太宰久雄
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1998年11月20日金曜日)午後2時15分、胃癌のため東京大学医学部附属病院分院で死去[4][5]。74歳没(享年75)。墓所は台東区蔵前西福寺

『葬式無用。弔問供物辞すること。生者は死者のため煩わさるべからず。平成9年2月26日 太宰久雄』という妻宛の遺言と共に、その死が公表されたのは10日後。三崎千恵子に「このまま伏せておくのはどうかしら」と言われた妻の雅子が松竹に相談してのことだった。この遺言は、公表翌日の朝日新聞天声人語」などで取り上げられ、死のあり方について一石を投じた。
エピソード

『男はつらいよ』シリーズで太宰と共演した俳優の
前田吟によると、大変シャイな性格で人前で話をしたり、演技をするのが苦手だった。そして大変な苦労人でもあり、努力家であった。

フリーになってから数年間は試行錯誤の時代だったらしく、一時は肩書きを「コメディアン」としていた。

個性的で独特な髪型は、自身でバリカンを用いて刈っていた。なおタコ社長以前は、本人曰く「流れるような長髪」であったという。

本物の社長のように分厚い財布を所持していたが、中身は全て千円札に両替していた。これは買い物の際に「一万円札だと、お店の人が釣り銭に困ると思うから」という気配りからだった。

再婚するまでの間は、息子達のために家事一切を受け持っていた。その事については「いゃあ、 お恥ずかしい…」と照れながら語っていた。

糖尿病を患って痩せてきた頃は、自ら「これじゃあ、イカ社長だよなぁ? 」と言い、共演者に冗談で和ませていた。

タコ社長と寅さんが取っ組み合いの喧嘩をするシーンについて「渥美清が相手だと全然痛くなかった。立ち回りの手加減の仕方が絶妙でしたよね」と語っていた。その一方で太宰は乱闘シーンが苦手であり、前田が後年語るところ「社長には本当に殴られた事もありましたけどね(笑)」とのこと。

渥美清が逝去したという知らせを太宰は入院先の病院で知った。その報を聞いた太宰は、病室のベッドの上で唇を噛みしめて押し黙っていた。

山田洋次は太宰の死去について「体調が悪いことはかなり前から知っていました。何度も俳優を引退したいと申し出られたのを、引き留め、引き留め「男はつらいよ」シリーズ48作まで頑張ってもらいました。渥美清さんが亡くなってからはだれにも会おうとせず、見舞いも厳しく断っておられました。どのような思いで死を迎えられたのかを想像し、粛然と襟を正す思いです」とコメントしている[要出典]。

タコ社長として1977年10月8日から1979年7月7日までには、ニッポン放送で『タコ社長のマンモス歌謡ワイド』という番組を持って放送していた時期があった。

「タコ」というあだ名は、撮影中の渥美清から発せられたアドリブからである。

撮影所に家庭のプライベートな事は持ち込まず、息子を亡くした時もその事を周囲には一切言わなかったという。翌日、大声で笑わなければいけないシーンでは、堪えきれずに泣き崩れてしまった[6]

出演作品
テレビドラマ

新婚日記(1954年、
NHK) ※ テレビ試験放送

れれかんちゅん物語(1956年、日本テレビ

喜劇(コメディ)日本意外史(1956年、日本テレビ)

花咲ける武士道(1957年、日本テレビ)

火星を買った男(1957年、日本テレビ)

おいらの町(1957年、NHK)

月影剣法(1958年、日本テレビ)

勝海舟(1958年、日本テレビ)

あんみつ姫(1958年、KR

ボッコちゃんと彼(1960年、KR)

雑草の歌(1960年、KR)

第119回「社会復帰学校」

第140回「小島のバク」


笑えば天国(1961年、フジテレビ

ある殺人 前編・後編(1961年、フジテレビ)

スタイロールの犯罪(1961年、TBS

能面の家(1962年、NET

お気に召すまま 第5回「幽霊会社」(1962年、NET)

コメディ フランキーズ(1963年、TBS)

第21回「新選組粗末記 前編」

第22回「新選組粗末記 後編」 


東京の昼と夜(1963年、NHK)

孤独の賭け(1963年、NET)

いつか青空(1964年、TBS)

ちゃっきり金太(1964年、日本テレビ)

特別機動捜査隊(NET / 東映

第150話「脅迫」(1964年)

第220話「丙午」(1966年)

第505話「あるアイディア」(1971年)

第569話「大都会の詩」(1972年)


悪魔のようなすてきな奴(1964年、NET)

太閤記(1965年、NHK大河ドラマ

アッちゃんシリーズ(日本テレビ / 国際放映

アッちゃん(1965年)

続アッちゃん(1965年)

新アッちゃん(1966年)


マダムと駅長(1965年、日本テレビ)

アスファルトジャングル(1965年、NET)

悪の紋章(1965年、NET) 

愛妻くん 第8回「妻よ太陽のごとく」(1966年、TBS) 

渥美清の泣いてたまるか (1967年5月7日 - 1968年3月17日、TBS / 国際放映)

第44話「先生しごかれる」

第53話「東京流れ者」


快獣ブースカ(1966年 - 1967年、日本テレビ / 円谷プロダクション)- ミー子の父

第24話「ぼくは一等賞」

第44話「チビッコ台風」 


コメットさん(1967年 - 1968年、TBS / 国際放映)- 塾の先生

日高川 第6回(1967年、TBS)

でっかい青春 第38話「青春のキャンパス」(1968年、日本テレビ / 東宝

素浪人 月影兵庫 第2シリーズ 第53話「顔に書き初め書いていた」(1968年、NET) 

日本剣客伝 第3話「上泉伊勢守」(1968年、NET) 

どじょっこさん 第8話(1968年、ABC)

河童の三平 妖怪大作戦 第4話「黒髪魔女」(1968年、NET / 東映) 

炎の青春 (1969年、日本テレビ / 東宝)- 中本医師(勇の父)

第2話「ドンと来い!ヤングパワー」

第10話 「我等のババゴン!!」


女殺し屋 花笠お竜 第6話「殺人街道に花が舞う」(1969年、東京12チャンネル

青空に飛び出せ! 第25話「あゝ独立国!」(1969年、TBS / 国際放映) 

湖畔の妖女(1969年、NET)

日本任侠伝 第3話「清水の小政」(1969年、NET)

江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 第15回「怪人二十面相 夜光人間」(1970年、東京12チャンネル / 東映)

おれは男だ! 第36話「星の国から来たあいつ!」(1971年、日本テレビ / 松竹) 

時間ですよ 第61回(1971年、TBS)

好き! すき!! 魔女先生 (1971年 - 1972年、ABC)- 竜村理事長(正夫の父)

第7話「魔女テスト」

第9話「月輪仮面の謎!」

第15話「ムシ歯になった宇宙人」

第16話「ゴキブリ父ちゃん!怪人レスラーもビックリ」


すし屋のケンちゃん(1971年、TBS / 国際放映)

キイハンター 第213話「ずっこけスパイ ハレンチ大学」(1972年、TBS / 東映)

人造人間キカイダー 第16話「女ベニクラゲが三途の川へ招く」(1972年、NET / 東映)

おこれ!男だ (1973年、日本テレビ) - ラーメン屋店主

夫婦日記 春の子守歌(1973年、日本テレビ)

それぞれの秋 第2話(1973年、TBS) 

顔で笑って 第3話(1973年、TBS)

東芝日曜劇場HBC

九〇〇回記念 ふるさとシリーズ 幼なじみ(1974年、HBC)

乙姫先生(1976年)



北へ翔ぶ日(1979年、HBC)

伜(1979年、TBS)

高校教師 第23話「真夜中のカミナリ族」(1974年、東京12チャンネル / 東宝) 

ふたりは夫婦 第1回「食客いそうろう」(1974年、フジテレビ)

伝七捕物帳 第75話「酒は涙か花が散る」(1975年、NTV / ユニオン映画)- 鶴吉


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