天空の城ラピュタ
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そこへ、空中海賊ドーラ一家が襲撃を仕掛けてくる。彼らの目的が自分にあると知ったシータは逃げるために窓の外へのがれ隣の部屋へ移ろうとするが、室内から追いかけてきた海賊の男に驚き足を滑らせ飛行客船から転落してしまう。気絶したシータが落下する中、石が不思議な光を放ち、彼女の体を宙に支えて落下速度を緩めた。シータは真下にあったスラッグ渓谷の鉱山にゆっくりと落ちていき、鉱山で働く少年パズーに発見され助けられる。
鉱山街
翌朝、目を覚ましたシータが空に浮かぶという伝説の城ラピュタの写真を見ているのを見たパズーは、今は亡きパズーの父が生涯で一度だけラピュタを目撃、写真を撮ったが、詐欺師扱いされた事と、その汚名をそそぐべく、ラピュタへ行く事が夢だと語った。直後にパズーはシータが海賊に追われている事を知り、彼女を守って共に逃げる。海賊と軍に追われた二人は、鉄道の高架線から下の廃坑に落ちるが、石の力により再び救われ、廃坑の底までゆっくり落ちる。廃坑で会った石に詳しい老人ポムによれば、首飾りの石は昔ラピュタで作られた飛行石の結晶だという。地上に戻った後、実在を確信してラピュタ探索への意欲を燃やすパズーに、シータは暗く沈んだ表情で、彼の家でラピュタの写真を見た時に思い出した、古くから受け継いできたという秘密の名前を打ち明け、姓が「ラピュタ」である事に彼は驚く。
軍事要塞
その直後、二人は特務機関と軍に捕まり、要塞へと連行される。そこでシータは、ムスカから以前ラピュタから落ちてきた壊れたロボット兵を見せられる。彼は彼女に、飛行石はラピュタの王族を守り、いつかラピュタに帰る時の道しるべとして代々受け継いできた物だと言う。そして、「ラピュタは遠い昔に滅びたが、かつて高度な科学力で天空から世界を支配した恐怖の帝国だった。それが今も空に存在する事が平和の脅威になりうる」というまっとうな理由を語りつつ、パズーの命を盾に脅迫的に協力を迫り、同時に秘密として受け継がれてきたはずの彼女の本名を言い当てる。シータはパズーの身を案じてやむなく協力を承諾する。牢屋から解放されたパズーと再会したシータはラピュタの探索をあきらめるようにパズーに告げ、失意と共に要塞を去っていくパズーを、涙と共に見送った。
シータの奪還
夜が明け始め、軍のラピュタ探索に同行させられる時が迫り途方に暮れたシータは、昔亡き祖母に教わった「困った時のおまじない」を思い出し唱える。彼女は知らなかったが、実はそのおまじないはラピュタの封印を解く呪文だった。その呪文によりロボット兵が目覚め、シータを救う為に暴れ出し、飛行石は日の昇る東の空に光を放ってラピュタの位置を指し示す。一方パズーは自宅に戻るも、不在の間に入り込んでいたドーラ一家に捕まってしまう。シータに裏切られたと思いふさぎ込んでいたパズーはドーラに一喝され、シータが突き放すような態度を取った理由を理解し、石を奪う為に要塞へ向かう一家に自分も連れて行くように懇願する。ドーラもその方がシータが言う事を聞くかも知れないと考えて同行を許し、ロボット兵の暴走により混乱する要塞から協力して彼女を救い出す。
飛行船に乗りラピュタへ
石はムスカの手に渡り、彼はロボット兵を破壊した軍と共に先にラピュタに出発する。パズーとシータも一家の飛行船に乗せてもらい、後を追う形でラピュタへと向かう。夜になり見張りをしているパズーの元にシータが訪れ、ラピュタを巡る複雑な思いを告白する。彼女は祖母に他にも幾つもの「おまじない」を教えられており、その中には「滅びの言葉」というものもあると言う。パズーは不安に駆られるシータを励まし、ラピュタを巡る冒険が終わったら必ず故郷に送り届けると彼女に誓う。だが、会話の直後に、一家の飛行船は軍に発見され、攻撃を受け雲間に逃れる。ドーラの命令で見張り台を切り離し、雲の上で偵察用のグライダーとして使っていた二人。夜が明け、巨大な低気圧の中心「竜の巣」が迫る中、再び軍に発見され連続攻撃を受ける。攻撃を受けながら、パズーの言葉によりドーラが「竜の巣」に入る事を決めた時、グライダーをつないでいたワイヤーが切れ、飛行船より先に「竜の巣」に飲み込まれてしまう。嵐の中でパズーは、青白い父の飛行船の幻を目撃し、それに導かれるように、嵐の中心にあるラピュタの上層部に到着し、城の端の地面に落ち気絶する。
天空の城ラピュタ
目覚めた二人は園丁ロボットに、建物の外の水底に沈んだ町や、建物の中の庭園を案内され、恐怖の帝国と呼ばれたラピュタの平和的な一面を見る。その後、遠くから爆発音を聞いて外に出た二人は、城の中間層で軍に捕まった一家の姿を発見する。パズーは外壁をよじ登って一家を救おうとするが、ムスカの部下が彼を撃とうとした為、シータが体当たりをした後逃げようとするが、ムスカに捕まってしまう。彼らは彼女を捕らえたまま城の下層部に入る。パズーはドーラの縄を切り、彼女から武器を受け取ってシータの救出に向かう。途中で部下を置き去りにしたムスカは、城の中枢部で彼女に自分もラピュタ王の子孫だと明かす。彼の本当の狙いとは、ラピュタの力を手に入れて世界を支配する事だった。そして彼は飛行石で城を操り軍を皆殺しにする。
滅びの言葉
ムスカの非道な仕打ちに怒り心頭に発したシータは、彼から石を取り返し逃げだす。途中で彼女は、下層部に入り込んでいたパズーを壁の割れ目から見つけ石を渡す。その後、玉座の間に追い詰められ、ムスカに銃で脅されるもシータは毅然とした態度で対峙し、人は土から離れては生きられない存在なのだと喝破する[5]。その直後、駆け付けてきたパズーはシータに滅びの言葉を教えるようにシータに言い、シータはパズーと共に滅びの言葉「バルス」を唱える。すると飛行石が強い光を発して城は崩壊し、強烈な光に視界を奪われたムスカは瓦礫と共に海へ落ちていく。ラピュタを浮遊させていた巨大な飛行石の結晶は、ラピュタ全体を覆っていた大樹の根に囲まれて、城の上層部と共に更に高空へと飛び去っていった。
エピローグ
パズーとシータはグライダーで城から離れ、フラップターで脱出していたドーラ一家と空で再会して喜び合う。そして二人は一家と別れ、帰途に着くのだった。
登場人物

※声の記述は、日本版 / ディズニー英語版の順で表記。
主要人物
パズー(Pazu)
- 田中真弓 / ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク本作の主人公。スラッグ渓谷(小説版に(この国の)南部山岳地帯にあると記載[6])の鉱山で働く見習い機械工で[7][8]、明るく元気で正義感と行動力あふれる少年。12歳[注 2]。小説版に12、13歳と記載[12]。天涯孤独で、両親の残した家で一人暮らしをしている。小説版にこの渓谷に母親と一緒に(つまり父親の死後)来たと記載[13]。ラピュタの発見に関して詐欺師の汚名を着せられたまま死んだ父の為、自作のオーニソプター(はばたき飛行機)でラピュタの実在を証明する事を夢見る。場の空気を読むのがうまく、自分達を守り、味方であるはずの軍がシータへの態度から敵である事をすぐに見抜いた。シータと出会った事で、海賊や軍から彼女を守りながら、飛行石とラピュタを巡る冒険の旅へと出る。体は頑丈で、親方のゲンコツよりも硬い石頭だと自称する。実際、ムスカの部下にで殴られ気絶し、要塞に連行後にムスカがシータに「彼の石頭は私のものより頑丈だったよ」と(自分を酒瓶で殴ったシータへの皮肉も込めて)言っている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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