契約
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どのような内容の契約を締結してもよいという自由である[15]

契約方式の自由
どのような方式で契約を締結してもよいという自由である[15]欧州においては中世まで方式主義が支配していたものの、商品交換経済の発達とともに17世紀には方式の自由が確立されたという[16]
修正

資本主義の発展とともに社会的な格差が大きくなると、国家によって契約自由の原則の修正が図られるようになった[17]

契約締結の自由の制限公共的事業や独占的事業などにおいては契約締結の自由が制限される(締約強制・締結強制・契約強制)[17][18]。締結の自由には種々の制限があり[19]、日本法における契約締結の自由の制限は次のようなものがある。

承諾の制限

公法的制限
電気ガス等の事業者には供給義務(電気事業法18条、ガス事業法16条、熱供給事業法13条、石油パイプライン事業法22条)、道路運送や海上運送の事業者には引受義務が定められており(道路運送法13条、海上運送法12条)、いずれも承諾の自由が制限されている。

公共的制限
公証人は正当の理由がなければ嘱託を拒否できない(公証人法18条)。

公益的制限
医師歯科医師などには応召義務がある(医師法19条、歯科医師法19条、薬剤師法21条、保健師助産師看護師法39条)

私法的制限
借地借家法農地法などでは賃貸借契約の更新拒絶・解約が制限されている[19]

申込みの制限
契約の相手方として特定の者を排斥することが許されない場合(労働組合から脱退することを雇用条件とすることを不当労働行為として禁じた労働組合法7条1項など)と契約の相手方として特定の者のみが許される場合がある(労働組合法7条1項のクローズド・ショップなど)[20]
なお、契約締結の自由の制限は必然的に相手方選択の自由の制限を伴うことになる[17]

相手方の選択自由の制限
採用において労働組合の組合員であることを要件とする労働組合法クローズド・ショップ(労働組合法7条1項)などがこれにあたる。

契約内容決定の自由の制限契約内容決定の自由の制限としては、次のようなものがある。

付合契約
付合契約(付従契約)とは、電気・ガスの供給契約、保険契約や預金契約のように、契約当事者の一方によってあらかじめ作成した約款を用い、他方はそれ以外に契約内容を選択する自由をもたず締結される契約である。現代では契約当事者のうち経済的に優位に立つ側が一方的に契約条項を作成する付合契約が発達している[21]

経済的弱者の保護
労働法経済法社会法の分野では契約内容決定の自由は制限されており[17]雇用契約不動産賃貸借契約などに関する規定は、労働法の各法、借地借家法や農地法などの特別法により強行法規化している[12]。また、消費者保護の観点から契約内容の自由が制限されている場合がある[17]。 日本法では、消費者保護基本法食品衛生法医薬品医療機器等法消費生活用製品安全法不正競争防止法特定商取引法製造物責任法などによるものである。


契約方式の自由の制限契約方式の自由にも制限がある。例えば、贈与契約は日本法では諾成契約であるが、諸外国では要式契約とされることが多く、ドイツ民法やフランス民法では公正証書が必要とされる[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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