地球の自転軸(地軸)が公転面に対して傾いているため、時期によって日照時間が変化する。東アジアでは、昼夜の長短を基準に季節を区分している。昼が長い時期が夏、夜が長い時期が冬である。この基準で季節を区分すると、春分を中心として立春から立夏までが春、夏至を中心として立夏から立秋までが夏、秋分を中心として立秋から立冬までが秋、冬至を中心として立冬から立春までが冬となる。また、これをさらに細かく分けた二十四節気や七十二候もある。この他、4月から9月までを暖候期、10月から3月までを寒候期とする場合もある[3]。 前述の日照時間や太陽の高さの変化が主な原因となって、年間の気候の変化が生じる。 天候の推移や気温の高低などによって季節に分ける場合、日本では西から低気圧と高気圧が交互に通過し雨天と晴天を繰り返す「春」、梅雨前線が停滞して雨天が続く「梅雨季」、高温湿潤で晴天が続く「夏」、秋雨前線によって雨天が多い「秋霖季」、春と似て雨天と晴天が繰り返される「秋」、北西からの季節風によって寒気が流れ込む「冬」の六季に分けることが多い。 植物においては、開花季、満開季、発芽季、紅葉季、落葉季、結実季などに分けられる[2]。また、動物においても、例えば渡り鳥について渡来季と去来季などの概念が用いられることがある[2]。 様々な四季の定義[4]分類春夏秋冬 日本の属する気候帯の性質上、連続可変的に寒暖が移り行き、気候の変化がヨーロッパ諸国のように「次の日に目が覚めたら(積雪し)冬になっていた」ということが無いため季節を四つに区切るのには無理がある。 夏至の時期は最も日照が長く、冬至は最も日照時間が短くなることから、太陽からの熱エネルギーの影響からもこの時期に最も暑く、あるいは寒くなりそうにも思うが、実際には地熱から影響を受けて、しばらくして大気の温度に影響が来るため、最暑期が立秋の頃や、最寒期が立春の頃にずれることになる。 このため、6月は梅雨入りまでは実質間的には春の終わり(晩春)であり、12月も上旬頃は実質、秋の終わり(晩秋)であることも多い。また冬から春・夏から秋への過渡期には「暑さ寒さも彼岸まで」と例えられるように、これも北日本と南日本ではかなり差もあり、年によって異なるが、3月の初頭は太平洋側や瀬戸内海側の平地でも降雪・凍結や冬日になる事もあるため、実質的には冬の終わりである。同じく9月の初頭は残暑があるため、同様に夏の終わりである事も多く、また真夏日や熱帯夜にもなる。 テレビ番組やラジオ番組、特に定番ドラマの改編では春期を4月から6月、夏期を7月から9月、秋期を10月から12月、冬期を1月から3月と分けているケースがほとんどである(学校や官公庁・企業などの年度や決算期でもこのように区分している場合が多い)。これは、新年度の4月からの一年間を4等分するための日本の人為的な区分であって、社会通念・天文学的・気候学的な季節区分とは無関係である。 一方、暦(二十四節気)の上では、春は立春(2月4日)以降、夏は立夏(5月7日)以降、秋は立秋(8月7日)以降、冬は立冬(11月7日)以降であり、冒頭の社会通念上の四季よりも1ヶ月ほど早い。気候的にも立春が寒さのピーク、立秋が暑さのピークの時期であり、一般的な社会通年とはズレている。そのためテレビの天気予報などでは、「暦の上では秋ですが、まだ暑いですね」「暦の上では春ですが、まだ寒いですね」といったコメントがなされる事がある。俳句の季語も暦の上の季節に基づいている。 2020年、気象庁は季節の変わり目として、昆虫や鳥などの動物の出現や行動を、都市化等でその観察自体が困難になったことを理由に取り止めた。
季節と気候
季節と生物
日本の四季詳細は「四季」、「二十四節気」、および「日本の気候#季節」を参照
伝統的季節暦月区切り旧暦正月(新暦2月頃)?旧暦四月(新暦5月頃)?旧暦七月(新暦8月頃)?旧暦十月(新暦11月頃)?
節月区切り立春(2/3頃)?立夏(5/5頃)?立秋(8/7頃)?立冬(11/7頃)?
気象学的季節3月?6月?9月?12月?
天文学的季節春分(3/20頃)?夏至(6/21頃)?秋分(9/22頃)?冬至(12/22頃)?
脚注[脚注の使い方]^ [1]
^ a b c d 野寿郎・保柳睦美監修『人文地理事典』 p.177 1951年 古今書院