天空の城ラピュタ
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短気な性格の持ち主である[注 22]。小説では南部地方の行政もつかさどる権力者だが、要塞自体が僻地に位置するため現状には強い不満を抱いており、ラピュタ探索を成功させることで中央への返り咲きを狙っている[69]。無線通信をドーラに傍受されて飛行客船を襲撃されたり、ムスカに出し抜かれて主導権を簒奪されたりする等、司令官としてはどこか頼りない一面がある。一方で軍人気質の持ち主でもあり、作戦行動時には自ら先頭に立って突き進むタイプで、部下からの信頼は非常に厚い。軍服勲章を3個着用していることから、それなりに功績を上げていることも示唆されている[注 23]。また諜報機関に属し、政府の密命を盾に作戦に介入するムスカを「特務の青二才」と呼び快く思っていない[注 24]。ムスカの情報によってラピュタを発見し、実際に上陸には成功したものの、財宝に目がくらんでいる隙に本性を現したムスカの裏切りで罠にはめられ、ムスカを射殺しようと発砲したことが引き金となり、ラピュタ底部の展望室の床に突然開いた穴から、大勢の兵士ともどもはるか下の海に落とされ始末された[73][74](小説では(展望室の)床が開くと記載[75])。作中では「閣下」と呼ばれ、映画エンドクレジットでは「将軍」と表記される。「モウロ」の名は小説と設定資料上で確認できる[69][注 25]

『ロマンアルバム』の企画書第1稿では、悪役はチック大佐となっており、モウロ将軍とムスカが一体となった役と設定されていた[76]。同書には山高帽子をかぶったチック大佐のイラストが掲載されている[77]

黒眼鏡(特務機関員)
声 - 大塚芳忠菅原正志ムスカに随行する忠実な部下。全員が丸い黒眼鏡に黒のスーツ山高帽を身に着けている。面長で口ひげの男、ひげのない面長のいかつい男(共にラピュタに同行)、角ばった顔で口ひげの男などがいる。飛行客船では3人、シータの回想場面でゴンドアの谷で彼女の家に向かったのは3人、シータを捕らえたティディス要塞では4人が登場。ラピュタまで同行したのは2人であったが、ラピュタ半球体内部の大量に巨石のある部屋で、巨石の内の1つに乗り、ある程度下りた後、ムスカに置き去りにされる[78]。置き去りにされた黒眼鏡2人は、ムスカにより部屋中の巨石が作動した際に足場を失い、最初に通った半球体内部通路に戻る為に部屋の壁を形成する巨石を登っていたが、作動の活性化の中、しがみ付いた巨石から悲鳴を上げながらはじき飛ばされていった[79]
兵士
声 - 大塚芳忠ほか物語の舞台となった国家の政府軍に所属する兵士たち。ティディス要塞に配属された警備兵と、ゴリアテの搭乗員とが登場する。要塞内のほとんどの兵卒下士官たちは戦闘用のヘルメットを深くかぶっており、顔が見えることは少なく、はっきりと見えるのは制帽をかぶった上級士官や将軍の副官のみである。モウロ将軍や将校たちは会議中に帽子を脱いでいるシーンがある。小説版での会議中のシーンでは、参謀肩章を着用している者もいる、という記述もある。一方ゴリアテやロケット艇の搭乗員はダブルボタンの飛行服にフードをかぶった兵士が数名姿を見せている。また、ゴーグルを着用している者もいる。兵卒や下士官の多くは、気絶したシータのおさげを引っ張ったり、ラピュタ上陸後は無秩序に構造物を破壊して財宝を根こそぎ略奪したりするといった素行の悪さが目立つなど、一貫して悪役的に描写されている。鉱山鉄道では、パズーに転倒させられた将校が拳銃を抜くシーンもある。また、要塞では復活したロボット兵の攻撃による要塞の破壊の巻き添えとなるほか(要塞での兵士に関しては死の描写は直接的には見られない)、ラピュタ上陸後のムスカの離反時には前述の将軍の抹殺に巻き込まれる、起動したロボット兵に追われて逃げ惑ううちに誤って転落する、ゴリアテの発進に間に合わずに空中に投げ出される、ゴリアテからの砲撃でラピュタ本体に決死の反撃を試みるも、あえなく撃墜され艦と運命を共にするなど、作中では無残な死に様を晒すシーンが多い。
スラッグ渓谷
ポム(Uncle Pom)
声 -
常田富士男 / リチャード・ダイサードドーラ一家と軍から逃れる為に廃坑内をさまよっていたパズーとシータの元に現れた風変わりな老人。準備稿には70歳、代々の鉱夫、スラッグ渓谷の地下を熟知と記載[80]。『型録 I』には鉱山師と記載[81]。パズーとは以前から面識があって深く慕われており、「ポムじいさん」と呼ばれている。鉱物に精通し、鉱石の状態変化を「石達の声」と呼び、廃坑の中を一人放浪する事を楽しんでいる。飛行石についての知識や「石が騒いでいるのは上空にラピュタが来ているから」といった伝承などをパズーとシータに提供し、二人を出口まで案内してくれた。小説版では(スラッグ渓谷の)鉱山の生き字引(の鉱山師[80])として鉱夫達の間で知られた存在である事が書かれている[82]。謎の多い人物だが、オープニングで描かれるラピュタの人々と格好が似ている等から、ラピュタの労働者階級の子孫ではないかとも言われる[注 26]。モデルは森康二近藤喜文[84]。オープニングのクレジットに出てくる5人の内の1人であり、映画エンドクレジットでは「ポムじい」と表記されている。
ダッフィー(Duffi)
声 - 糸博 / ジョン・ホスティタースラッグ渓谷で働く鉱夫で、坑内のボイラーエレベーター等の鉱山機械を扱うベテラン機械工。パズーの親方。40歳前後[80]。性格は荒っぽく、仕事にも厳しいが、働き者の徒弟であるパズーを何かと気にかける仁義に厚い男。海賊相手にもひるむ事無く立ち向かうが、妻には頭が上がらない様子[注 27]。鉱夫らしい立派な体格をしており、ドーラ一家いちの力自慢シャルルと互角の殴り合いを演じた。その際に他の鉱夫から名前を呼ばれている。なお、名前について言及されるのはこのシーンのみである。小説版によれば昔から鉱石(及び[85])を採掘してきたこの鉱山で父親の代から鉱夫をしてきたが、優良な目ぼしい鉱脈の多くが掘り尽くされ、輸送に不便な内陸から精錬工場等も次々と移転していく為に、寂れる一方(スズが多少取れる程度[85])で「スラッグ= 鉱滓(slag)渓谷[12]」と呼ばれて久しい鉱山の状況を憂いている描写がある(本編中でも新しい鉱脈の当てが外れた直後、不景気ぶりをぼやいている)。小説ではパズーが要塞から帰ってきた時親方が家にいなかった理由は、新しい鉱脈が見つかり残業だとおかみさんが発言[86]。映画エンドクレジットでは「親方」と表記されている。
おかみさん
声 - 鷲尾真知子ダッフィーの妻。20歳[87](『THE ART OF』の監督の解説によると15歳位で結婚した[87])。肝のすわった性格で度胸もあり、町の荒くれ男達とドーラ一家との乱闘騒ぎをフライパン片手に見守った。パズーを実の息子のようにかわいがっている様子で、パズーに逃走を促しつつその覚悟を認め、シータを守るように伝えて送り出した。映画エンドクレジットでは「おかみ」と表記されている。
マッジ(Madge)
声 - TARAKOダッフィー夫妻の娘。パズーとも仲が良いらしく、彼の家に遊びに行く事もある。ティディス要塞から帰ってきたパズーを最初に発見した。
軽便鉄道機関士
声 - 西村知道 / マット・K・ミラー軽便鉄道(鉱山鉄道)の運転士を務める老機関士。ドーラ一家や軍に追われるパズーとシータを助けた。
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