失明
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失明した者からの視点は、「ぼやけた白世界で深い霧の中にいる」という感覚である。
失明の原因と疫学

世界の失明の原因は、2010年度のWHOのデータでは以下のようになっている[2]

白内障(51%)

緑内障(8%)

加齢黄斑変性:AMD(5%)

角膜混濁,(4%)

トラコーマ(3%)

幼少期の失明(3%)

糖尿病網膜症(1%)

原因不明(21%)

日本における失明の原因の1位は緑内障である[3](さらに詳しい、原因と統計のデータは、視覚障害者のページの原因と統計の項を参照。)。欧米においては加齢黄斑変性が最大の原因となっている[4](2014年現在)。

幼少期の失明に関しては、サブサハラなど後進地域を中心にビタミンAの不足などの栄養不良が原因となる例がある[5]。視覚障害者の約90%は発展途上国に居住している[6]先進国の主な失明原因は、加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病網膜症である[7]

WHOは、2012年には全世界におよそ2億8500万人の視覚障害者が存在し、うち完全な失明状態にある者は3900万人にのぼると推定している[6]。また、視覚障害者の割合自体は減少傾向にあるものの、寿命の伸びに伴う高齢化の進行によって失明者数は今後増大し、2050年には1億1500万人が失明状態になるとの推定も存在する[8]。日本においては、2009年の段階で視覚障害者が約164万人、うち完全な失明者が18万8000人にのぼると推定されている[9]
半盲と半側空間無視の違い

脳卒中などの後天的な脳の障害によって、左右どちらか半分だけの認識が上手くゆかない半側空間無視という状態を生ずることがある。半側空間無視があると、あたかも片目が見えていないようにも感じられるかもしれない。しかしながら、半側空間無視と、片目だけが失明した状態である半盲とは、全く違った状態である。半盲は、あくまで片目の視力が失われているだけであって、視力のある方の目を使えば左右どちら側も見て認識することが可能である。半盲であっても、半側空間無視が無ければ、たとえ視力の無い目でないと見えないような場所であっても、例えば、その場所が首を動かして視力のある側の目の視野に入るようにすることによって、その場所を見て、そして脳はその場所にある物を認識することができる。これに対して半側空間無視の場合は、仮に両目の視力や視野に一切の問題がなくとも、左右どちらかの認識が難しいのである。半側空間無視がある患者の場合、無視のある側も見えているはずなのだが、脳が上手く認識できないのである。なお、認知症などが無く、自身に半側空間無視があることを患者が充分に理解できた場合、半側空間無視が改善するといったことも起こり得る。当然ながら、半盲の場合は、たとえ患者の知能がどれだけ高くとも、失明した側の目で物を見て認識することは不可能である。
出典^ “第2 障害等級認定の基準 (エ)”. 眼(眼球及びまぶた)の障害に関する障害等級認定基準. 厚生労働省 (2004年6月4日). 2016年3月25日閲覧。
^GLOBAL DATA ON VISUAL IMPAIRMENT 2010page number 3 閲覧.2015-11-30
^「緑内障統合的分子診断法の確立と実証行政効果報告」>行政効果報告>その他行政的観点からの成果(2014年 厚生労働科学研究成果データベース) 閲覧.2015-11-30
^患者由来iPS細胞を用いた加齢黄斑変性の病態解明・治療法の開発研究 2014年 厚生労働科学研究成果データベース) 閲覧.2015-11-30
^ “ビタミンA欠乏症”. unicef. 2018年4月13日閲覧。
^ a b “Visual impairment and blindness Fact Sheet N°282” (2014年8月). 2015年5月12日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2015年5月23日閲覧。
^ Bunce, C; Wormald, R (2006). “Leading causes of certification for blindness and partial sight in England & Wales”. BMC Public Health 6: 58. doi:10.1186/1471-2458-6-58. PMC 1420283. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}PMID 16524463. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1420283/. 


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