契約の箱
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しかし、ソロモン王の時代には、十戒を記した石板以外には何も入っていなかったと伝えられている[7]

荒野をさまよっていた時代には祭司たちが担いで移動させていたが、ヨシュアの時代以降は、主にシロ幕屋至聖所に安置される。サムエル(紀元前11世紀の人物)を養育した大祭司エリの時代には、ペリシテ人によって奪われるが、ペリシテ人を災厄が襲ったため、彼らはこの箱をイスラエル人に送り返す[8]。また、ソロモン王(紀元前925年没)の時代以降は、エルサレム神殿の至聖所に安置される。

ソロモン王の死後、統一イスラエル王国は、紀元前930年頃に分裂した。南のユダ王国は、ユダ族ベニヤミン族から構成されており、北のイスラエル王国は、それ以外の十部族からなっていた。しかし、アッシリア帝国が勃興すると、紀元前722年に、北のイスラエル王国は滅ぼされてしまった。その後、ユダ王国は、アッシリアに服属する形で存続していたが、紀元前609年にはエジプトの支配下に入り、 紀元前586年に、ネブカドネツァルによって、エルサレム全体とエルサレム神殿が破壊され、支配者や貴族たちは首都バビロニアへと連行されること(バビロン捕囚)となった。その際に、契約の箱の行方はわからなくなり、現在に至っている。

レビ族は、ヤコブの子レビを祖とするイスラエルの部族(氏族)の1つである。レビはヤコブの12人の子供の1人であるが、祭司の一族として特別な役割を与えられ、継承する土地を持たなかったため、レビ族はイスラエルの十二支族には数えない[9]。レビ人は、全国に居住の町を与えられて、そこに住んだ。そして、レビ人は、祭司の奉仕の報酬として奉納物の十分の一が給付された。古代イスラエル王国が誕生すると、神殿が建設されて、レビ人の神殿礼拝は政治と結びつくようになる。その後、イスラエル王国が北イスラエル王国南ユダ王国に分裂してからも、レビ人はダビデ家に忠誠を尽くしていた。北イスラエルに居住していたレビ族は、南ユダに移住し、南ユダ滅亡まで続いた。契約の箱の下部には2本の棒が貫通しており、移動するときには、レビ族が肩にかつぎ、鐘や太鼓をならして騒ぎ立てた。しかも、かつぐための2本の棒は、絶対に抜いてはならなかったように、棒を差し込んだまま保管されていた[10]

『聖書』ではヨシヤ王(紀元前609年没)の時代に関する『歴代誌下』 35章3節の契約の箱の記述を最後に、比喩的に用いられる以外に直接言及される部分はなく、失われた経緯についても不明である。このことから、失われた聖櫃(The Lost Ark)と呼ばれることもある。

現在、聖櫃(契約の箱)を保持しているとエチオピアエチオピア正教会)などが主張している。
関連項目

レイダース/失われたアーク《聖櫃》 (インディ・ジョーンズ シリーズ)

脚注^ ダニエル・スミス『絶対に見られない世界の秘宝99』日経ナショナルジオグラフィック社、2015年、192頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-86313-324-2。 
^ “ ⇒“契約の箱”アークがもつスーパーパワー”. ナショナル ジオグラフィック日本版. 2018年3月3日閲覧。
^主神我が救世主イイススハリストスの神現祭 - 正教会の祈祷書。「イイススナワィンの記の讀。(三章)」の部分。「イイススナワィンの記(三章)」はヨシュア記(3章)のこと。(日本語)
^出エジプト記』 40:2-3
^ 『出エジプト記』 25章
^ヘブライ人への手紙』 9:4, 『出エジプト記』 40:20, 16:33-34, 『民数記』 17:10, 『申命記』 10:2
^歴代誌下』 5:10
^サムエル記上』 6章
^ 中川健一 (2003). 日本人に贈る聖書ものがたり族長たちの巻. 文芸社. pp. p.612. ISBN 9784835558516 
^日本とヘブライの共通点 ver.2.0










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