マテオ・リッチの世界地図『坤輿万国全図』は日本にも伝来し、1698年頃に書かれた渋川春海の『世界図』では北太平洋に「小東洋」と記されている[11]。幕末になりパシフィック・オーシャンの日本語訳である「太平洋」が使われるようになった[11]。 太平洋は赤道を境界として北太平洋、南太平洋と区別されることも多いが、この場合ガラパゴス諸島とギルバート諸島に関しては赤道を南北にまたぐものの南太平洋に属するものとして扱われる[12] 付属海は、北からベーリング海、オホーツク海、日本海、黄海、フィリピン海、東シナ海、南シナ海、スールー海、セレベス海、ジャワ海、フロレス海、バンダ海、アラフラ海、サンゴ海、タスマン海。太平洋には大西洋のような大規模な対流はない。主な海流に黒潮、親潮、カリフォルニア海流、北赤道海流、ペルー海流(フンボルト海流)などがある。海流の作る渦は旋廻渦と呼ばれ、北太平洋旋廻の中心には太平洋ゴミベルトと呼ばれるゴミの海域が広がっている。 最深部はかつてマリアナ海溝のビチアス(ヴィチャージ)海淵 (11,034m) であるとされていたが、その後の測定の結果、この測定値には疑問がもたれており、現在では同じマリアナ海溝のチャレンジャー海淵の10,920±10mが確実な値とされる。これは米国のスクリップス海洋研究所所属のトーマス・ワシントン号および海上保安庁海洋情報部所属の拓洋によって測量された水深値を元に、1992年4月英国で開催された第8回GEBCOオフィサー会議で報告・了承された値である。平均深度は4280メートル、総水量は7.1億立方キロメートルである[1]。 太平洋全体で最も大きい陸塊はニューギニア島である。ニューギニア島は世界で2番目に大きい島でもある。太平洋のほぼすべての小さな島は北緯30°から南緯30°の間、およそ東南アジアからイースター島までの間にある。最終氷期の間、海水面が低くなっていた関係でニューギニア島はオーストラリア大陸の一部だったので、ボルネオ島とパラワン島のくっついたものが一番大きい陸塊だった。 太平洋中央部の島々は、大きくメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの三つに分けられる。 北端のハワイ諸島と東端のイースター島、南端のニュージーランドを結んでできる大きな三角形の中を占めるポリネシアは三つの海域中最も広く、クック諸島、マルキーズ諸島、サモア、ソシエテ諸島、トケラウ、トンガ、トゥアモトゥ諸島、ツバル、ウォリス・フツナ等の群島や島嶼がある[13]。 赤道の北側かつ日付変更線の西側はミクロネシアといい、北西部のマリアナ諸島、中央部のカロリン諸島、西部のマーシャル諸島、南西部のギルバート諸島など、多くの島が存在する[14][15]。
地理潜水艇のトリエステ。1960年1月23日にマリアナ海溝の底へ潜った。
海
水深
陸南カリフォルニアの海岸から太平洋を望む。