孤児院
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1872年に生活困窮者の救済を目的に設立された東京市養育院に子供も含まれていたことから、1886年からは親のない児童の救護も同養育院で行なうようになった[4]。また、1890年(明治23年)に発生した経済恐慌から1893年(明治26年)頃までの間の不景気の間にも、資本主義社会の急速な発達と社会福祉制度の不備から貧困住民が増大し、孤児や捨て子が大量に発生し、これらを救済する民間の孤児院が設立された。

第二次世界大戦後の一時期には戦争で両親を亡くした戦災孤児、日本人を母に、アメリカ軍兵士を中心とした父との間に生まれ、両親から見捨てられた混血孤児(GIベビー)が多く発生した。戦災孤児らの保護活動で知られた施設として、「障がい者福祉の父」とも呼ばれた糸賀一雄による近江学園(滋賀県湖南市)がある。設立当初から戦争孤児たちとともに、親のいる家出してきた子どもや障がい児が入園していたとされる[5]。このほか沢田美喜により設立されたエリザベス・サンダースホームが挙げられる。

1948年(昭和23年)以降の孤児を保護する施設については児童養護施設を参照のこと。
アメリカ

アメリカ合衆国における最初の孤児院は、1740年ジョージ・ホウィットフィールドにより設立されたべセスダ孤児院である。そのほかに著名な孤児院としてはネブラスカ州オマハのフラナガン神父少年の町(Girls and Boys Town)がある。

近年では、孤児院という言葉にある差別的な語感から、英語表現としては "group home"が用いられることが多くなってきた。ただし、この表現は障害者の社会的自立のための共同住居、高齢者の共同生活住居などにも使われる。日本語では、「?寮」と訳されることもあるが、カタカナ表記でも使われる。
イギリス

イギリスにおける著名な孤児院としては1870年にトーマス・ジョン・バーナード(英語版)によって設立されたバーナード・ホームがある。リバプール近郊にはジョン・レノンがその近くで幼少時を過ごしたとされるストロベリー・フィールズ(en)があった。
イタリア

第二次世界大戦の後、両親を失った子供たちを収容したイタリアの孤児院で、子供たちの成長や発達の遅れ、罹病率、死亡率が高く、まれには社会適応の不良行為少年なども見られた。

そのため世界保健機関ジョン・ボウルビィらに調査研究をさせた結果、子供たちのこうした現象が、最も親密な人間との離別や、それに伴う、保護が十分でない施設での生活によるものではないかとして、「母性的養育の剥奪」という幼児、児童の教育、ケアについての問題提起が盛んに語られるようになった。
インド

インドで孤児を支援する団体で、日本人が関わっているものとしては、コルカタに孤児院を運営するドン・ボスコ希望の家、ヴィシャーカパトナムに孤児院を運営する ⇒エル・エンジェル国際ボランティア協会、そしてプネーに孤児院を運営する、母性的養育の剥奪への配慮を特色とするアシュレヤ・イニシアティブ・フォー・チルドレンなどが挙げられる[6]
開発途上国

開発途上国後発開発途上国における児童福祉制度の整備の遅れから、孤児の保護をする施設が不足、または存在しないという問題が発生している。これらの問題解決のため、日本からもボランティア団体、NPOによる支援が行われている。
孤児院をテーマにした作品

小説

チャールズ・ディケンズ - 『オリバー・ツイスト』、『デイヴィッド・コパフィールド

ジーン・ウェブスター - 『あしながおじさん

ジョン・アーヴィング - 『サイダーハウス・ルール


ミュージカル

アニー

オリバー!


漫画

キャンディ・キャンディ

タイガーマスク

あしたのジョー

約束のネバーランド


アニメ

私のあしながおじさん

明日のナージャ

天使の3P!


映画

石井のおとうさんありがとう - 明治期に孤児院を創設し、3000人余の孤児を育てた石井十次の生涯を描く映画作品。

オリヴァ・ツイスト

オリバー!

アニー


ドラマ

エンジン

明日、ママがいない - 児童養護施設への差別、偏見、誤解を助長させるとして問題となった作品。


音楽

ストロベリー・フィールズ・フォーエバー


脚注[脚注の使い方]^ 児童館の訳に充てられる場合もあるため、文脈により注意が必要。
^ 大高善兵衛『読史随筆』赤堀又次郎 著 (中西書房, 1928)
^大分の歴史事典 - 日田養育館
^ 『養育院六十年史』 東京市養育院、1933
^ 本庄 豊『児童福祉の戦後史: 孤児院から児童養護施設へ』(吉川弘文館、2023年)ISBN978-4642039239
^ [1] - 2007年6月10日時点のアーカイブ

参考文献.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

本庄 豊『児童福祉の戦後史: 孤児院から児童養護施設へ』(吉川弘文館、2023年)ISBN978-4642039239
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捨て子

児童養護施設


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