字幕は映像の画面展開と合わせて、すばやく読めるようになっている必要があるため、一度に表示できる量が限られる。その量の一定の目安は、英語の場合、2行と35文字である[5]。日本語の場合、1行13文字で2行までとされる[6][7]。
再生メディアにおける用語で、文字表示が常に有効かどうかを示すオープンキャプション、クローズドキャプションという概念がある。クローズドキャプションは特定の機器や視聴地域でのみ有効となるもの、オープンキャプションは常に表示されるものである[5]。かつては言語間字幕(翻訳された字幕)の提供方式がクローズドキャプション、言語内字幕の提供方式がオープンキャプションという区分が成立していたが、聴覚障害者のための言語内字幕がクローズドキャプションとなる例が広がっている[5]。 ※ 「字幕」自体を意味する用語は、時代、業界、媒体、表示箇所によって大きく異なる。 字幕の表示に使われる技術は、媒体によって異なる。
字幕の呼称
タイトル (title)[1]
一般の字幕を意味する語。上記「クレジットタイトル」など。ただし、字幕以外にも意味が多いため、単なる「タイトル」という語はあまり使われない。
サブタイトル (subtitles)
翻訳や、聴覚障害者対応のため、通常は字幕表示されないコンテンツに付加するものをこう呼ぶ場合がある。サブ (sub) と略す。サイレント映画の中間字幕(後述)が画面の中央に表示されるのに対し、画面の下辺部 (sub) に表示される字幕をこう呼んだ。場合によっては(縦書き言語など)、左右辺部や、上辺部に表示されることもある。
キャプション (caption)[1]
原義は題名や説明等で用いる文章。字幕一般の意味で使われる。
字幕の技術・技法
媒体固有の技術
スーパーインポーズ (super-impose, super-imposing method)[1]
もとは映画の編集技術用語の一つ。複数のものを重ね合わせるという意味で、フィルム上に字幕を書き込んだ別のフィルムを重ねて焼き付けた[1]ことからついた呼称。転じて、映像全般に用いられる語となった。図や文字や他の映像を重ねること、または重ねたもの。スーパーインポーズでつけられた字幕を「字幕スーパー」と呼ぶ。現在では、デジタルな映像編集技術で映像信号を加工することによって編集される。
テロップ (telop, television opaque projector)
元はテレビ放送用の静止画投影機の商標で、機器自体は静止画のカードを全画面表示するためのものだった。映像の階調加工・透過化(キーイング)技術と組み合わせ、上記「字幕スーパー」合成のために用いられるようになり、「テロップ」は画面に文字や図を重ね書きする技術および、重ね書きした文字や図を指す一般名詞化した。
字幕放送 (teletext)
テレビ・ラジオ放送の空き帯域を使って、受信機の利用者によって切り替え可能の文字情報(クローズドキャプション)を放送する技術。主に字幕に使われるが、他の用途もある。日本のテレビ放送における技術的説明については文字多重放送参照(そう呼ばれるのはアナログテレビ放送(NTSC-J)のみで、デジタルテレビ放送の規格上ではそうは呼ばれない)。生放送番組などに、リアルタイムで字幕をつけることをリアルタイム字幕放送(リアルタイムキャプション)と呼ぶ。