3つの都市が互いに姉妹都市提携を結びあっている場合もある(例を挙げれば、金沢市と蘇州市と全州市や、奈良市と太宰府市と多賀城市は互いに姉妹都市である。ただし提携開始の時期はそれぞれ異なっており、意図して実現したものではない)。
自治体国際化協会では、統計・整理上の基準として
両首長による提携書があること
交流分野が特定のものに限られないこと
交流するに当たって、何らかの予算措置が必要になるものと考えられることから、議会の承認を得ていること
の3要件をすべて満たすものを「姉妹(友好)自治体」として扱っている[4]。
当事者は「都市」に限定されず、また基礎自治体(日本の市町村レベル)だけでなく広域自治体(日本の都道府県レベル)の提携関係も含まれ得る。ただし、日本では広域自治体(都道府県)の姉妹・友好関係は外国の州・省などとの国際交流が中心となっており、国内都道府県の間では岐阜県と鹿児島県(1971年姉妹県盟約)[5]、兵庫県と沖縄県(1972年友愛交流提携)[6]などごく少数に留まっている。
名称英国・ウェールズのRoss-on-Wye市の入口を示す看板。姉妹都市(twin towns)の名が記されている。
都市間の提携には「姉妹都市」のほか、「兄弟都市」、「双子都市」、「パートナー都市」、「友好都市(友好城市)」などの名称のものもあるが、論文や統計では実質的な意味でこれらも「姉妹都市」に含めることがある[1](本項も含めている)。 姉妹都市の関係を意味する各国の言語ごとに表現は次の通りである。 国・地域言語表現備考
「姉妹都市」という名称
アメリカ英語sister city[7]「姉妹都市」に相当する
アメリカスペイン語ciudad hermana[7]「姉妹都市」に相当する
イギリス英語twin city[7], twin town「双子都市」に相当する
イタリアイタリア語citta gemellare[7]、comune gemellato、gemellaggio「双子都市」に相当する
オーストリアドイツ語Schwesterstadt[7]「姉妹都市」に相当する
スペインスペイン語ciudad hermana[7]「姉妹都市」に相当する
台湾中国語?妹城市[8]「姉妹都市」に相当する
ドイツドイツ語Schwesterstadt[7]「姉妹都市」に相当する
ドイツドイツ語Partnerstadt[7]「パートナー都市」に相当する
韓国朝鮮語?? ??「姉妹都市」に相当する
中国(本土)中国語?妹城市、姐妹城市「姉妹都市」に相当する
日本日本語姉妹都市
ポルトガルポルトガル語cidade irma[7]「姉妹都市」に相当する
ポルトガルポルトガル語Geminacao de cidades「双子都市」に相当する
フランスフランス語ville jumelee[7]「双子都市」に相当する
ロシアロシア語города-побратимы[7]「兄弟都市」に相当する
「姉妹都市」と「友好都市」姉妹都市カンタラーナ(イタリア)とシャントレーヌ
自治体提携には「友好都市」(英語: friendship city)という表現が使用される場合もあり、「姉妹都市」と併用されることもある。「姉妹都市」と「友好都市」の違いについても明確で統一された基準があるわけではなく、
表現が違うのみで、提携の内容に実質的な違いはない
「姉妹」ではどちらが「姉」でどちらが「妹」か、つまりどちらが上位にあるかという議論を避けるため
提携の範囲や深さ、形態などに相違がある場合に使い分ける
分野を問わない交流を「姉妹都市」とするのに対して、特定の分野での交流を「友好都市」とする
自治体(行政)主導の「姉妹都市」に対して、市民主導の交流を「友好都市」とする
「友好都市」よりも密接な関係として「姉妹都市」を位置づける
といったように、運用もまちまちである。全米国際姉妹都市協会では米国国内での sister cities(姉妹都市)と friendship cities(友好都市)の相違について、たいていの場合「姉妹都市」と「友好都市」との違いはないが、違いのある場合には「姉妹都市」に比べて範囲の限られた交流に「友好都市」が使われる傾向がある、としている[9]。 地理的・政治的に隔たった都市と都市との提携関係は古くからある。「最古の姉妹都市」として、中世の836年までさかのぼるパーダーボルン(ドイツ)とル・マン(フランス)が挙げられたり[10]、1893年のニューバーン(アメリカ)とベルン(スイス)が挙げられたりするが[11]、今日的な意味での姉妹都市運動がはじまるのは第二次世界大戦以後である。
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