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正字体とはある文字において、最も規範的とされる字体を言う。特にいくつもの字体を有する漢字で問題になり、その選択のしかたによっていくつかの正字の体系が言われる。
正字として重要なのはその典拠とそれを正字とする判断であり、四書では小篆や隷書で示したものが正統の証でもあった。清代の『康熙字典』(1716年)以後は、その字体が規範として尊重された。
中国(清代まで)
康熙字典以前
史籀篇(西周?)
説文解字(許慎、後漢)
釈名(劉熙、後漢)
顔氏字様(顔師古、唐)
干禄字書(顔元孫、唐)
開成石経(唐)
説文解字の親字として示されている小篆は、正字の規範として尊重されてきた。干禄字書は説文解字や経書に示された小篆に基づき、科挙受験者のために楷書の正字体を示した字書である。このような字様書として五経文字、九経字様が引き続き作られた。 康熙帝(こうきてい)によって編纂が命じられた『康熙字典』の字形に基づく字体を指す。全般的には字典に用いられてきた字体である字典体を踏襲しているが、『正字通』でやや過度にわたる規範意識を持って示された字形も多く採用している。そもそも字典体は干禄字書系統の字形に代表されるように一般的に広く流布し、最も常用されていた字体ではなく小篆の字体に近づけたものが少なくなかった。そのため、『康熙字典』には伝統的な楷書の字形と異なる字形が多く見られる。 『康熙字典』は広く流布されたため、そこに示された明朝体の字形を伝統的な楷書の字体に基づいた明朝体の字形と区別して康熙字典体という。ただし『康熙字典』では皇帝の名(玄Y)の「玄」を避諱(ひき)して欠画を行なった「」や「」といった字形が見られるなど、正字体として用いるには適当でない点があった。そのような実用に適さない部分を変更したものが現在通用している康熙字典体であり、そうした現在でも通用している康熙字典体を端的に明示する際にはこれをいわゆる康熙字典体と呼んで区別することもある。 1950年代に中国で新たに制定された中国語の正字体系が簡体字(あるいは簡化字)である。それまで非公認であった俗字(略字)を正式な字体としている。中国およびシンガポール、マレーシアで使用されている。第二次漢字簡化方案などのように、試用されたが正式に実施されず、廃案となったものも存在する。 台湾、香港、マカオなどで使用される、簡略化されていない字体が繁体字である。繁体字という呼び方は、中国大陸での呼び方であり、台湾の公的文書では標準字と呼んでいる[1]。他に正体字などとも呼ばれる。地域によって異体字の扱いが異なったり、字体に細かい異同が見られる。中国では2013年の『通用規範漢字表』[2]に附属の『規範字と繁体字、異体字対照表』(ここでいう規範字は簡体字を指す)で字体を示しているが、台湾、香港の字体と異なるものが多い(詳しくは『通用規範漢字表』を参照)。 繁体字は、康熙字典体と同じではない。?(康熙字典体喩)、留(康熙字典体?)、?(康熙字典体麪)、真(康熙字典体眞)、?(康熙字典体値)、并(康熙字典体?)、?(康熙字典体啓)、即(康熙字典体?)、痺(康熙字典体?)、為(康熙字典体爲)、青(康熙字典体)などは、康熙字典体とは異なる字体が標準または一般的になっている。食偏(?)、しんにょう、示偏(?)も、康熙字典体とは異なるものを使用する。 1960年代の中国で、康熙字典体に代わる標準印刷字体として制定されたものが新字形である。より筆記体に近い字体が採用され、減画や異体字の整理がなされている。簡体字と混同されることがあるが、簡体字だけでなく繁体字も含めた字体体系である。なお、中国の漢字学においては字形と字体を一般に区別しない。 大韓民国(韓国)で使用されている漢字(ハンチャ)は、特別な簡略化を受けていない。おおむね上記の繁体字に一致する。 仔細に見れば、韓国で学校教育に使われる漢文教育用基礎漢字の字体は、康熙字典体とも台湾・香港の繁体字とも異なる。例示すれば、留(康熙字典体?)、鬪(康熙字典体?)、告(康熙字典体?)、顔(康熙字典体・繁体字顏)、産(康熙字典体・繁体字?)、衆(康熙字典体・繁体字?)、衛(康熙字典体衞)などである。草冠は、康熙字典体・繁体字が4画(?)に作るのに対し、韓国の教育用漢字は3画(?)に作る。 なお、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では漢字を廃止している。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。
康熙字典体
中華圏
簡体字
繁体字
新字形
日本
日本における漢字の新字体と旧字体については、新字体の記事を参照。
かつて日本で使われていた平仮名の異体字については、変体仮名の記事を参照。
韓国詳細は「朝鮮における漢字」を参照
異体字
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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