失楽園_(渡辺淳一の小説)
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自宅でタイル[注 1] に模様を考えて絵を描くデザイナーのような仕事をしている。夫婦で働いていることから経済的には、それなりに余裕のある生活をしている。真面目で控え目な性格だが内心、結婚当初から仕事重視の久木に不満を持ち続けている。
知佳
演 - 木村佳乃久木の娘。徹と結婚し、現在は親元を離れて暮らしている。詳細は不明だが普段は白衣を着る仕事をしている。作中では何度か実家に帰って両親と会っているが、2人のやり取りから夫婦仲の変化を感じ取り思い悩む。
徹(とおる)
演 - 村上淳知佳の夫。知佳と2人で暮らしており、現在は子作りについて夫婦で考えがまとまっていない状態。メガネをかけて髪の毛を後ろで縛っている。正月に知佳と共に久木家にやって来て、4人で近くの神社に初詣に訪れる。
凛子の関係者
松原晴彦
演 -
柴俊夫凛子の夫。医学部の学究であり、凛子の養父が心臓の発作で倒れた際は治療に手を尽くすなど医療に対しては真摯に取り組んでいる。生真面目だが堅物で嫉妬心も強い。凛子とは一応夫婦の会話はあるものの夜の営みはほぼない状態。チーズが好きで特にエポワスを好んで食している。
三浦節子
演 - 岩崎加根子凛子の母。凛子が幼い頃に最初の夫が蒸発し、その後再婚。二番目の夫は優しい性格で、凛子にも実子同然に愛情を注いでいた。劇中で二番目の夫を亡くし、葬儀後凛子に晴彦を大事にするよう助言する。
今井美都里
演 - 金久美子凛子の高校時代からの友人。凛子のことを「りん」と呼んでいる。フランス人の夫と離婚したばかりで、現在はハーフと思われる小学校低学年くらいの息子と2人暮らし。アパレルショップのディスプレイに関わる仕事をしている。
久木の同僚たち
鈴木
演 -
小坂一也調査室の中年社員。皆久木と同じく忙しい部所から異動してきたらしく、忙しかった頃のことを懐かしむ。調査室の同僚たちとは、日頃から仕事や恋愛などについてざっくばらんに語り合っている。
横山
演 - あがた森魚調査室の中年社員。趣味は将棋で村松と対戦している。自身を含めた同僚社員は特に重要な仕事を任されておらず地味な作業をしているだけで暇を持て余している。調査室の飲み会で秀子に、「4人の中年男性の中で一番モテそうなのは誰か?」を尋ねる。
村松
演 - 石丸謙二郎調査室の中年社員。調査室では唯一ケータイを所有し[注 2] 最近出張が増えた久木に浮気を疑う。職場では、どくだみ茶を「うまくない」と思いながらも健康のために飲んでいる。
宮田秀子
演 - 原千晶調査室の若い女性社員で紅一点。仕事はもっぱらお茶くみと、手動の鉛筆削り器で鉛筆を削る作業。飲み会で横山たちと不倫の話題になり、不倫に必要なものを尋ねられて「体力」と答える。
久木と関わるその他の人
衣川和記
演 -
寺尾聰久木の友人。詳細は不明だが水口とも親しい仲。カルチャーセンター勤務で、以前久木に講演を依頼したことで凛子と出会うきっかけを作った人物。久木とは時々会って食事をしながら近況を報告し合い助言するなどしている。現在お目当ての女性はいないが、最近無性に女性と恋がしたくなったと久木に打ち明ける。
小畑常務
演 - 中村敦夫出版社で働く久木の上司。久木と凛子に関する身上書の手紙(久木が凛子に一方的に好意を抱き、言葉巧みに近づいて強引に関係を迫ったなどと悪く書かれている)が会社に届いたため、彼に事実確認する。
水口吾郎
演 - 平泉成出版社の編集長で、前任の久木の後を引き継いだ。久木と似たような仕事人間。他の会社に転職することになり久木に報告するが、その矢先体調を崩してしまう。趣味は俳句で中でも正岡子規の句を気に入っている。
水口雅代
演 - 速水典子水口が入院した時に、病院に見舞いに訪れた久木と会話する。
製作

映画化は『日本経済新聞』連載開始から間もない1995年秋に決定[7][8][9]1985年の『ひとひらの雪』の製作を切っ掛けに、渡辺淳一とプライベートな付き合いが生まれた岡田茂東映社長が[7][10][11]、その後の渡辺作品もほぼ独占的に東映で製作し[4][7][10][12]、安定した成績を続けていたことから[7][13]、『失楽園』も最初は東映単独で製作を予定したが[4][14]、「東映で作っても普通の数字しか達成できないだろう」と岡田が判断し[4][14]角川歴彦が「ウチで作らせてくれ」と頼んで来たこともあり[4][15]角川映画部に全部任せた[4][14][15]。岡田は「ウチでやったらあんなに当たらない。角川は出版という宣伝メディアを持っているから」[15]、「角川君(角川歴彦)は兄貴(角川春樹)じゃなく、俺がやるんだという必死感が凄かった」と褒めた[15]

製作総指揮は角川歴彦で、角川書店、東映、エースピクチャーズ(現:アスミック・エース)、日本出版販売三井物産が製作、東映が配給を担当した[7]。角川書店は社長の角川春樹が1993年8月に大麻取締法違反で逮捕され[16]、角川書店の社長を解任されて弟の角川歴彦が角川書店社長に就任した[4]。角川春樹がオーナーだった映画製作部門の旧角川春樹事務所は角川書店が1994年に吸収合併し、映画事業からはほぼ撤退したと周囲から見られていた[16]。しかし1995年11月、角川書店が洋画配給の老舗・日本ヘラルド映画系列の映画会社・ヘラルド・エースを事実上の買収をしたときから[16]、映画事業に再度乗り出すだろうと認識された[16]。これは角川春樹が1995年に角川書店の持株を売却し、角川書店と袂を分かち、その資金を元に同年3月に現・角川春樹事務所設立したための角川歴彦の対抗措置ではといわれた[16]。映画製作の怖さをよく知る角川歴彦は当初は「実写は難しい」と話し、アニメを柱とした製作を考えていたとされるが[4][16]、本作『失楽園』を新生角川映画の第一作として実写映画の製作に乗り出した[16][17]


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