天領
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注釈^ a b c 慶安4年(1651年)?承応2年(1653年)分は「関東分御勘定帳無之」とあり、上方分のみの集計かつ年貢の米納・金納の内訳不明。
^ a b 承応3年(1654年)、明暦元年(1655年)分は「御勘定帳無之」とあり、石高・年貢高不明。
^ a b c d 明暦2年(1656年)、寛文元年(1661年)、延享元年(1673年)、延享2年(1674年)分は「上方御勘定帳無之」とあり、関東分のみの集計。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p 元禄9年(1696年)?正徳元年(1711年)分は「内訳無之」とあり年貢の米納・金納の内訳不明。
^ a b c d e f g 大河内家記録「御取箇辻書付」では、享保元年(1716年)分が米107万4003石余、享保3年(1718年)分が米112万7189石余、享保7年(1722年)分が米111万5514石余、享保8年(1723年)分が米105万0911石余、享保13年(1728年)分が米118万1658石余、宝暦6年(1756年)分が米133万0262両余、天明7年(1787年)分が年貢高此取146万8770石余となっている。
^ a b c d 大河内家記録「年々御取箇辻書付」では天明元年(1830年)分が年貢高此取156万5836石余、天明4年(1784年)分が高436万0520石余、寛政元年(1789年)分が年貢高此取156万5836石余、寛政2年(1790年)分が年貢高此取142万3687石余となっている。
^ 文化5年(1808年)分は神宮文庫「勘定出納大略」では米185万1226石余となっている。
^ 天保13年(1842年)の分は勝海舟編『吹塵録』所収「天保十三年全国石高内訳」により、年貢高は不明。

日本全国の総石高に占める天領の割合は、慶長10年(1605年)における日本全国の総石高2217万1689石余に対して推定230?240万石であり、10.4?10.8%となる。また元禄10年代(1697年?1703年)の全国の石高(元禄国絵図・郷帳高)2578万6929石余に対して約400万石であり、15.5%となる。[5]さらに天保期における日本の天保年間の総石高(天保国絵図・郷帳高)は3055万8917石余と算出されているが、勝海舟編『吹塵録』所収「天保十三年全国石高内訳」によると、1842年(天保13年)の天領は総石高の13.7%に当たる420万石弱を占めた。

全国類別石高(天保13年)類別石高割合 (%)
禁裏仙洞御料 - 天皇上皇女院御料地4万0247石余0.1
御料所高 - 幕府直轄領(天領)419万1123石余13.7
万石以上総高 - 大名領分2249万9497石余73.6
寺社御朱印地 - 寺社名義領29万4491石余1.0
高家並交替寄合 - 高家交代寄合(老中支配の旗本)領17万9482石余0.6
公家衆家領寺社除之分 - 公家領・宮家領・寺社除地[注2 1]
万石以下拝領高並込高之分 - 旗本(若年寄支配の旗本)知行所・込高地[注2 2]335万4077石余11.0
六拾余州並琉球国共 - 日本全国・琉球国領地総計3055万8917石余100.0

注釈^ 寺社名義の所領のうち幕府による年貢取立の対象になっていない土地。
^ 転封などの際に、知行高は変らないのにもかかわらず新旧所領の年貢率の違いによって領主が実質的減収となってしまう場合、特別に加増された石高。

天領の内訳の変遷

徳川の関東入国直後には、直轄領は関東総奉行や代官頭によって支配されていたが、慶長年間に関東総奉行や代官頭が消滅後は、その配下の代官・手代衆が昇格して天領支配を担当するようになった。天領の管轄は当初江戸(関東)と京都・大坂(上方)に二分されていたが、寛永19年(1642年)に勘定頭が設置されると、司法・行政区域が統一され、地方の支配組織は老中→勘定奉行→郡代・代官への系統へと整備されるようになった。また江戸時代の当初から遠隔地の都市・港・鉱山には遠国奉行が置かれていたが、これらも老中支配下に統合された。

これとは別に大名に支配を委ねた大名預地があった。豊臣政権の太閤蔵入地が形を変えたもので、徳川綱吉による幕府支配機構の整備と強化のもと、貞享4年(1687年)に廃止されたが、元禄4年(1691年)には復活した。さらに正徳2年(1712年)には財政立て直しのために再び新井白石により大名預地は廃止されて代官の直支配となったが、年貢収納率の低下を招いたため、享保7年(1722年)に再び徳川吉宗により大名預地は復活した。

天領は当初関東と上方の二分に分けられていたが、享保2年(1717年)以降、関東・海道・北国・東国・畿内・中国・西国の七筋に区分されるようになった。[1]

18世紀以降の天領の石高における内訳の変遷は以下の通りである[6][7]

天領石高内訳変遷内訳元禄15年
(1702年)享保15年
(1730年)宝暦7年
(1757年)天保9年
(1838年)文久3年
(1863年)
郡代・代官支配地3,867,435.7003,602,3803,896,0003,284,478.266653,173,924.14438
   関東筋1,199,833.9061,076,4511,149,400932,014.13504882,192.33367
   畿内筋662,924.000668,647414,300463,696.31026521,454.30627
   海道筋497,333.000738,747715,300719,794.80472691,916.20596
   北国筋555,300.000267,118734,400355,058.24664240,506.50338
   奥羽筋455,394.794319,988380,000375,375.91618378,040.55971
   中国筋252,050.000407,564365,000284,327.64181286,813.23685
   西国筋244,600.000123,865137,600154,211.21200173,000.99854
遠国奉行支配地138,188.000139,6519,100144,196.73099149,406.53199
   浦賀(相模国)奉行7707006,517.382993,456.14331
   神奈川(武蔵国)奉行6,187.78250
   伏見奉行4,320.0004,4945,0005,166.682005,174.96700
   佐渡奉行130,433.000130,952132,512.66600132,572.37700
   新潟(越後国)奉行2,015.26218
   長崎奉行3,435.0003,4353,400
代官・遠国奉行支配地合計4,005,623.7003,742,0313,905,1003,428,674.997643,323,330.67637
大名預所739,025577,800763,366.31504752,411.43166
   関東筋12,70044,551.89540
   畿内筋42,272255,800106,465.5148183,296.10637
   海道筋59,90930,40070,710.7808270,710.78082
   北国筋397,955123,700254,358.19707256,785.96562
   奥羽筋180,207103,500170,964.18122166,818.83083
   中国筋34,27323,300111,829.02950103,141.17024
   西国筋24,40928,40049,038.6116227,106.68238
総石高4,481,0564,482,9004,192,041.312684,075,742.10803

関連用語

領分(藩) - 石高1万石以上の大名が知行する領地(大名領)。

知行所 - 石高1万石未満の旗本が知行する領地(旗本領)で、大名の「?藩」とは区別して「?領」と呼んだ。

禁裏御料 - 天皇上皇 (院)女院の財政基盤となった御料地

公家衆家領 - 公家宮家の財政基盤となった料所

朱印地 - 由緒ある寺院神社に幕府が特例の朱印状をもって付与した所領で、表向きには公領扱いのため領内で幕府の代官が年貢を取り立てることもあった。

寺社除地 - 寺社名義の所領のうち寺社が占有的に支配する権限を得た私領で、幕府への年貢も免除され収益は全て寺社のものとなった。

幕末の天領

この節の加筆が望まれています。

地方区分は現代のもの。人名は代官を務めた旗本
北海地方

いずれも箱館奉行の「御預所」。戊辰戦争箱館戦争)後の令制国およびをカッコ内に記す。

蝦夷地千島国

仙台藩警固地 - 択捉場所シヤナ(紗那郡


東蝦夷地(根室国

仙台藩警固地(ネモロ陣屋) - 根室場所付島々(花咲郡の島嶼部)


東蝦夷地(釧路国

仙台藩警固地 - 釧路場所(足寄郡白糠郡釧路郡阿寒郡網尻郡川上郡


東蝦夷地(日高国

仙台藩警固地 - 幌泉場所(幌泉郡)、様似場所(様似郡)、浦河場所(浦河郡)、三石場所(三石郡)、静内場所(静内郡)、新冠場所(新冠郡)、沙流場所(沙流郡


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