嫌われ松子の一生
[Wikipedia|▼Menu]
八女川の親友かつライバル。会社員。婿養子に入っており、旧姓は菅野(すがの)。二浪していたため八女川よりは年上。八女川とは大学時代に文学を通じて知り合う。三島由紀夫の作品にのめりこんでいた。仕事をしながら執筆を行っていたが、八女川に負けていると感じ嫉妬する。定職につかず、松子を働かせようとする八女川と別れるよう松子に忠告していた。八女川の死後、後追い自殺も考えていた松子の心の支えとなるが、やがて不倫関係となる。しかし、松子が約束を破り岡野の家に行ったことから、関係が妻にばれてしまい、松子に金を渡し一切の縁を切る。実際には松子を愛していたのではなく、八女川への嫉妬から、八女川を愛した松子を自分の物にしようと考えていただけだった。
小野寺 保(おのでら・たもつ)
松子がソープ嬢として働いていた店の常連で、松子をよく指名していた。松子と組んで雄琴(滋賀県)で生活、運転手兼ボディーガードとなる。覚せい剤を常用していた。松子が稼いだ金を山科に住む女に貢いでいたことが発覚。松子を食い物にしているだけだった。覚せい剤を打とうとして、包丁をもった松子にもみ合いになり、松子の手首を締め上げた際に、落とした包丁の切っ先が足の甲に刺さる。身動きの取れない状態で松子にとどめを刺された。死亡時の年齢は31歳。
島津 賢治(しまづ・けんじ)
理容室を経営。自殺を図ろうとした松子に声をかける。三年前に妻と子供を事故で亡くしている。実家は祖父の代からの床屋だったため、若い頃から床屋一筋で働いていた。十四、五年前に家を飛び出したきりだが、親のことを心配している。松子にプロポーズをしたが、直後に松子が警察に逮捕(小野寺殺害の件)されてしまう。8年後に松子が出所していたときにはすでに再婚、子供もおり理容室も大きくなっていた。
「白夜」の人物

中洲の南新地にあるソープランドの店。マネージャーの方針で基本的に素人は雇わず、お眼鏡にかなった人物だけが働くことができた。
赤木(あかぎ)
「白夜」マネージャー。昭和一ケタうまれ。かつて結婚していたが、妻に先立たれている。ソープランドを究極のサービス業と考える男。松子の新人研修で練習相手を務めたが、そこで思わず
射精してしまう(練習相手が射精するのは御法度とされている)。後に経営方針の違いで社長と争い、店をやめ、北海道の八雲で地味に過ごす。風俗の世界で働いていた人間の割にかたくななところがあり、松子のことを気にかけていたが、口に出せずにいた。松子に、スミ子が刺し殺されたことを話した際に連絡先を知らせていたが、松子が小野寺を殺害後、メモを捨ててしまい、連絡は取れずじまいになった。スピンオフ短編作『八雲にて』では、「白夜」での松子との出会いと別れを回想しながら語る赤木の晩年の様子が描かれている。
斉藤スミ子(さいとう・すみこ)
「白夜」で働いていた先輩ソープ嬢。当時28歳。源氏名は綾乃(あやの)。「白夜」で一番の人気と実力があった。松子に「雪乃」という源氏名をつけ、中州でナンバーワンのソープ嬢に育てる。2輪車のプレイでは松子をパートナーに指名していた。もともとは千葉で人気のソープ嬢であったが、赤木の引き抜きに応じて「白夜」に来ている。赤木が店をやめた1週間後、地元・仙台で小料理店を開き、幸せな日々を過ごすことを夢に自らも店をやめるが、恋人である浅野に殺害される。
吉富(よしとみ)
赤木がやめたあとの「白夜」マネージャー。日本人離れした顔立ちで若く見えるが、腹が出ている。赤木の経営方針を変え、素人のソープ嬢を積極的に採用する。
レイコ
吉富がマネージャーになったあとで採用されたソープ嬢。当時20歳。長身で童顔。ソープ嬢歴のない素人の女子大生。松子曰く、客の前には出せないタイプのようであったが、予想に反して反応がよく、松子やスミ子の客をも取り込んで、1ヵ月後にはナンバーワンになる。
浅野 輝彦(あさの・てるひこ)
「白夜」従業員。床磨きなどを行っていた。仕事振りはまじめだが、寡黙な人物。スミ子が店を辞めると同じタイミングで店にこなくなる。店をやめたあと、スミ子と付き合っていたが、覚せい剤に手を出してしまい、スミ子を殺害してしまう。
女子刑務所の人物
牧野 みどり(まきの・みどり)
30歳くらい。
覚醒剤使用の罪で服役。そのためか、顔色も悪く、頬が病気のように痩せており、前歯がない。出所して最初にしたいことは「シャブ一発」で、シャブを使いつづけることを決めていたが、仮出所後に亡くなったらしい。
遠藤 和子(えんどう・かずこ)
40歳くらい。結婚詐欺で服役しているが、牧野みどり曰く、「この顔でひっかかる男がいるなんて信じられない」というほどの顔。「世の中最後はカネ」という考えをもっている。牧野みどりとは漫才のような掛け合いになり、みどりのボケにツッコミを入れていた。
真行寺 るり子(しんぎょうじ・るりこ)
40歳くらい。3歳の息子を殺害した罪で服役。生気のない顔立ちをしている。話に参加せず、黙って俯いてばかりいた。なお、原作では刑務所で自殺はしておらず、松子が脱走未遂事件を起こしたときには、仮釈放の審理を終え、社会生活に出るための準備に入っていた。
瀬川(せがわ)
40代半ばくらい。松子が服役していた女子刑務所の保安課課長。規律を破っていないかを見ている。
清水 麻子(しみず・あさこ)
40代過ぎの女性。独身。刑務所の中でも一番の美人。分類課課長。
大川第二中学の人物
田所 文夫(たどころ・ふみお)
大川第二中学校校長。校長在任時50歳。松子を不幸と転落の人生へと導いた最大の元凶。のちに県議会議員になり、龍洋一が服役していた刑務所の視察にもくる。松子と佐伯俊二との関係を疎ましく思っており、修学旅行の下見で松子に淫らな行為(
レイプ未遂事件)をする。この件で確執が生じ、後に起きる現金盗難事件で松子に辞職願いを出すように言いつける。1987年9月、自宅前で龍洋一に射殺される。一方では、孫娘を親代わりに面倒を見ていたという一面も持っていた。
杉下(すぎした)
大川第二中学校教頭。現金盗難事件で罪を被った松子に対して、事件そのものがなかったように工作しようとしたが、旅館側からの電話で工作が裏目にでてしまう。挙句、自分の立場を考えて、校長の前では手のひらを返して松子がやったように証言し、松子のその後の運命を決定づける引き金を引いた。
佐伯 俊二(さえき・しゅんじ)
大川第二中学校で3年1組の担任を勤めていた。独身。松子が教師をしていた当時26歳。笑い声は隣のクラスに聞こえるほど大きい。松子とデートの約束をするなど仲がよかったが、現金盗難事件を機に関係は急速に冷えていき、最後は完全に無視を決め込んでいた。原作では小柄な体つきとされているが、映画・ドラマともに長身の俳優がキャストされた。
金木 淳子(かなき・じゅんこ)
佐伯俊二が担任をしていた3年1組の生徒。松子とはよく話をする関係だった。当時、龍洋一のことを思っていた。
藤堂 操(とうどう・みさお)
保健室の職員(養護教諭)。40代。生涯独身を決意している。現金盗難事件の際に、その場を取り繕おうとした松子に財布から金を取られてしまう。松子が龍洋一から取り上げた成人雑誌を食い入るように見つめていた。
その他
大倉 脩二(おおくら・しゅうじ)
年齢は明かしていない。松子の部屋の隣に住んでいたが、話したこともなく、松子のことをよく思っていなかった。何かと笙にちょっかいを出す。湘南ではちょっとした顔になっているサーファー。映画とドラマでは松子と同じアパートに住んでいるという設定を残し、風貌や職業は大きく変更された(映画では
ヘヴィメタルロッカー、ドラマでは無精髭のフリーター)。
前田 継男(まえだ・つぐお)
「マエダ不動産」主人。自称旭町商店街のお祭り男。
汐見(しおみ)
松子殺しの犯人を探しているベテラン刑事。登場するのは龍洋一の写真を持ってアパートに来たときのみ。
後藤(ごとう)
汐見とともに松子殺しの犯人を探している若手刑事。サングラスにジーンズという変わったいでたちをしている。以降事件の進展があったとき、笙に連絡している。
島崎(しまざき)
沢村めぐみの運転手。めぐみからの質問に即答している。
書籍

嫌われ松子の一生(2003年1月16日、
幻冬舎ISBN 4344002857


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:31 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef