子どもの権利
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「子どもの権利の情報ネットワーク」(CRIN)は、子どもの権利を以下のように2つのグループに分類している[8][9]
経済的、社会的、文化的権利
食物、居住場所、教育、体のケア、安定した雇用などの人間が基本的に必要とする条件に関する権利である。教育を受ける権利、満足な住居食物健康の最高の水準・労働などを得る権利、職場での権利、少数民族や土着の文化を守る権利などが含まれる。
環境、文化、発展の権利
しばしば第三世代の権利と呼ばれる。安全に健康的な環境で暮らす権利であり、人々の集団が文化的、政治的、経済的に発展する権利である。
アムネスティ・インターナショナルの提唱

アムネスティ・インターナショナル(国際人権救援機構)は、以下の4つの特殊な権利を提唱している[10]

若年者の仮釈放の無い投獄を廃止すること

子どもの軍隊での使用を廃止すること

21歳未満の子どもの死刑を廃止すること

学校で人権について充分に教えること

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(人権監視機構)は、国際的な人権擁護団体であるが、児童労働、少年司法、孤児、捨てられた子ども、難民ストリートチルドレン体罰などに対処している[11]
子どもの権利と青年の権利の違い詳細は「青年の権利」を参照

「例えば大半の法制度では、子どもが投票すること、結婚すること、アルコールを買うこと、セックスをすること、労働に従事することは認められていない」[12]

青年の権利運動において、子どもの権利と青年の権利の鍵となる相違点は、子どもの権利の擁護者が大抵は子どもへの保護の強化を主張するのに対して、(運動としてはかなり小規模だが)青年の権利の擁護者は大抵は青年や子どもの選挙権のような自由権を拡大するように主張することである。
育児と子どもの権利「親の権利の運動」を参照

親によって育てられることは、基本的な子どもの権利であると考えられている[13]

この権利により、子どもは親との関係や、それによる利益や、実の親による育児を否定されるべきでないと考えられている。唯一の例外は、親による虐待や無視から子供を守る目的で政府が介入する必要のある場合である。そのようなケースでは、「全ての関係者は、当該手続きに参加する機会を与えられ、意見を述べる機会を与えられる」という原則を守りながら、迅速な司法の検討により解決が図られる[14]

親は独特の仕方で子どもの生活に影響を与える。子どもの権利における親の役割も、独特の仕方で区別されなければならない。親と子の関係における特有の問題は、子どもを無視すること、子どもを虐待すること、選択の自由、体罰、子どもの養育の問題である[15][16]

「常識的な子育て」と子どもの権利との間には緊張関係があるが、これを解決する正しい実践を親に提供する理論がある[17]。この問題は、少数者の潜在的な開放をもたらす法的手続きや、子どもが親を訴えたケースで、特に意義がある[18]。両方の親との関係を保持するという子どもの権利は、親が離婚した子どもの最善の利益の決定や、養育の法的手続きにおいて、重要な要素であると強く認識されるようになっている。複数国の政府では、共同の育児が子どもの最善の利益にかなものであるという反駁可能な推定を行う法律を制定している[19]

また、離婚した夫婦の子どもや、事実婚の夫婦の子どもの権利を守るため、共同親権を求める動きがある。また、事実婚夫婦の子どもの場合には、その子どもの権利を守るためには、選択的夫婦別姓制度の導入が必要だという意見がある[20]
運動詳細は「子どもの権利運動」を参照「英国における子どもの権利の歴史年表 」および「米国における子どもの権利の歴史年表」も参照

トーマス・スペンスが1796年に出版した「乳幼児の権利」が、英語による子どもの権利を主張したものの内で最古である。1900年代を通じて、子どもの権利の運動は、ホームレスの子どもたちの権利や、公教育のために組織された。ヤヌシュ・コルチャックが1927年に出版した「子どもの権利の尊重」は、この分野の文献を強化した。今日では何十もの国際組織が、子どもの権利を推進するために世界中で活動している。
反対

子どもの権利への反対は、今日の社会の潮流から見て、はるかに時代遅れとなっている。子どもの権利に反対する著述は、1200年代かそれ以前のものである[21]。子どもの権利の反対者が信じているのは、若い人が意思決定をおこなう場合や責任を負う場合などは特に、大人中心の世界から守ってやる必要があるということである[22]。大人が優勢の社会では、子ども時代はあどけない時代であると理想化されており、責任や葛藤の無い時代であり、遊びが優勢の時代であると考えられる[23]。反対者の多くは、国家の統治、国の利益、親子関係への関心から反対を行なっている[24]。また、経済的な不足や、「子どもの権利に反対する伝統的な価値観が基盤にあること」も指摘されている[25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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