ほとんどの国では商用の秤の設計と使用が規制されている。このために、新しい設計を導入すると費用の高い規制のハードルを越えなければならないので、秤は他のテクノロジーに比べて遅れがちである。しかし、最近ではデジタル質量計が導入される傾向にある。デジタル質量計は、実際にはひずみ計であり、専用のアナログ変換機とネットワークが組み込まれている。この設計により、苛酷な環境下で20ミリボルト信号を伝送することに付随する問題を減らしている。
政府の規制は、認可を受けた機関で定期的に検査を受けることを要求しており、そのときの校正記録は保存される。体重計のような商用でない秤は、「商用不可」のラベルを付けることが要求されている。
現代的な電子質量計は重力による下向きの力を計って、それを質量に換算して表示している。しかし地球上の重力は場所によって0.5%の範囲で変動しているためこの種の質量計では、場所によって異なる表示を示すことになる。このため、正確な質量を測定するためには、設置した場所ごとにその地点における重力加速度に基づく校正をしなければならない。
伝統的な天秤ばかりでは、上記のような問題は発生しない。
誤差の原因
天秤はかりの設置不良、水平が出ていない場合など
試料に生じる浮力。真空中計測することにより避けられる
気流の影響。強い光を避ける、ガラスケース内で使用することにより避けられる。
竿の三支点の静摩擦
地磁気その他の磁気の秤の磁性体部品や被測定物への影響
水蒸気の試料や分銅への影響
試料の高・低温度による周辺空気の移動の影響
コリオリ力
感量を下げる(精度を上げる)には
3支点のナイフエッジの鋭さ、刃端のRが小さいこと
3支点のナイフエッジの直線性
3支点の静摩擦が小さいこと
秤量を上げるには
3支点のナイフエッジを強靭にする(材料の選択)
感量を犠牲にしてナイフエッジの刃先角度を鈍角にする
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b c d 宮下文秀「秤量の基礎 天びんの分類とその性質(少量の化合物を正確に秤量・分析するには)」『化学と教育』第60巻第11号、日本化学会、2012年、476-479頁、2019年10月15日閲覧。
^ a b c d “鉱山における粉じん濃度測定マニュアル”. 経済産業省. 2019年10月15日閲覧。
^ a b 内閣 (2007), “第二条第二項イ”, 計量法施行令(平成五年十月六日政令第三百二十九号) (平成一九年一一月二一日政令第三三九号 ed.), https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=405CO0000000329&openerCode=1#7 2009年6月29日閲覧。
^ 日本規格協会, ed. (1983), “化学分析方法通則(抜粋) K 0050-1983”, JISハンドブック 試薬, 日本規格協会 (1985発行), p. 25, .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-542-12135-6
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秤
天秤
ロベルヴァルの秤
アアル - エジプト神話
正義の女神 - 目隠しをし剣と天秤を持ち司法・裁判の公正さを表す。
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