女?
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日本でも仏教側の立場から編まれた神道論集の一つである『諸神本懐集』(14世紀)では女?の本地は宝吉祥菩薩(勢至菩薩・月天子)であるとのの時代の説が収録されている[9]

女?と伏羲の組み合わせが地上のはじめの男女であるという定義は中国の民間宗教にも広く用いられており、『龍華経』でも人間たちの祖先としてつくりだされた世のはじまりの陰陽一対の存在の名として張女?と李伏羲[10]という名が記されている。
日本への伝来時期

日本における文献への登場例は、『続日本紀』(巻3)慶雲3年(706年)11月3日条に、文武天皇新羅国王に対し、「漸無練石之才」と女?による錬石補天を引用した文書を送っていることから、少なくとも律令時代には認識されていたことがわかる。

道教に組み込まれた上での女?・伏羲についての信仰が日本に渡来した時期に関しては、早い時期で紀元前1世紀弥生時代中期)説がある。鳥取市の歴史研究家の小坂博之の考察によれば、鳥取県国府町所在の今木神社が所有する線刻された石に描かれた胴が長い人絵が女?・伏羲に当たるとしている(石の大きさは、直径75センチ、短径63センチ)。調査によれば、「鳥」「虎」と読める漢字も刻まれており、その書体から中国山東省に残る「魯孝王刻石」(紀元前56年成立)にある「鳳」の中にある鳥が最も酷似し、隷書体の中でも古い時代にある古隷の書体と考えられている。『淮南子』(前2世紀成立)では、「鳥」は無道・殺りくの神を表し、「虎」は兵戦の神を表している。このことから、「天地再生・人類創造の神である伏羲と女?に祈り、兵戦の神(虎)と無道・殺りくの神(鳥)を遠ざけ、災厄の除去を願ったもの」と解釈されている(しかし、この神の性格が兵戦の神(虎)と無道・殺りくの神(鳥)である可能性も考えられる)。刻石自体が亀甲と形状が類似することから、甲を用いた占いと共通し、『淮南子』の知識を有したシャーマンか王が用いたと考えられている[11]
ギャラリー

『山海経』図絵全像版の女?の挿絵(明代)

女?補天の像(広東省深?市海上世界

封神演義』に登場する女?娘娘のレリーフマレーシアペラ州

脚注[脚注の使い方]^ a b 袁珂 著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社、1993年 108-115頁
^ a b 袁珂 著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社、1993年 130-136頁
^ a b 袁珂 著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社、1993年 409頁
^ 聞一多 、〈訳註〉中島みどり 『中国神話』 平凡社東洋文庫〉1989年 12-22頁
^ “創世神話(5) ─ 女?―中国の創生女神─”. older.minpaku.ac.jp. 2022年1月23日閲覧。
^   (中国語) 太平御覽/0078, ウィキソースより閲覧。 
^ a b 松村武雄 『中国神話伝説集』 社会思想社 1976年 54-57頁 ISBN 4-390-10875-1
^ 聞一多 、〈訳註〉中島みどり 『中国神話』 平凡社東洋文庫〉1989年 87-97頁
^ 大隅和雄 編 『中世神道論』日本思想大系19巻 岩波書店 1977年 203-205頁
^ 沢田瑞穂 『校注 破邪詳弁』 道教刊行会 1972年 170頁
^ 『月刊 文化財発掘出土情報 1999 9 通巻208号』 (株)ジャパン通信情報センター ISSN 0287-9239 pp.88 - 89

参考文献

袁珂 著、鈴木博 訳『中国の神話伝説』上、青土社、1993年

聞一多 、〈訳註〉中島みどり 『中国神話』 平凡社東洋文庫〉1989年

白川静『中国の神話』

陳舜臣『中国の歴史(一)』

淮南子』?「説林篇」

淮南子』?「覧冥篇」

山海経』?「大荒西経」

楚辞』?「天問

説文解字

太平御覧』?巻七八『風俗通』引用

『繹史』?巻三『風俗通』引用

博雅』?『世本』引用

帝王世紀

関連項目ウィキメディア・コモンズには、女?に関連するカテゴリがあります。

盤古 - おなじく原初に関する伝説をもつ。

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女? (小惑星) - 小惑星群のなかのひとつ。

兄弟姉妹婚

ヤブユム

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風后(中国語版) - 古代中国の一族で、伏犠から連なるとされる風族の長、黄帝の宰相・軍師を務めたが、蚩尤との闘いで命を落とし、?城県にある風陵渡(中国語版)に埋葬される。

女禍 - アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のスピンオフ二次創作として作られた自主アニメ作品。女?が登場する。










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