太田光
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太田はこれらの振る舞いや自分の意見を番組で述べることについて「自分は憧れているビートたけしとは別物である」といった思いの表れであることも述べている[24]。ただし、情勢や番組の内容によってはおとなしくしたり真剣に話すなど芸風を使い分けている[33][34]。それゆえに神田愛花からは「太田さんは、本当はいい人なのに盛り上げようとして無理してるのでは?」と指摘されている[35]

漫才で時事ネタを扱う理由として「ネタがつきないから」「社会に対して言いたいことなど何もない」「私のネタにはメッセージなどない。ウケればそれでいい」と述べている[36]。爆笑問題の漫才を「風刺」として捉える見方があることについては、硬軟幅広くネタを取り入れ、且つ太田のボケには下記したとおりナンセンスなものも含まれているため「時事ネタを話題にはしているけれど、ボクらの漫才は1個も社会風刺してないことがわかるよ」とコメントしている[37]

古舘伊知郎は太田のボケを「あたかも意味のある興味深いトークをしているようで、どこまで意味があるの?っていう思いが募った時に、完全にその意味のあるテレビサイズのトークを無意味化する。これって気持ちいいんですよ」と評している[38]

お笑い評論家のラリー遠田は、爆笑問題の漫才における太田のボケには、「シンプルボケ」「毒舌ボケ」「ナンセンスボケ」という3つの種類が存在すると評しており[2]、とくに「ナンセンスボケ」については爆笑問題の漫才の隠し味になっているとし、「毒舌ボケ」よりも高く評価している[3]

フリートークでは「見ている人に嘘をつかない」スタンスをとっており、水川かたまり空気階段)のようにこの姿勢を見習っている芸人もいる[39]
ネタ・小説の創作

漫才のネタ作りは田中や作家を交えて行われており、ネタになるニュースの素材やアイディアの提供は田中や作家が行い、ボケは太田が考え、一通りネタが揃うと後述の通り太田がパソコンでまとめている[5][40]

台本や原稿は一人になってからパソコンを使って書いており、このことが連載の中でネタにされる場合もある[40][41]

自身の小説の作風はカート・ヴォネガットの影響が強いとされ、SFでありながら、社会や政治などあらゆるものを組み込んで茶化していく世界観が共通している[42]。一方でメルカリマガジンに掲載された短編小説『がらくた』のように実体験を元にした作品も存在する[43]

小説新潮1997年12月号では近未来SF短編『終末のコメディ』が掲載されている。内容は原因不明の伝染病が流行した世界で、テレビの中のコメディアンがボケ続け、視聴者に外出することを呼びかけるものである[44]

2010年に刊行された短編集『マボロシの鳥』では寓話や童話、SFなどの要素が散りばめられた9つの物語が収録されている[45]

2012年に刊行された小説『文明の子』では「短編風の形でありながらうっすらと全体の物語がつながっている」構成になっている。これは前作の『マボロシの鳥』の評価が否定的なものが多かったことや一般の読者から長編小説を希望する声が多かったことがきっかけとなっている。東日本大震災福島第一原子力発電所事故後に起こったメディアや表現者が不安や恐怖心を煽る風潮に対し「俺はそういう見方はしたくないな」と思ったことが作品の内容に影響を与え、「文明を肯定しにくい今の状況下で、なんとかポジティブに捉えられないだろうか」「自分の中の思考実験というか、挑戦してみようかな」と感じて執筆したと明かしている[7]

前述の2018年の単独ライブは漫才を一切行わずコントのみで構成しており、台本も太田一人で執筆を行い、完成後に田中に開催の決定とネタの内容を同時に知らせている。このライブでは「病院の待合室」「数字男」「二人の兵士」「医者と患者」「爆チュー問題」が披露され、『文明の子』と同様にそれぞれ別個のコントでありながら一つ一つがストーリーとして繋がっていくスタイルを採用している[6][21]

2023年に刊行された長編小説『笑って人類!』は元々は映画の企画として2年かけてシナリオにしたものをボツにされ、再び2年かけて小説にし直したものであり、コロナ禍になる前には書き終えていた。その後も社長の光代によるチェックなどの2年に渡る手続きが行われており、結果的に計6年もの制作時間がかかっている[46][47]。太田はこの小説について「日本の平和主義は幼稚で世界では通用しないのかもしれないけど、でもシリアスな状況の中で通用してしまったらどうなるんだろう。そんな世界を描いてみたかった」と語っている[48]。また、これとは別に書き留めて保留にしていた小説が存在することがインタビューで明かされており、『笑って人類!』のプロモーションが一段落つき次第そちらの制作に着手する可能性があることを示唆している[49]
主な持ちネタ・ギャグ

一部のフレーズは「新語・流行語大賞のノミネートを狙う」としながら思いつきで乱発していたものであるが、現時点ではノミネートされたことはない。

(中指と人差し指を額につけ、相手に向けて)ピップ2005年頃に行っていたギャグ。『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)でも「私もピップやってみました」というコーナーをつくって、リスナーに流行させようとした。

(親指と人差し指でメガネを作ったあと両人差し指を前に出し)プシュー!

プーライ!その前はプレイ!というフレーズを述べていたが、のちにこれに定着した。

どゆこと!?2010年頃に『笑っていいとも!』でタモリと行ったギャグで、2010年女子中高生ケータイ流行語大賞にもノミネートされた[50]

とても楽スミダ2011年に行なわれていたギャグ。

こっちかんぴょう巻き、この人かっぱ巻き2013年頃に『笑っていいとも!』でタモリと行っていたギャグ。2014年3月26日放送ではこれをベースにした漫才をタモリと行っている[51]

ションベンちびるかと思った?!!2013年頃に行なっていたギャグ。事務所の後輩の日本エレキテル連合もこのギャグをコントで使用したことがある[52]。しかし、流行語大賞を先に獲られてしまうという皮肉な結果になった[53]

はい、こちらポンポコ商事です2015年に『爆笑問題カーボーイ』のコーナー「太田流行語大賞」をきっかけに行っていたギャグ。このギャグを流行させたいため、田中が山口もえと結婚した際にはこの結婚を「ポンポコ婚」と勝手に命名していた。しかし、2016年ごろに太田が「ポンポコ商事は倒産した」と言っていたため、自然消滅した。[54]。同年のガジェット通信主催のネット流行語大賞2015にノミネートされていた[55]。また、『カーボーイ』のリスナーでもある[56]女優の真木よう子が自身のInstagram[57]などで使用したことがある。

替え歌太田が思い付きで述べるもの。これらがきっかけで『爆笑問題カーボーイ』ではリスナーに替え歌を募る「私も卒業歌ってみました」「私も福山歌ってみました」が作られたこともある。「家族になろうよ」(福山雅治)の替え歌で「明日おいらが出てきたときにはお前は誰だ」「いつか坊さんみたいな愉快なハゲた頭で」「15の夜」(尾崎豊)の替え歌で「盗んだパンツで走り出す」「千の風になって」(秋川雅史)の替え歌で「私のお墓にニスを塗らないでください」「私のお墓の前で死なないでください」「TSUNAMI」(サザンオールスターズ)のAメロの替え歌で「酒に戸惑う?」[58]など。

その時々に流行っている楽曲をビートたけし口調で歌うこれは『笑っていいとも!』で木村カエラの「Butterfly」をたけし口調で歌ったことがきっかけで行われているもの。太田曰く「そこそこウケる」という[59]

自作の川柳を『カーボーイ』で発表する第一生命の企画コンクール『サラリーマン川柳』に対抗して行われている。作品のクオリティはファンや相方の田中からも高く評価されている[11][60]

存在しない架空の人物を勝手に作るおさだはるこ(自身が『ボキャ天』で「王貞治」を捩ったダジャレを作ろうとしたが、ダジャレのセンスが全くなかった故に出来たフレーズ)のり山ピー子(2009年に酒井法子の話題が多く報じられた際の漫才で使っていた)すどうまほ(スマホが流行した頃の漫才で多用していた)


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