奈良県各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
)平年値気温の年較差・日較差の大きいいわゆる内陸性気候で、奈良における年平均気温は14.6°Cと全国の気象官署の中でほぼ平均的な気温である。降水量は年間を通じて1333.2mmと比較的少なく、奈良盆地(奈良市・橿原市などの地域)では冬型の気圧配置が強い時や、南岸低気圧が紀伊半島沖を通過した時に雪雲が流れ込むことがあり、積雪することもあるが、全体的にみると降雪の観測日数は多くない(年平均23.3日)。10cm以上の積雪となる時は殆どが南岸低気圧の通過によるものである。一方、五條地域・吉野地域・宇陀地域などは降雪・積雪に見舞われることがあり、天川村・上北山村にはスキー場も存在する(大阪市から津市以南の近畿では両村だけ)。これらの地域では積雪が交通に影響を与えており、奈良県の道路政策には「雪害対策」の文言が含まれている。また温帯である。
気象は一般的に瀬戸内海式気候に属する北部(基準地は奈良市)と太平洋側気候に属する南部(基準地は吉野郡十津川村風屋)に大別される。天気予報では北部と南部に分けて発表される。
さらに北部を北西部(基準地は奈良市で狭義の奈良盆地の地域)、北東部(基準地は宇陀市で、山辺郡・宇陀市)、五條・北部吉野(基準地は五條市で、旧大塔村の地域を除く五條市域と、吉野郡3町)と二次細分区分として3分割している。
南部は南東部(基準地は吉野郡上北山で、宇陀郡・吉野郡の大峯山系東側の地域)と南西部(基準地は十津川村風屋、五條市のうち旧大塔村の地域・十津川村・野迫川村)と2分割している。
県内は典型的な盆地気候であり、夏場はかなり蒸し暑い。最高気温25°C以上の夏日は奈良と五條がほぼ全日のうち60日間となっており、県内では最も多い。しかし2005年7、8月における最高気温では十津川村風屋の37.3°C、上北山の37.0°C、五條の36.7°C、奈良の36.2°Cと昼間の気温に関しては、十津川村風屋と上北山のほうが、奈良や五條よりも高くなることがしばしばみられ、かなりの酷暑になるために近畿地方で最も気温が高いこともある。また奈良盆地は、強い日射で地表と上空との温度差が大きくなりやすいことや紀伊山地、生駒山地、金剛山地、笠置山地に高温多湿の気流がぶつかることでも大気が不安定となるために、かなり頻繁に積乱雲(雷雲)が発生して夕立が起きやすい。奈良の夏季(5、6、7、8、9月)における平均雷日数は17.2日で、豊岡(兵庫県)の16.9日、京都の15.9日、彦根(滋賀県)の14.6日を上回る多さである。