「標準タイプ」などといって出品しているケースがあるが、これらのモデルには「認証マークが付いていない」「袖部分がボタンホール仕様になっている」など細部が標準型と異なり学校の服装規定外のケースも多いため、購入時には注意が必要である。

コストダウン等の理由により、標準型に準拠しながらも認証マークを添付していないケースもあり(主に夏用のズボン等)、学校によって判断が変わるので購入時は注意が必要である。

ボタンのデザインも全国統一標準タイプのものが制定されており、中学生用はをモチーフにしたもの、高校生用は月桂樹の葉冠をモチーフにしたものである。またオリジナルデザイン(校章をデザインしたものが多い)のボタンを作成し、装着指定している学校もある。

上衣

※標準型学生服認定基準[23] より、表示基準サイズ:170cm・A体

上衣丈:総丈の1/2±2 cm→(身長-23 cm)/2±2 cm

カラー

色:白無地のみ

ブランドネーム、キャッチフレーズ:品位あるもので位置は中心1ヶ所(10cm以内)のみ可。

文字の色:単色使いでゴールドシルバーグレーの内、一色。



襟の高さ

後部襟:4 cm±0.2 cm。

前部襟:レギュラーカラー 3.6 cm±0.2 cm、ラウンドカラー 3.0 cm±0.3 cm(アールの中心部)。

別途考慮:B体または特殊体型


襟吊・襟釛

材質:布地製で華美にならないこと(金属製、樹脂製、特殊ヒモ類は不可)。

色:シルバー、ブロンズ、黒のみ。


ボタン

前身:5個(チェンジボタン仕様可)。御洒落仕様不可。

袖:2個

付け方:裏地までの通し縫い。チェーンステッチ不可。チェンジボタン仕様可(個別申請して認定された上衣限定)。



チェンジボタン(ボタン止め)



地色:黒とする。

文字:黒、白、ゴールド、シルバーの4色とし、単色使い。


材質:金属性は可。

不可:七宝的なものおよび使用上不必要な装飾的なもの。


ポケット



雨ブタ:幅 5 cm±0.5 cm。

コインポケット:装着可。

コンシールファスナー取付可。





仕様:切りポケット・ファスナー付(ファスナードロップの装飾デザイン不可)・雨ブタ使用可。

位置:横のみ(縦不可)。

チケットポケット:装着可。縦、横のみ可(斜不可)。




ハコのフチ 2.4 cm±0.2 cm。

ライン:ほぼ水平のみ。それ以外不可。



胴の部分:極端なウエストのしぼりは不可。

カド:フロント裾、雨ブタのカドは小丸味のみ可(1円玉程度の大きさ)。

袖口

形状:筒状またはあきみせ状。それ以外は不可。

構造:袖伸ばし仕立ては可。袖割可能な作りは不可。

幅:15 cm±1 cm。


前合せ:ボタンのみ。ファスナー使用不可。

ダーツ:有無不問(1本は可)。

ステッチ等

表:不可

裏:ステッチ、パイピング共に可。色は黒のみ。


裏地:黒無地のみ(メッシュは可)。

袖裏・ポケット地:黒無地とする。

「上衣丈(着丈)」並びに「第5釦から裾まで」のサイズ(単位:cm)

サイズ上衣丈第5釦から裾まで
160A66.5-70.521.5-24.5
170A71.5-75.523.0-26.0
180A76.5-80.524.5-27.5

スラックス・ズボン

※標準型学生服認定基準[24] より

部分

型(腰帯の有無):切替タイプ(腰帯有)、切替無し(腰帯無)タイプ共に可。

腰帯幅:3.5?4 cm。


股上丈、装飾等:極端に深い(ハイウエスト)・浅い(ローライズ)ものは不可。腰後のセンター割不可。


タック

有無・数:ノータック、ワンタックは可。



ウエスト72cm以下:1.5cmまで。

上記以上:2cmまで。



ベルト通し(ループ)

数:7?9本

長さ:4?5 cm

ループダウン(下がり):1.5cmまで可。

後ろ位置:1本または2本並列のみ可(X・V字状不可)。並列の間隔は1cm以上空けること。

ループ幅:0.8?1.2 cm。


ポケット

脇:斜、縦以外は不可。

コインポケット:取付可(但し、ポケット口より内に2cm以上あけること)。

コンシールファスナー:取付可。



後:切ポケット以外は不可(但し、両玉、片玉は1cmまでとする)。

腰裏:腰裏の札入れは可(前身)。


雨ブタ、ピス等

可:ピスボタン(華美にならないこと)。

不可:雨ブタ(フラップ)、特殊ヒモ類、ピスネーム、飾りシツケ等。


腰裏・ポケット地:黒、グレー、濃紺、クリームは可。

スソ形状:シングル、ダブル可。ダブルの折返し幅は3?4cmが標準。

ワタリ(股の付け根部分のサイズ)・ヒザ幅(全ての製品について股の付け根部分より下30cmの位置)・スソ幅・スソ口

単位:cm

Wサイズワタリ幅ヒザ幅スソ幅
6628-3120-2420-22
7029-3221-2521-23
7630-3422-26.522-23.5
8232-3622-2722-24
8834-3824-2923-25


ヒザ幅

スソ幅に対し

ウエストサイズヒザ幅
74cmまで最大+2 cm
76?82 cm最大+3 cm
84?100 cm最大+4 cm
100cm以上別注
上記以外同上のサイズを基準として作成


スポーツマンタイプ

別呼称[52]

全般的:SP体・SP型

ワンタックタイプ限定:SP-1体・SP-1型

腰帯無タイプ(ノータック)限定:ASP体・ASP型


太もも近辺が発達している(例:陸上競技サッカー等の運動選手)等、普通の標準型ズボンでウエストを適切なサイズに合わせると太もも部分がきつくなってしまう人向けに作られたモデル。

腰から太もも周辺部分が通常の標準型ズボンよりも認証される範囲でゆったりと膨らんだラインで作られている。

それ以外は普通の標準型ズボンと同様の要件を満たしているため、認証マークも添付されている。


変形学生服

標準型学生服認証マークの付かない学生服は一般的に変形学生服と呼称されることが多い。他に「ファッション学生服・学ラン」「改造学生服・学ラン」「特殊学生服・学ラン」「カスタム学生服・学ラン」「デザイン学生服・学ラン」「オシャレ学生服・学ラン」などと呼称される。また、前述のように学校の服装規定に違反することも多いため、「違反服」「違反学生服」とも呼称される。なお、この項では便宜上その呼称を『変形学生服』または『変形』に統一する。
特徴(変形)

変形学生服の主なメーカー・ブランド(現存・過去)は、ベンクーガー(BENCOUGAR)、バンゼット(VAN JET)、マックスラガー(MAX RUGGER)、ディスカル(DISCAL)、ジョニーケイ(JOHNNY KEY)、ジョンカーター(JOHNCARTER)、キングダッシュ(KingDash)、タクトン(TACTEON)、ビックパーサー、リバックス・メンズ(Rivax Men's)K.Yoshihiro、BLACK 1、EAGLE FEATHER、極 KIWAME、極族、ベースキャンプ、マスクローズ、ブラックカイザー、ヤーバンDC、コブラ、ユニオンジャック、トップカルダン、Mrニノコなどである。

前述のように現存の変形学生服メーカーの中には別のブランドで標準型学生服の製造を始めた例(ベンクーガー⇒ビバリーヒルズポロクラブ)もある。認証基準の範囲内ではあるが、変形のテイストを感じさせるデザインを盛り込んでいるタイプがあり、縫製や素材などの品質においても劣る場合が多い。

変形学生服メーカーは独自にカタログを発行しているケースが1990年代中盤?後半頃までは多かったが、不景気の影響や前述のように変形学生服の需要が減少している等の要因などもあり徐々にカタログを廃止するメーカー増えていき、2000年代中盤頃にはほとんどのメーカーで廃止されてしまった
[53]。そのカタログには着こなし方などの情報も記されたり、様々なデザインの変形学生服が一覧でき、変形学生服への憧れを煽るようなモデルを使ったイメージ画などもあり、情報量は多かった。そのため、(変形学生服全盛の頃は特に)このカタログを見て様々な変形学生服を着ることを夢見たり、友人とこれを材料に雑談するなど「雑誌」としての意味も充分に持ちうるものであった[54]


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