太陽
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地球も含まれる太陽系の物理的中心[8]であり、太陽系の全質量の99.8 %を占め、太陽系の全天体に重力の影響を与える[9]

太陽は属している銀河系の中ではありふれた[8]主系列星の一つで、スペクトル型はG2V(金色)である[10]。推測年齢は約46億年で、中心部に存在する水素の50 %程度を熱核融合で使用し、主系列星として存在できる期間の半分を経過しているものと考えられている[11]。なお、内部の状態については未解明な部分が多く、後述する「標準太陽モデル」によって求められているのが現状である。

また、太陽が太陽系の中心の恒星であることから、任意の惑星系の中心の恒星を比喩的に「太陽」と呼ぶこともある[12]
概要と位置

太陽の半径は約70 kmで直径約140万 kmとなり地球の直径の約109倍の大きさである。質量(太陽質量)は地球の約33.3万倍にほぼ等しい約1.989×1030 kg[11]であり、太陽系の全質量の99.86 %を占める[13]。平均密度[3]は水の1.4倍であり、地球の5.5倍と比べ約1/4となる[11]

太陽が属している銀河系では、その中心から太陽までの距離は約2万5千光年であり、オリオン腕に位置する[14]地球から太陽までの平均距離は約1億4960万 km(約8光分19光秒)である。この平均距離は地球太陽間距離の時間平均と考えても、地球の軌道長半径と考えてもどちらでも差し支えない。なお、この平均距離のより正確な値は 149597870700 m(誤差は 3 m)で、これを1天文単位 (au) と定義する[15][16][17]。なお、2012年8月の国際天文学連合 (IAU) の決議で 1 au の値は誤差 ±3 m を除いて正確に 149597870700 m であると再定義された[18]。この距離を光が届くのに要する時間は8.3であるので、8.3光分とも表せる。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}太陽は銀河系内の軌道を一周するのに約2億2500万から2億5000万年ほどかかるとされており、それを太陽の公転軌道とするならば、太陽の自転軸はおよそ60度傾いている。公転運動ではこと座、ヘルクレス座の方向に向かって移動している。[要出典]

太陽の数値を単位に用いるような場合、それらは太陽を表す記号?をつけて表す[16]。例えば太陽質量ならばM?、太陽光度ならばL?で表示する[6]。時間の基準も、現在は原子時計で決まる1を基底にしているが、かつては地球の自転と公転、人間の視点からすると日の出日の入り季節の一巡を基準に「」や「」を決める太陽暦太陰太陽暦が使われた[16]
構造太陽の構造.mw-parser-output .thumb .image-key{column-count:2}.mw-parser-output .thumb .image-key-wide{column-count:3}.mw-parser-output .thumb .image-key-narrow{column-count:1}.mw-parser-output .thumb .image-key>ol{margin-left:1.3em}.mw-parser-output .thumb .image-key>ul,.mw-parser-output .thumb .image-key>ol{margin-top:0}.mw-parser-output .thumb .image-key li{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}
太陽核

放射層

対流層

光球

彩層

コロナ

太陽黒点

粒状斑

紅炎

太陽はほぼ完全な球体であり、その扁平率は0.01 %以下である。太陽には、地球型惑星衛星などと異なり、はっきりした表面が存在しない[19]

太陽は、中心太陽核)・放射層対流層光球彩層遷移層コロナからなる[20][21]可視光にて地球周辺から太陽を観察した場合の視野角と概ね一致するため、このうち光球を便宜上太陽の表面としている[9]。また、それより内側を光学的に観測する手段がない[22]。太陽半径を太陽中心から光球までの距離として定義する。光球には周囲よりも温度の低い太陽黒点や、まわりの明るい部分であるプラージュと呼ばれる領域が存在することが多い[9]。光球より上層の、光の透過性の高い部分を太陽大気と呼ぶ。プラズマ化した太陽大気の上層部は太陽重力による束縛を受けにくい。このため惑星間空間に漏れ出し海王星軌道まで及んでいる。これを太陽風と呼び、オーロラの原因ともなる[23]

太陽は光球より内側が電磁波に対して不透明であるため、内部を電磁波によって直接見ることができない。太陽内部についての知識は、太陽の大きさ、質量、総輻射量、表面組成・表面振動(5分振動)などの観測データを基にした理論解析(日震学)によって得るしか方法がないのが現実である。理論解析においては、太陽内部の不透明度と熱核融合反応を量子力学により推定し、観測データによる制限を境界条件とした数値解析を行う。よって、太陽中心部の温度、密度などはこのような解析によって得られた数値でありなおかつ推定値でもある。
中心核詳細は「太陽核」を参照

太陽の中心には半径10万キロメートルの核(中心核)があり[20]、これは太陽半径の約2割に相当する。密度が156 g/cm3(およその156倍)であり、このため太陽全体の2 %ほどの体積の中に約50 %の質量が詰まった状態になっている[24]。その環境は2500億気圧、温度が1500万 Kに達するため物質は固体液体ではなく理想気体的な性質を持つ[11]、結合が比較的低い量子論的な縮退したプラズマ(電離気体)状態にある[25]

太陽が発する光のエネルギーは、この中心核においてつくられる[26]。ここでは熱核融合によって物質からエネルギーを取り出す熱核融合反応が起こり[11]水素ヘリウムに変換されている。


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