日光には可視光線の青色光、紫外線、赤外線が含まれるため、肉眼で直接太陽を観測すると日食網膜症を引き起こし、網膜のやけどや後遺症、失明の危険がある[78][79]。観察には日食グラスや太陽観測専用の遮光フィルターなどの専用の器具を使用する(すすのついたガラスや黒い下敷き、カラーネガフィルムによる減光では不十分とされている)。太陽の位置を瞬間的に肉眼で確認してから、グラスやフィルターを目に当てる方法では、網膜のやけどによる影響が蓄積される(そのため、先にフィルターに目を当ててから、観測をはじめるように勧告されている)[80]。
望遠鏡や双眼鏡を使用する場合には、太陽投射板に太陽像を投射する方法、対物レンズの前にフィルターを装着する方法の他[77]、(不適切な導入によって事故の危険があるが)接眼レンズに専用のサングラスを装着する方法や、サンプリズムで減光した後に接眼レンズに専用のサングラスを装着する方法もある[81]。
上記のように適切な専用機器を使って正しい観測方法を行ったとしても、長時間の観測によって日食網膜症を引き起こすこともあり、1分観測するごとに2?3分程度の休憩を取ることが最良かつ最適だとされており、市販されている日食グラスにもその旨の警告が記されている[77]。
太陽光は赤外線もかなり強力で、分厚い雲に覆われて肉眼では太陽が見えない場合でも、デジタルカメラなどでは雲越しに写る事が多い。黒点の極大期にはピンホールカメラで黒点観測ができる事もある。ピンホールカメラと同じ理屈で、日食時の木漏れ日は欠けた太陽の形になる。
太陽望遠鏡詳細は「太陽望遠鏡」を参照
光量が非常に多く、しかも観測目標が光球表面の見かけ上微細かつ変化が激しい現象である太陽観察には、特別な望遠鏡が開発された。一般的には、焦点距離が長く拡大率を高められ、収差を小さくするためにF値が30以上のものに、分散性能が高い分光器が求められる。これらを満たす装置は大型になるため、太陽を追尾する部分・集光部分・分光部分が独立していることが必須となる[82]。
これらを満たすものとして、追尾部分は「シーロスタット式」や「ヘリオスタット式」、反真空望遠鏡では「タロット式」が採用される。太陽観測は日中であるため夜間より大気の揺らぎが大きく、シーイング向上を目指した設置場所や方法も工夫が必要となる。高地や、海や森林などで囲まれた場所がよく選ばれるが、初期には太陽塔望遠鏡のような構造物の上に設置された。太陽観測用では、1998年にサクラメントピーク天文台で初めて設置された補償光学も、シーイングに成果をもたらしている[82]。
日震学太陽内部の定在波。太陽内部では音速が場所により変化することから音波は屈折し、光球面近くで反射するため内部に閉じ込められて定在波となる。詳細は「日震学」を参照
太陽内部では乱流的対流とともに音波的波動(太陽の固有振動)が存在し、この2つが表面の運動速度場を決定している。太陽光、特に吸収線のドップラー効果から、光球表面の各部分についてこれを知ることができる[21]。これは1960年にアメリカのロバート・レイトンらが粒状斑を観察する中で発見したもので、「5分振動」と呼ばれる。これは当初、太陽大気の局在が原因と思われたが、1970年代にpモードと呼ばれる太陽が持つ固有の振動が原因と判明した。太陽光球上で非常に目立つ[20]5分振動は、量子力学で扱われる球面調和関数で記述できる、量子数が異なる様々な音波の固有振動が重なり合った結果だった。この理論は可視光で観察不能な太陽内部を調査できるために注目され、また地球内部を地震波で調査する手段と基本的に同じであるため、「日震学」(helioseismology) と呼ばれる[83]。