太陽の帝国
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デヴィッド・リーンが映画化を構想し、映画化権所有者を調べるよう依頼したのが『アラビアのロレンス』を敬愛するスピルバーグだった。結局リーンによる映画化は果たされず、スピルバーグがメガホンを取ることになった。

主演はオーディションで選ばれたクリスチャン・ベール。ジェイミー(ジム)が初めて日本軍に遭遇する直前、パーティの賓客として原作者のバラードの姿もある。日本人俳優も多数参加し、山田隆夫はオーディションでスピルバーグを前にして「キリストのお墓が日本のお寺にあるって聞いて、実際にそのお寺に行ってお坊さんに『本当にお墓はあるの?』って聞いたら、お坊さんが言ったんです。『イエス、イエス』」とギャグを披露して合格したという[3]

音楽のジョン・ウィリアムズ、撮影監督のアレン・ダヴィオー、脚色のメンノ・メイエス(クレジット無し)などスピルバーグには旧知のスタッフが参加。スタジアムでビクター夫人が亡くなった直後ジムが原子爆弾の光を目撃する一連のシーンを映像化したのは『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『E.T.』にも参加したインダストリアル・ライト&マジックのスタッフで、デニス・ミューレンが指揮しマット画をマイケル・パングラジオが、模型製作をスティーヴ・ゴーリーが手がけた。

本作では、アメリカ映画として第二次世界大戦後初の中華人民共和国でロケが行われた[4]。5,000人余りのエキストラが出演したほか、人民解放軍の兵士が日本陸軍将兵を演じた。

1987年度上映作品に対するアカデミー賞撮影賞作曲賞美術賞衣装デザイン賞にノミネートされたが、全て逃した[5]
ストーリー

日中戦争中の上海。イギリス租界で生まれ育ったイギリス人少年ジェイミー(通称ジム)は、日本の零戦に憧れる少年。だが、1941年12月マレー作戦を皮切りに日英間で開戦し、日本軍が上海のイギリス租界を制圧した際に、避難民の大混乱のなか両親とはぐれる。独りぼっちになった少年は中国人少年に追い回されるが、不良アメリカ人のベイシーに救われる。

生き抜くために空き巣・泥棒などの悪事を重ねるが、日本軍に捕らえられ収容所、そして蘇州の収容所へ送られる。飢えと病気、戦争の恐怖で死や絶望に囲まれ庇護もなく淡々と成育していくジェイミーだが、しだいに収容所の人々との交流の中に生きる知恵と希望を見出していく。一人の無邪気な少年が戦争のもたらす現実に翻弄されながらも、健気に生き抜こうとする姿をありありと描写する。
スタッフ

原作:J・G・バラード

監督:
スティーヴン・スピルバーグ

脚本:トム・ストッパード

製作総指揮:ロバート・シャピロ

製作:スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディフランク・マーシャル

撮影:アレン・ダヴィオー

音楽:ジョン・ウィリアムズ

キャスト

ジェイミー:
クリスチャン・ベール

ベイシー:ジョン・マルコヴィッチ

フランク:ジョー・パントリアーノ

ローリング医師:ナイジェル・ヘイヴァース

ビクター夫人:ミランダ・リチャードソン

ナガタ軍曹:伊武雅刀

特攻隊員の少年:片岡孝太郎

日本兵(上官):ガッツ石松


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